10月22日(金)
すっかり秋めいてきた日フィル10月定期演奏会は、尾高忠明さん指揮の
オネゲル/交響詩「夏の牧歌」
ラヴェル/バレエ組曲「マ・メール・ロワ」
~休憩~
ウォルトン/オラトリオ「ベルシャザールの饗宴」
指揮/尾高忠明
バリトン/三原剛
合唱/晋友会合唱団
コンサートマスター/扇谷泰朋
フォアシュピーラー/江口有香
ソロ・チェロ/菊地知也
と、とっても興味深いプログラムです。
交響詩「夏の牧歌」のオネゲルは、フランス6人組の一人で仲間にはジョルジュ・オーリック、ルイ、デュレ、ジェルメーヌ・タイユフェール、ダリウス・ミヨー、フランシシス・プーランクがいます。サティーを精神的な父とし、ジャン・コクトーを共通の友として集まった。
ですから、今は秋ですがとても爽やかな「夏の牧歌」です。オネゲルは、ベートーヴェンやブラームスを敬愛し、ワーグナーを愛していたとある通り、どこかベートーヴェンの「田園」を思い出させるような旋律があります。
そして、尾高さんの指揮ですから、しっとりと聴かせてくれました。
次のラヴェル「マ・メール・ロア」は、フランス語で「マザーグース」という意味で、友人の子供たちのために書いた曲。はじめはピアノ連弾曲だったのをオーケストラ用に編曲したものです。
フランスの童話作家シャルル・ペローや、ドゥルノア伯爵夫人、ド・ホーモン伯爵夫人の童話を題材としている、愛らしい曲。
これも、尾高さんの優しさがこもっていた演奏だと思われます。
今日のメインは、ウォルトンのオラトリオ「ベルシャザールの饗宴」
オラトリオ(カンタータ)というのは、聖書を題材にした独唱、合唱、管弦楽のことで、独唱はバリトンの三原剛さん、合唱は晋友会合唱団、管弦楽は、日フィルですね。
晋友会合唱団は、オーケストラバックの2階席を占め、同じく2階左右にバンダ(トランペット3、トロンボ-ン3)バリトンの三原さんは指揮者のとなりです。
ウォルトンは、イギリス人ですから英語の歌詞なのでわかりやすい。
旧約聖書のバビロン崩壊の物語で、
言葉も面白いのですが、ウォルトンの音楽も面白く、
〝金の神を賛美せよ〟〝銀の神を賛美せよ〟〝鉄の神を賛美せよ〟〝木の神を賛美せよ〟〝石の神を賛美せよ〟〝青銅の神を賛美せよ〟のところで、すかさずグロッケンシュピールや、ウッドブロックを鳴らす、ウォルトンの乗りやすい人のイメージが面白い。
バビロンのベルシャザール王大饗宴のさなか、人の手があらわれて、「汝ははかりにかけられて、その量の足らぬことが あらわにされたのだ」と壁に書き、その夜のうちベルシャザール王は殺されて、囚われていたユダヤ人が喜びの声を上げて狂乱するという壮大なオラトリオです。
合唱も、独唱もアカペラ部分があり、最後のフィナーレはオーケストラがとっても難しいのに素晴らしい演奏でした。
ウォルトンって、面白い!