7月10日(金)

横浜日本フィルに続いて、広上さん指揮の東京日本フィルの定期演奏会。

日フィル-1
プログラムの表紙: 広上さん飛んで行ってしまわないように引き止めてね。

ハイドン/交響曲第92番ト長調「オックスフォード」
~休憩~
武満徹/樹の曲
~休憩~
ストラヴィンスキー/詩篇交響曲
指揮/広上淳一
合唱/東京音楽大学
コンサートマスター/扇谷泰朋
フォアシュピーラー/江口由香

7日のマエストロサロンで広上さんが言っていましたが、ハイドンの楽譜は料理でたとえると〝魚、切る、食べる〟 としか書いてないので、あとは指揮者の腕次第、これからは私の判断ですが、中味のない指揮者にはハイドンは振れない。
オーケストラにも、いつものように〝みたらし団子の最後の団子にタレがかかるような感じ〟でやってくださいなど要求が多いそうです。要求が多い割にはたとえが面白いから団員から慕われる。
それで「オックスフォード」ですが、〝切れ〟がよくて〝典雅〟なハイドンです。
2楽章は、〝野原でソフトクリームを食べているような感じ〟。

日フィル委嘱の武満徹の「樹の曲」は、ストラヴィンスキー繋がりでしょうか?
武満の「弦楽のためのレクイエム」は、ストラヴィンスキーが高い評価をしたので、日本の評論家が注目し始めた。それまでは全く評価されなくて、武満は映画館の中で隠れて泣いていたそうです。それで映画音楽を書くようになったとか。
「樹の曲」は、樹といっても白神のぶなの原生林の自然のサイクルといった宇宙的なイメージがあるように思える前衛的な曲です。

ストラヴィンスキーの「詩篇交響曲」、 ストラヴィンスキーはカメレオンのように作風が変わる人で、ゲームを作るように作品を作っていった。この「詩篇交響曲」は、ボストン交響楽団50周年記念コンサートのために依頼されて作った。1930年初めから作曲し、1930年の12月19日に初演。
オーケストラは、ヴァイオリンとヴィオラを省いていて、木管が増員されているがクラリネットはなく、あとはピアノが二台、さらに厚味のあるひびきとして合唱を加えた。
詩篇とは、旧約聖書の中の150篇ほどある神を讃美する詩をさします。
合唱は、東京音大で広上さんが教えている授業の一環だそうです。
不協和音のような音を学生さん良く声を出していました。あと「カルミナブラーナ」に似ているのは、オルフの方が時代的に真似をしているので、ストラヴィンスキーがオリジナルです。
中味の濃い素晴らしい演奏会でした。

 

日フィル第612回東京定期演奏会
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