5月12日(日)
日本フィル第380回名曲コンサートは、オール・チャイコフスキー・プログラムで、指揮は桂冠指揮者のアレクサンドル・ラザレフ、ピアノが反田恭平、ヴァイオリンが神尾真由子と超豪華版の組み合わせです。
チャイコフスキー/戴冠式祝典行進曲
チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23
~休憩~
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35
チャイコフスキー/バレエ音楽「白鳥の湖」より
指揮/アレクサンドル・ラザレフ
ピアノ/反田恭平
ヴァイオリン/神尾真由子
コンサートマスター/田野倉雅秋
ソロ・チェロ/辻本玲
ラザレフは、ドカンと一発、チャイコフスキー(1840-1893)のロシア皇帝アレクサンドル3世のために書かれた戴冠式祝典行進曲を演奏しました、ロシア国家が聞こえましたね。
次は、練習が厳しいラザレフと人気絶頂でダイナミックな実力派の反田くんが演奏したチャイコフスキーは、絶品でした。
反田くんは2014年チャイコフスキー記念国立音楽院に首席で入学。2015年チッタ・ディ・カントゥ国際ピアノ協奏曲コンクール、古典派部門で優勝。年末は、ロシア国際音楽祭にてマリインスキー劇場デビューを果たす。
2016年の日本デビュー・リサイタルは、サントリーホール2000席が完売、以来4年もっともチケットが取れないピアニストとなっている。
その反田くんとラザレフ日本フィルとの鍛え上げられた演奏は、一点の乱れもない完璧なものとなっていた。演奏が終わると観客から拍手と歓声が上がりいつまでも止まりませんでした。
反田くんのアンコールは打って変わってショパンの「子犬のワルツ」をサラサラと弾き始めた。現在彼はショパン音楽大学でピオトル・パレチニに師事しているらしい。
神尾真由子さんの経歴もまた素晴らしい。
2007年チャイコフスキー国際コンクールで優勝し、ミュンヘン・フィル、イスラエル・フィルなどと共演、大阪府知事賞、京都府知事賞、第13回出光音楽賞など。
1878年チャイコフスキーがスイスのジュネーブ湖畔クラレンスに居を構えて滞在していた時、ラロの「スペイン交響曲」を知り刺激を受けて、ロシア的な協奏曲を書こうとした。神尾さん、素敵なサーモンピンクのドレスで情感豊かに引いてくれました。
最後は「白鳥の湖」から情景、スペインの踊り、ナポリの踊り、ワルツをいつものように観客を動員しながら盛り上げてゆくのでした。