ウィーン国立歌劇場、久しぶりのストリーミングはヒンデミットの金に取り憑かれた男「カルディヤック」です。
パウル・ヒンデミットが1926年に作曲した3幕のドイツオペラで、E.T.A.ホフマンの「スキュデリ嬢」を原作にしています。
金細工師カルディヤックにはウィーンで活躍しているトーマシュ・コニェチュニーが、カルディヤックの娘には、ウィーンのアンサンブルメンバーのヴェラ=ロッテ・ベッカーが担当しています。そして貴婦人役のステファニー・ハウツィールが艶かしい。
舞台が金とシンプルな色調で統一され、一幕後半に騎士が帯を持って現れてからはパントマイムと影の効果で歌はなしの不思議な数分がある。
二幕のカルディヤックの娘の動きが人形振りなところはホフマン物語を思い出させますね。

ヒンデミット/歌劇「カルディヤック」
カルディヤック(金細工師)/トマーシュ・コニェチュニー  Tomasz Konieczny
カルディヤックの娘/ヴェラ=ロッテ・ベッカー Vera-Lotte Boecker
士官/ゲルハルト・ジーゲル Gerhard Siegel
騎士/ダニエル・イェンツ Daniel Jenz
貴婦人/ステファニー・ハウツィール Stephanie Houtzeel
金商人/ヴォルフガング・バンクル Wolfgang Bankl
役人/エフゲニー・ソロドフニコフ Evgeny Solodovnikov
指揮/コルネリウス・マイスター Cornelius Meister
演出/スヴェン=エリック・べヒトルフ Sven-Eric Bechtolf
舞台装置/ロルフ・グリッテンベルク Rolf Glittenberg
衣裳/マリアンヌ・グリッテンベルク Marianne Glittenberg
照明/ユルゲン・ホフマン Jurgen Hoffmann
 
第一幕
舞台は17世紀、ルイ14世の時代のパリ。
連続殺人の噂に不安がる人々の合唱で始まります。
金細工師カルディヤックが作った金細工を買った人が殺されて金細工を奪われてゆく噂に、貴婦人はカルディヤックの作った最高の金細工をくれたら、騎士のものになると。
騎士は約束通り、金の帯を手に入れて貴婦人と愛し合うが、何者かが現れ騎士を殺して去って行く。

第二幕
金商人とカルディヤック。
カルディヤックの娘と恋人の士官。
王が彼の作品を買いにくるが、売るのを拒む。
士官はカルディヤックから金の鎖を買うが、変装して士官の後を追う。

第三幕
カルディヤックは最後自分が殺人犯だと白状し、人々に襲われる。瀕死のカルディヤックは士官の渡した金の鎖を眺めて喜び、そのまま死んでしまう。

 
ウィーン国立歌劇場「カルディヤック」
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