11月5日(月)
サルビアホール・クァルテットシリーズ第104回はヴォーチェ弦楽四重奏団です。
モーツァルト/弦楽四重奏曲第15番ニ短調 K.421
シュルホフ/弦楽四重奏のための5つの小品
~休憩~
トゥリーナ/闘牛士の祈り 作品34
ドビュッシー/弦楽四重奏曲ト短調 作品10
ヴォーチェ弦楽四重奏団
2004年にパリ国立高等音楽院の卒業生により結成。2005年クレモナ国際弦楽四重奏コンクール第3位、フランスのノルマンディーでの「フォーラム・ミュージカル・ド・ノルマンディー」コンクールで優勝、合わせてドビュッシーの演奏に対して「音楽の遺産賞」。2006年ジュネーヴ国際音楽コンクールに最高位入賞。2007年にはボルドー弦楽四重奏国際コンクールにおいて、、現代音楽作品の優れた演奏に対して「SACEM賞」と、モーツァルの優れた演奏に対して「セルゲ・デン・アレント賞」、2009年にはグラーツにての「フランツ・シューベルトと現代音楽コンクール」2位、現代音楽の優れた演奏に与えられる特別賞をリゲティーの演奏において、さらに聴衆賞を、またロンドン国際弦楽四重奏コンクールで2位を受賞、合わせてアマデウス賞、エステルハージ賞を受賞した。コンクール総なめですね、今回で4度目の来日となります。
モーツアルトの弦楽四重奏15番に続いて、
シュルホフ(1894−1942)の弦楽四重奏のための5つの小品は、5つのダンス音楽からなる小品集。シュルホフは、チェコ出身の前衛派のユダヤ人でナチスの強制収容所で病死、戦後忘れ去られていましたが、最近再評価の作曲家です。5つのダンスは、ウインナワルツ、セレナード、自分の出身地でもあるチェコ風、南米のタンゴ、イタリアのタランテラの5つ、世界音楽巡りですね。
休憩を挟んで、音楽巡りは続きます。次はスペインの闘牛士です。
トゥリーナ(1882−1949)はファリャの同僚で、伝統的なアンダルシアの民族音楽を積極的に取り入れた人。闘牛場の控え室で、トレアドールたちが祈りを捧げる儀式の音楽。
最後がドビュッシーの弦楽四重奏ト短調です。ノルマンディーのコンクールでドビュッシーの演奏において「音楽の遺産賞」をもらったヴォーチェですので完璧な演奏ですね!
アンコールはエジプトの作曲家ハム・ザ・エル・ディン(1929−2006)の「水車」という作品。。アフリカ色の強いまさに〝音楽世界巡り〟でした。