12月8日(金)

12月の日本フィル東京定期は、井上道義さん指揮でアブノーマルな世界

ラヴェル/「マ・メール・ロワ」(組曲版)
八村義夫/錯乱の論理 作品12
~休憩~
ベルリオーズ/幻想交響曲
指揮/井上道義
ピアノ/渡邉康雄
コンサートマスター/田野倉雅秋(ゲスト)
フォアシュピーラー/九鬼明子
ソロ・チェロ/菊地知也

モーリス・ラヴェル(1875-1937)は、体つきが貧弱、子供じみた体格のせいで、彼は生々しく逞しい大人たちとの交流を苦手とした。生涯独身を貫き、室内で子供や小動物と遊びたがった。そんなラヴェルのオペラは「子供と魔法」、管弦楽曲は「ボレロ」、この「マ・メール・ロワ」は英語の「マザー・グース」日本語で「おとぎ話」。ラヴェルは「曲の意図は童心の喚起で、そのために私は単純を心がけ、音符の数も少なくなった」。井上道義さん複雑な手の動きで不思議なマザーグースを表現しました。
八村義男(1938-1985)《錯乱の論理》、ピアノは渡邉暁雄さんの息子さんの渡邉康雄さんが演奏しました。演奏時間は約8分半で、シェーンベルクやベルクにあこがれ作曲した、当時の前衛音楽です。渡邉康雄さんは長身で途中ピアノが途切れるところから鍵盤にうつぶせになって寝てしまった。そんな演出でした。
エクトル・ベルリオーズ(1803-1869)の《幻想交響曲》は、あまりにも有名です。最後にマイクを持った井上道義が日本フィルを振った初めの曲が「幻想」だったという〝今日は自分でもよく出来た演奏だったと〟言っていました。そう、いつまでも〝ブラボー〟が鳴りやみませんでした。

第696回日本フィル東京定期演奏会
Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください