グラインドボーンの4月のおすすめは、ブレット・ディーンの「ハムレット」2017年の公演です。
METのトーマスの「ハムレット」(1868年初演)を(2010年3月27日公演)サイモン・キーンリーサイドで見ましたが、
ブレット・ディーン(1961〜)の「ハムレット」は、ディーンがオーストラリア人なので英語のオペラとなり、シェイクスピアの美しい言葉をそのままオペラに持ち込んでいて味わい深い。そしてヴェテランのロッド・ギルフリーやサラ・コノリーが悪役の王と妃になっているところはとてもこのオペラを質の高いものにしている。
6月にはメトロポリタンオペラが、同じ主演、演出で、初演を行います。
さすが、グラインドボーンは英国のオペラハウスですね!
キャスト
ハムレット/アラン・クレイトン
ガートルード/サラ・コノリー
オフィーリア/バーバラ・ハンニガン
クローディアス/ロッド・ギルフリー
ポローニアス/キム・ベグリー
先王ハムレットの幽霊/ジョン・トムリンソン
ホレイショー/ジャック・インブライロ
レアティーズ/デイヴィッド・バット・フィリップ
ローゼンクランツ/ルパート・エンティクナップ
ギルデンスターン/クリストファー・ローリー
グラインドボーン合唱団
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ヴラディーミル・ユロフスキ
演出:ニール・アームフィールド
装置:ラルフ・マイヤーズ
衣装:アリス・バビッジ
シェイクスピアの「ハムレット」は多くのの作曲家がオペラにしていますが、ブレット・ディーンは、オーストラリアの作曲家、台本を手がけたマシュー・ジョスリンも台詞の順序や配役を変えていますが全ての台詞をシェイクスピア戯曲から取ってきており、シェイクスピア劇としての言葉の美しさを楽しむことができる。
音楽はシェーンベルクのような無調音楽をあらゆる楽器が奏で続けるといった現代音楽作品で、幽霊が出てくるところは不気味さが倍増されて効果的。
タイトルロールのアラン・クレイトン(1981~)はこの作品で実力派歌手としての功績を讃えられロイヤル・フィルハーモニック協会音楽2017で「歌手賞」を受賞し、オフィーリア役のバーバラ・ハンニガンの狂乱シーンも見事な演技力を見せつけました。先王のハムレットの幽霊と墓掘りとプレイヤーの一人3役のジョン・トムリンソンがいい味を出していましたね。指揮はグラインドボーンの前音楽監督ウラディーミル・ユロフスキ、力強い指揮ぶりでオペラ全体を盛り上げていた。
What a piece of work is man, How noble in reason, how infinite in faculty, In form and moving how express and admirable, In action how like an Angel, In apprehension how like a god, The beauty of the world, The paragon of animals. And yet to me, what is this quintessence of dust? Man delights not me; no, nor Woman neither; though by your smiling you seem to say so.
この有名なセリフがすべて出てきますよ!