12月10日(土)
下野マエストロの12月日本フィル定期はフィンジ、タネジ、ヴォーン・ウィリアムズという3人の英国人作曲家のよる「戦争レクイエム」となります。
曲目
フィンジ:入祭唱 op.6
タネジ:3人の叫ぶ教皇
フィンジ:武器よさらば op.9
休憩
ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第6番 ホ短調
指揮:下野竜也
テノール:糸賀修平
コンサートマスター:扇谷泰朋
ソロ・チェリスト:菊地知也
「田園紳士」の典型であった、ジェラルド・フィンジ(1901-1956)の「入祭唱」と「武器よさらば」の間にマーク=アンソニー・タネジ(1960-)の「3人の叫ぶ教皇」が入った今回のプログラムは、この3曲が切れ目なく演奏され、休憩があってヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)の6番が演奏される、下野マエストロの凝った曲選びとなっている、
現代作曲家のタネジは、アイルランドの画家フランシス・ベーコンの作品にインスピレーションを得てこの作品を作曲している。
ベラスケスの描いた「インノケンティウスの教皇」から影響されたフランシス・ベーコンが描いた教皇はこんな怖〜い感じで、それを元にタネジが「3人の叫ぶ教皇」という曲を作ったんですね、 教皇って怖〜い!
そして、フィンジの「武器よさらば」は、2つの詩からとった“The helmet now an hive for bees becomes”(鉄兜は今や蜂たちの巣となり)という言葉の響きをテナーの糸賀修平君が清らかに歌って前半の演奏は終わります。
最後は今年生誕150年を迎えたヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)の6番ですね、日本では30年ぶりの演奏だそうです。音楽は戦争そのもの、テナーサックスのソロが目立ちました。マエストロから4楽章はクレッシェンドしないように、感情を込めないよう、灰と煙の音楽だからということで静かに終わりました。
中身の濃い演奏会でした。英国の音楽もいいですね!