11月9日(金)
日本フィル第705回東京定期演奏会は、桂冠指揮者兼芸術顧問のアレクサンドル・ラザレフ。 ラザレフが刻むロシアの魂のグラズノフ篇 4回目は、グラズノフがサンクトペテルブルグ音楽院の院長を勤めていた時代にそこで学生として学んでいたショスタコーヴィチの曲を組み合わせてある。
曲目
グラズノフ/交響曲第8番変ホ長調 作品83
~休憩~
ショスタコーヴィチ/交響曲第12番ニ短調 作品112「1917年」
指揮/アレクサンドル・ラザレフ
コンサートマスター/白井圭(ゲスト)
ソロ・チェロ/辻本玲
アレクサンドル・グラズノフ(1865−1936)は、帝政末期からソ連時代までを生き抜いたロシアの作曲家で、サンクトペテルブルグの富裕な家庭に生まれ、作曲家リムスキーコルサコフの愛弟子としてサンクトペテルブルグ音楽院に学び院長として、プロコフィエフやショスタコーヴィチなど育てた。
交響曲8番はグラズノフが完成した最後の交響曲、1905年ロシア第1革命の前後に作曲され、1906年12月にサンクトペテルブルグで初演された。
一方、ドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906−75)は、ソ連時代のロシアの作曲家、サンクトペテルブルグに生まれ、サンクトペテルブルグ音楽院(レニングラード音楽院)に学ぶ。交響曲12番は、1961年に完成、作曲家はレーニンの思い出に捧げるものと語っている「1917年」という副題の通りレーニンが指導した1917年の10月革命を描いた標題音楽。1961年10月1日第22回共産党大会の開会日に合わせてエフゲニー・ムラヴンスキー指揮レニングラード・フィルによって行われた。
ショスタコーヴィチの真意とは違うのではと思われた作品で、ラザレフの速いテンポと強烈なオーケストラの響きで、聴衆は驚くばかり。