日本フィル第749回東京定期演奏会はピエタリ・インキネン指揮「クレルヴォ交響曲」です。
ピエタリ・インキネンは、2008年4月に日本フィルと初共演をして以来、2016年からは日本フィルの首席指揮者を務めてきたのですが、4月28日(金)と29日(土)の「クレルヴォ交響曲」が定期演奏会としては最後の退任公演となりました。
シベリウスの最高傑作の「クレルヴォ交響曲」のため、フィンランドからヘルシンキ大学男性合唱団が、ソプラノにヨハンナ・ルサネン、バリトンのヴィッレ・ルサネンが来日し、ヘルシンキ大学男性合唱団の方々も後援者のフィンランド大使館の方々も燕尾服を着用し緊張した雰囲気の中で行われました。
しかも1892年4月28日は「クレルヴォ交響曲」の初演日、そして今日4月29日はインキネンの43回目の誕生日という二重、三重のおめでたい日となっています。

シベリウス:《クレルヴォ交響曲》 op.7

指揮:ピエタリ・インキネン[首席指揮者]
ソプラノ:ヨハンナ・ルサネン
バリトン:ヴィッレ・ルサネン
男声合唱:ヘルシンキ大学男声合唱団、東京音楽大学
コンサートマスター:扇谷泰朋
ソロ・チェリスト:菊地知也


フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」のクレルヴォ神話を題材としているこの作品は全5楽章から成っている。
第3楽章と第5楽章に男性合唱とソプラノ、バリトンのソロが入る。
プレトークで奥田佳道さんが言っている通りNHK大河ドラマに出てくるような勇壮で重厚な出だしから、ふわっと柔らかな音までインキネンは、自在に操っています。バイロイトでインキネンが指輪を振っている理由がわかりました。
そしてヘルシンキ大学の燕尾服の合唱が凄い! 皆、もちろん暗譜で、地鳴りがするような豪胆な音が会場に響き渡ります。
クレルヴォの悲劇というのは、クレルヴォの持っている超人的な胆力と知力が十分に発揮できなかったということで、ワグナーの「ワルキューレ」でのジークムントとジークリンデのように妹を犯してしまったことが悲劇となって勇士クレルヴォは死んでしまう。
壮大な神話のような世界はクレルヴォの死をもって終わりとなります。
最後までインキネンはサラッとクールでしたね!
5月のインキネンの「第九」も楽しみです。
カラヤン広場で、新鮮な野菜や果物を友達の奥様と買いあって今日の夕食の準備としました。

インキネン「クレルヴォ交響曲」
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