ウィーン国立歌劇場ライブ・ストリーミングは、ウェーバー「魔弾の射手」(2018年9月11日公演)で、5月20日02:00〜5月23日02:00まで視聴可能です。「魔弾の射手」といえば勇壮な序曲と「狩人の合唱」が浮かびます。ウェーバーはワーグナーに影響を与えた人でドイツのオペラの出発点ともなった人、マックス役のクリストファー・ヴェントリスもカスパール役のトマーシュ・コニェチュニーもアガーテ役のアンナ・ガブラーも「ニーベルングの指輪」に出演していました。ウェーバーとワーグナーとはそんなにも関係が深いということかしら。

マックス/クリストファー・ヴェントリス Christopher Ventris
カスパール/トマーシュ・コニェチュニー Tomasz Konieczny
アガーテ/アンナ・ガブラー Anna Gabler
ザミエル/ハンス・ペーター・カンマラー Hans peter Kammerer
エンヒェン/チェン・レイス Chen Reiss
オットカール侯爵/サミュエル・ハッセルホーン Samuel Hasselhorn
クーノー/クレメンス・ウンターライナー Clemens Unterreiner
隠者/フォルク・シュトラックマン Falk Struckmann
キリアン/ガブリエル・ベルムデツ Gabriel Bermudez
指揮/セバスチャン・ヴァイグレ Sebastian Weigle
演出/クリスティアン・レート Christian Rath
舞台装置/ゲーリー・マッキャン Gary McCann
照明/トーマス・ハーゼ Thomas Hase
映像/ニーナ・ダン Nina Dun

マックス(クリストファー・ヴェントリス)は、射撃大会に優勝して、恋人アガーテ(アンナ・ガブラー)と結婚したいと思っていますが、スランプに陥って思うように射撃できません。ライバルのカスパールは、悪魔ザミエルに魂を売り、魔弾を手にしました。しかし明日までに新しい魂を差し出さなければ、命を失うことになるので、その犠牲者にマックスを狙っっています。マックスはカスパールの策略にはまり、悪魔から魔弾を授かります。悪魔ザミエルは「魔弾は6発までは命中するが7発目の行き先は私が決める」と言い、当日7発目の魔弾がアガーテにに向けられ倒れ込みますが、魔弾は、隠れていたカスパールに命中し息絶えます。

今回演出家クリスティアン・レートは、読み替えをしていて、マックスは猟師ではなくて作曲家で、7つの魔弾ではなくて7羽のカラスと7枚の楽譜に象徴される。7番目の魔弾とは7つ目のインスピレーションということになる。
つまりマックスは結婚式の前にかかりっきりになっているオペラを完成させなければならないが完成できないのではないかという不安がある。カスパールはマックスのうちに秘めている暗い想像力を差し出せば作曲できるのではと悪魔のような狼谷を目指します。
舞台の中央にグランドピアノが置かれていて、ピアノの燃える炎の中で楽譜を燃やし、真っ黒なカラスが飛び跳ねているシーンは迫力満点。
私の大好きなチェン・レイスがアガーテの従姉妹役エンヒェンをやっていて、歌も声もいいんですが、アガーテとレズ?なの?と思われる不思議な関係をうまく演じている。「利口な女狐の物語」もよかったけれど、こんな役もできるのかなんて感心してしまいました。
クーノーの祖先の肖像画がアガーテのおでこにあたり傷ができてしまう、描かれている肖像画はウェーバー自身で、3幕の「狩人の合唱」でも角のほうにウェーバーの肖像画が置いてありました。

最後領主がマックスを戒めますが、隠者が現れ一度の過ちなのに厳しすぎる、マックスがオペラを作曲しなければならない期間に1年の猶予を与えその後結婚させる、で めでたし めでたし!


 

ウィーン国立歌劇場「魔弾の射手」
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