「花は、私が買ってくるわ、とダロウェイ夫人が言った」という書き出しから始まる小説「ダロウェイ夫人」を元にしているからでしょうかこのオペラは花がたくさん出てきます。
アメリカの作曲家ケヴィン・プッツ(1972ー)のオペラ「The Hours」日本題で「めぐりあう時間たち」は、スティーブン・ダルドリー監督の映画「The Hours」の原作であるピューリツァー賞を受賞したマイケル・カニンガム(1952-)の小説に基づいており、この小説自体はヴァージニア・ウルフ(1882-1941)の本 「ダロウェイ夫人」に基づいています。という複雑なオペラですが、中身も相当複雑なんです。

ケヴィン・プッツ Kevin Puts (1972-) /歌劇「アワーズ The Hours」(世界初演 2022年11月22日公演)

クラリッサ・ヴォーン/ルネ・フレミング Renee Fleming
ローラ・ブラウン/ケリ・オハラ Kelli O’Hara
ヴァージニア・ウルフ/ジョイス・ディドナート Joyce DiDonato
バーバラ、ラッチ夫人/キャスリーン・キム Kathleen Kim
キティー、ヴァネッサ/シルヴィア・デラーモ Sylvia D’Eramo
サリー/デニス・グレイヴス Denyce Graves
アーチの下の男、ホテルの従業員/ジョン・ホリデー John Holiday
ルイス/ウイリアム・バーデン William Burden
レオナード・ウルフ/シーン・パニッカ― Sean Panikkar
リチャード(ブラウン)/カイル・ケテルセン Kyle Ketelsen
ダン・ブラウン/ブランドン・シーデル Brandon Cedel
リッチー/カイ・エドガー Kai Edgar
ウォルター/トニー・スティーヴンソン Tony Stevenson
ジュリアン/アッティクス・ウエア Atticus Ware
アンジェリカ/レナ・ジョセフィーヌ・マラノ Lena Josephine Marano
クェンティン/パトリック・スコット・マクダーモット Patrick Scott McDermott
ネリー/イヴ・ジリオッティ Eve Gigliotti
指揮/ヤニック・ネゼ=セガン Yannick Nezet-Seguin
演出/フェリム・マクダーモット Phelim McDermott
舞台装置・衣裳/トム・パイ Tom Pye
照明/ブルーノ・ポエト Bruno Poet
プロジェクション/フィン・ロス Finn Ross
振付/アニー=B・パーソン Annie-B Parson
ドラマトゥルグ/ポール・クレモ Paul Cremo


映画「めぐりあう時間たち」の
ヴァージニア・ウルフを演じたニコール・キッドマン・・・ジョイス・ディドナート
クラリッサ・ヴォーンを演じたメリル・ストリープ・・・ルネ・フレミング
ローラ・ブラウンを演じたジュリアン・ムーア・・・ケリー・オハラ

がこのオペラには出演していて、MET の誇る3大ディーバが声を合わせるという画期的なプログラムとなっています。

絶望的な映画の「めぐりあう時間たち」とは違って、ところどころに「魔笛」が出てくるし、最後の女性3重唱は「バラの騎士」を思い出させ、しっとりとした雰囲気のうちにオペラは終わります。

日本では2023年の2月3日〜2月9日まで松竹METライブビューイングの映画館で見ることができますが、その前に映画「めぐりあう時間たち」をご覧になってからの方が分かりやすいかと思います。

メトロポリタン歌劇場「めぐりあう時間たち」「アワーズ The Hours」
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