1月28日(火)
サルビアホール第123回クァルテット・シリーズは、クァルテット・エクセルシオのラボ・シリーズ(実験的なコンサート)で、ブリテンの四重奏曲の2、3番と細川俊夫の「開花」が演奏されます。
「ラボ・エクセルシオ ブリテン・シリーズVol2」
ブリテン/弦楽四重奏曲第2番ハ長調作品36
細川俊夫/開花[2007]
~休憩~
ブリテン/弦楽四重奏曲第3番作品94
クァルテット・エクセルシオ
ラボでは日本人の作品を組み合わております。今回も演奏会前にプレトークがあり渡辺和さんの司会で作曲者・細川俊夫(1955-)さんが登場して「開花」について、〝この作品で私がイメージする花は「蓮の花」で、蓮の花は東洋では仏教の花であり、根は泥の中に張り、茎は水中を通り抜けて、水面へ空へ顔を出す。そして朝の光に向けて開花しようとする。
初めの持続音(変ロ音)は水面の響で、それより下は水の中、さらに低い音は泥の中、そして水面を超えた音域は空の世界と想定した。そしてわずかに水面から顔をもたげた蕾は、朝の光を受けて、開花への激しい憧れを歌う〟と、とてもわかりやすい。日本的で素晴らしい作品となっています。
「開花」の前後にブリテンの弦楽四重奏曲2番と3番が演奏されます。
ベンジャミン・ブリテン(1913-76)の弦楽四重奏曲2番は、アメリカに滞在して1番を書いた後、1942年イギリスに帰ってオペラ「ピーター・グライムズ」を完成させてから4ヶ月後(1945)に作曲にしたのがこの2番で、バロック時代の作曲家ヘンリーパーセルのオマージュとなっている。
3番は2番から30年後の1975年に完成した。本作品のリハーサルを進めていた1976年12月4日にブリテンは急逝し、63年の生涯を閉じた。結果として、この第3番が最後の大作になってしまった。最後のオペラ「ヴェニスに死す」で到達した彼岸の音楽がここにも反映されている。
益々、磨きがかかって自信もついてきたエクですこと。