3月14日(木)
九年間、読売日響の常任指揮者を務めてきたシルバン・カンブルランがこの3月で退任となります。最後の定期演奏会は、シェーンベルクの「グレの歌」
シェーンベルク/グレの歌
指揮/シルヴァン・カンブルラン
ヴァルデマル/ロバート・ディーン・スミス Robert Dean Smith
トーヴェ/レイチェル・ニコルズ Rachel Nichols
森鳩/クラウディア・マーンケ Claudia Mahnke
農夫・語り/ディートリヒ・ヘンシェル Dietrich Henschel
道化師クラウス/ユルゲン・ザッヒャー Jurgen Sacher
合唱/新国立劇場合唱団(合唱指揮/三澤洋史)
コンサートマスター/小森谷巧
字幕/岩下久美子
アルノルト・シェーンブルク(1874-1951)は、1900年-03年にデンマークの詩人・小説家のイェンス・ペーター・ヤコブセンの手による「グレの歌」を作曲した。シェーンブルクは、世紀転換期のウィーンに生まれ、20世紀の音楽の方向性を定め現代音楽に決定的な影響をを与えた作曲家で、後期ロマン派から無調への二つの特徴を備えたこの作品は聴衆に好意的に受け入れられた。
「デンマークの王ヴァルデマルⅠ世はグレの地にある狩猟用の城で、侍従の娘トーヴェと許されぬまま幸福な愛の生活を送っていたが嫉妬に萌える王妃ヘルヴィヒに謀られトーヴェは毒殺されてしまう。」という伝説に基づいた愛と自然賛歌の大スペクタクルでカンブルラン最後の本領発揮でしょうか。
カンブルランは、2017年の11月には読響とメシアンの「アッシジの世フランチェスカ」で、音楽の友誌の「コンサート・ベストテン2017」で第1位に選出されるなど大奮闘をして、この3月退任、4月から桂冠指揮者となります。
いつものように嵐のようなブラボーに拍手、呼び戻しがあり大騒ぎの幕切れでした。