ウィーン国立歌劇場のアーカイヴは、今日のヴェルディ「リゴレット」(2016年1月28日公演)で終わりとなります。
2020年3月10日に、ウィーン国立歌劇場が休演すると発表してから4ヶ月くらいの間、過去の作品を無料で配信してくれるというウィーンの方針で見たオペラの数は40演目、その前から数えると62演目、さらにメトロポリタン歌劇場16演目を加えると80演目ぐらいになります。7・8月はお休みになり9月からは新シーズンとなります、また新しい演目を見せてくれるのでしょう、楽しみです。
今回の「リゴレット」もリゴレット役はウィーンの宮廷歌手のカルロス・アルヴァレス、マントヴァ公爵が注目のフローレス、ジルダが美人のオルガ・ペレチャッコと三拍子揃っています。

マントヴァ公爵/フアン・ディエゴ・フローレス Juan Diego Florez
リゴレット/カルロス・アルヴァレス Carlos Alvarez
ジルダ/オルガ・ペレチャッコ Olga Peretyatko
スパラフチーレ/アイン・アンガー Ain Anger
マッダレーナ/ナディア・クラステヴァ Nadia Krasteva
ジョヴァンナ/マーガレット・プランマー Margaret Plummer
チェプラーノ伯爵/マーカス・ペルツ Marcus Pelz
チェプラーノ伯爵夫人/リディア・ラスコルブ Lydia Rathkolb
モンテローネ伯爵/アレクサンドルー・モイシウク Alexandru Moisiuc
マルッロ/ミハイル・ドゴターリ Mihail Dogotari
ボルサ/カルロス・オスナ Carlos Osuna
マントヴァ侯爵の小姓/アンドレア・キャロル Andrea Carroll
指揮/エヴェリーノ・ピド Evelino Pido
演出/ピエール・アウディ Pierre Audi
舞台装置/クリストフ・ヘッツァー Christof Hetzer
照明/ベルント・プルクラベク Bernd Purkrabek

風の中の 羽のように いつも変わる 女心 

「リゴレット」の中のマントヴァ公爵のアリア「女心の歌」は、女心の軽薄さを歌っていますが、この軽薄さこそマントヴァ公爵その人の軽薄さに他ならない悪い男なんです、でもなぜだか惹かれてしまう(フローレスですものね!)一種の病気? 今だったら例えば渡部建のように、世間からバッシングを受けること間違いなしですね!

16世紀イタリア、マントヴァ公爵(フアン・ディエゴ・フローレス)に仕える道化のリゴレット(カルロス・アルヴァレス)には最愛の娘のジルダ(オルガ・ペレチャッコ)がいて、大切に育てている。教会で貧しい学生を装ったマントヴァ公爵に一目惚れしてしまい、リゴレットは最愛の娘が公爵の手に落ちたことを知り殺し屋に公爵の殺害を依頼する。それを知ったジルダは、自分が犠牲になって死んでしまう。なんとも哀れなストーリーですが、フローレスのマントヴァ公爵とペレチャッコのジルダならあり得ると思わせてしまうオペラの力は凄い!リゴレット役カルロス・アルヴァレス、演技も歌も哀れな道化に徹していて、一番存在感がありました。一方能天気なフローレスのマントヴァ公爵しようがないなーという感じ、天使のように純粋なペレチャッコのジルダはぴったりでしたね。
演出は、ピエール・アウディで、荒野を思わせる舞台はリゴレットの気持ちを表していました。
皆様には、ウィーン国立歌劇場のアーカイヴ「リゴレット」のあと「ファルタッフ」がありますのでお楽しみに!

 

ウィーン国立歌劇場「リゴレット」
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