5月17日(金)
ラザレフが日フィルの桂冠指揮者兼芸術顧問になって、もっとも得意とするオペラの指揮をする、しかも「カヴァレリア・ルスティカーナ」です。
メトネル/ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品50
~休憩~
マスカーニ/歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」(演奏会形式)
指揮/アレクサンドル・ラザレフ
ピアノ/エフゲニー・スドビン Yevgeny Sudbin
トゥリッドゥ/ニコライ・イェロヒン Nikolay Erokhin
サントゥッツァ/清水華澄
アルフィオ/上江隼人
ローラ/冨岡明子
ルチア/石井藍
合唱/日本フィルハーモニー協会合唱団
コンサートマスター/田野倉雅秋
ソロ・チェロ/菊地知也
初めに、ラフマニノフの年下の友人ニコライ・カルロヴィチ・メトネル(1879-1951)のピアノ協奏曲2番を1980年生まれのエフゲニー・スドピンのピアノで。彼はテレグラフ紙によると、「必ずや21世紀の偉大なピアニストの一人になるだろう」と賞賛されている。
ラフマニノフの友人でありながらメトネルの歩んだ道は厳しく,1920年から27年まで流転の日々に時間をかけて書かれたこのピアノ協奏曲2番は、ロマンティックで暖かみのある生き生きとした躍動感があり、スドピンの超絶技巧の長大なカデンツァも聴きどころ。アンコールもあり、得意とするスカルラッティのソナタロ短調。
休憩のあとは、注目の「カヴァレリア・ルスティカーナ」です。
間奏曲は、デジブックでよく使わせてもらっていますが、オペラはDVDで1回見たくらい。ラザレフのカヴァレリア、予想通り凄いです。歌手もオーケストラも持てる最高の力を発揮している、サントゥッツァの清水華澄さんぴったりでしたね、トゥリッドゥのイェロヒンは声に艶があって若くてもっともっと聴きたい、ローラと不倫をし、ローラの夫に殺されそうになると、トゥリッドゥ(カヴァレリア・ルスティカーナ)は、僕が死んだら結婚を決めたサントゥッツアが一人になって可哀想だから、ママー サントゥッツアのお母さんになってやって、なんて言い残してゆく。お母さん役ルチアの石井藍さんの複雑な表情が悲劇を物語っていました。調子いい男なんですが涙が出てしまう場面、やはり音楽の力でしょうか。ちなみにピエトロ・マスカーニ(1863-1945)はイタリア、トスカーナ地方の出身、原作はシチリア島のカターニアの作家ジョヴァンニ・ヴェルガ(1840-1922)。
終わるや、ブラヴォーの嵐、出演者をいつものように盛り上げるラザレフでした。