ロイヤル・オペラハウスは、サン=サーンスの「サムソンとデリラ」をストリーミング放映することになりました。皆様もロイヤル・オペラハウスに行って、サインインして無料で観てみてください。画像も音響もとても良いです。
サムソンは韓国のペク・セクジョンさん、サムソン役のアラーニャやカウフマンがコロナで闘病中だったらしいのですがとても頑張っています。デリラはガランチャ、指揮はアントニオ・パッパーノ、演出は複数のオリヴィエ賞を受賞したリチャード・ジョーンズがROHに戻ってきて、そしてコヴェント・ガーデンでは2004年以来上演されていなかった「サムソンとデリラ」を上演しました。(2022年)

サン=サーンス/歌劇「サムソンとデリラ」(2022年公演)
サムソン/ペク・セクジョン Seokjong Baek
デリラ/エリーナ・ガランチャ Elina Garanca
ダゴンの大祭司/ルーカス・ゴリンスキ Lukasz Golinski
アビメレク/ブレーズ・マラバ Blaise Malaba
第1のペリシテ人/アラン・ピンガロン Alan Pingarron
第2のペリシテ人/チューマ・シジェカ Chuma Sijeqa
ペリシテの使者/サンド・ムジャンダナ Thando Mjandana
老ユダヤ人/ゴデルジ・ヤネリッツェ Goderdzi Janelidze
指揮/アントニオ・パッパーノ Antonio Pappano
演出/リチャード・ジョーンズ Richard Jones
舞台装置/へイミ・シン Hyemi Shin
衣裳/ニッキー・ジリブランド Nicky Gillibrand
照明/アンドレアス・フックス Andreas Fuchs
振付/ルーシー・バージ Lucy Burge
 
物語は旧約聖書の時代、ペリシテ人という古代パレスチナの民族で、前13〜12世紀ごろパレスチナに侵入し建国。現在では「芸術や文学などに関心のない無趣味な人」の比喩として使われる。
そのペリシテ人が支配するイスラエルのガザで支配下に置かれていたヘブライ人の英雄で怪力の持ち主サムソンは、人々を鼓舞してガザの太守アビメレクを殺す。ペリシテ人の美女デリラは復讐のためにかつて恋人だったサムソンを誘惑し、怪力の秘密が彼の長い髪にあることを聞き出した。デリラに裏切られ、怪力の元である髪を切られたサムソンは、ペリシテ人に捕えられ、目をつぶされ晒し者にされる。タゴンの寺院の中央に連れてこられたサムソンは神に呼びかけながら寺院を支える柱を揺すぶると柱が倒れて寺院は崩壊し、一同を押しつぶす。
金まみれのペリシテ人がヘブライ人の英雄サムソンの力で最後は崩壊してゆくという今回の演出で、最近の社会情勢を予想しているような鋭い演出です。ちなみにペリシテ人の中には「サムソンとデリラ」のデリラと「サウル」のダビデと戦ったゴリアテもいる。
サン=サーンスの音楽は、ワーグナーや宗教音楽や中東のオリエンタルな音が聴こえてきて面白いこと、もちろん「バッカナール」もあります。
ロイヤル・オペラハウス「サムソンとデリラ」
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