2月22日(火)
東京文化会館大ホールにて、リヒャルト・シュトラウスの「サロメ」東京二期会公演です。
昨日は、METの「ばらの騎士」をNHKハイビジョンで録画したものをみたばかりで、
今日は、同じリヒャルト・シュトラウスの作品ですが、ペーター・コンヴィチュニー演出の「サロメ」。
METの「ばらの騎士」は伝統的な演出、「サロメ」は超コンヴイチュニー的演出です。
サロメ/林正子
ヘロデ/高橋淳
ヘロディアス/板波利加
ヨカナーン/大沼徹
ナラボート/水船桂太郎
小姓/栗林朋子
その他
管弦楽/東京都響交響楽団
指揮/シュテファン・ゾルテス
演出/ペーター・コンヴィチュニー
オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」は、性への衝動と残虐なホラー・ストーリーだと思っていて、重くて暗~いイメージがありましたが、
コンヴィチュニー演出のこの公演は、見終わった瞬間〝面白い!〟と思った。
まず重くて暗い「サロメ」の印象が、軽~いイメージに変わってしまった。
〝七つのヴェールの踊り〟はなく、反対に周りの者たちがサロメに踊らされる。
〝ヨカナーンの首〟は切り取られても宙に飛んで行ってしまい、反対に幸せそうなヨカナーンとサロメが手をつないで去っていく。
すべて正反対の方向に向くのが今回のコンヴィチュニーの演出。
中央のテーブルは、キリストの〝最後の晩餐〟をイメージしているのは確かで、真ん中の四角い白いものをかぶっているのがヨカナーン(ヨハネ)、横の白い風船が月のようです。
このようにヨーロッパの歌劇場ではほとんど現代風な解釈をしているようですね。
METの「サロメ」も見ましたが、衣装にしても常識から外れない演出をしてくれる数少ない歌劇場のように思われます。
なので、コンヴィチュニーが出てくるや否や、観客は〝ブー〟〝ブー〟
それをコンヴィチュニーは楽しんでいる風に見受けられました。
音楽として「サロメ」を楽しんで、最後に〝面白い〟と感じたのは、成功だったのではないでしょうか?
今回もオペラなので、批評家さんが多く、脳科学者の茂木健一郎さんも来ていました。