2月25日(日)

少し暖かくなって上野公園あたりにも人々が休日を楽しむ様子が見られ、国立西洋美術館では、2月24日から5月27日までプラド美術館展「ベラスケスと絵画の栄光」をやっています。

少し公園を散歩して、私たちは東京文化会館のリヒャルト・ワーグナーの「ローエングリン」二期会公演に行きました。エルザ役の木下美穂子さんが出る最終日25日のものです。
公演後は上野精養軒のお料理を食べながらちょっと難しい演出の謎解きを美穂子さんにお願いしました。

ハインリッヒ・デア・フォーグラー/金子宏
ローエングリン/小原啓楼
エルザ・フォン・ブラバント/木下美穂子
フリードリヒ・フォン・テルラムント/小森輝彦
オルトルート/清水華澄
王の伝令/加藤清孝
ブラバントの貴族Ⅰ/菅野敦
ブラバントの貴族Ⅱ/櫻井淳
ブラバントの貴族Ⅲ/湯澤直幹
ブラバントの貴族Ⅳ/金子慧一
小姓Ⅰ/久野綾子、田貝沙織
小姓Ⅱ/青柳玲子、高山美帆
小姓Ⅲ/藤長静佳、三小田晃子
小姓Ⅳ/中島千春、船越優
青年時代のローエングリン/丸山敦史
ゴットフリート/上村亜呂葉
合唱/二期会合唱団
管弦楽/東京都交響楽団
指揮/準・メルクル
演出/深作健太

二年前の「ダナエの愛」の準・メルクルと深作健太のコンビで、今回も「ローエングリン」を上演するという、深作健太さんは、「バトル・ロワイヤル」で有名な深作欣二監督の息子さんで最近では数々の舞台演出を手掛けていて賞を沢山もらっているとても真面目な演出家。

「ローエングリン」は勇ましく無垢な、白鳥の騎士という〈英雄〉の降臨を歌ったオペラで小原啓楼が歌います。同時に,彼に跪き、あるいは彼の誓いを破ってしまう、エルザに代表される〈人間〉の心の弱さ、儚さを謳ったオペラで木下美穂子が歌います。この二人は京都のロームシアターこけら落とし公演「フィデリオ」でも共演しました。

準・メルクルは「ローエングリン」の物語には、正確な年代設定がありそれは933年で、キリスト教が中央ヨーロッパに入ってきたころで、古の神々と混在していて、どちらの宗教が勝つかの戦いで、ワーグナーは、キリスト教の世界を大変明るく鮮やかに描き出した。神の存在を、外から光が差し込んでくるような明るい色、透明で美しく、新しい色で描いています。

そして今回の演出の時代設定を、19世紀末のバイエルン王国とし、建設途中のノイシュバンシュタイン城で破滅の間際に見たバイエルン国王の〈夢〉、実際に中世に憧れ、国家財政を傾けてまでローエングリンになりたかったがなれなかった男、ルートヴィヒ二世をローエングリンと重ねて、舞台にはスマートな丸山敦史が出てきます。

オルトルートが持っている真っ赤な林檎は、毒の象徴で、これが近づくと、邪悪な心が芽生えます。
異教徒の魔女オルトルート役の清水華澄さんの悪女ぶりは本当にに大熱演でした。

ローエングリン役の小原啓楼は、ソフトな声ですが、とっても白鳥の王子の雰囲気が出ていて素敵でした。マエストロ準・メルクルは、歌手の個性を生かして伸び伸びと歌わせるのはさすが。
もちろん木下美穂子のエルザ、迫力があって最高でした。
10月7,8日には札幌文化芸術劇場のこけら落とし公演「アイーダ」指揮バッティストーニ、タイトルロール木下美穂子で出演します。そして「アイーダ」は、神奈川県民ホール、兵庫県立芸術文化センター、大分・iichiko総合文化センターと日本縦断をする予定だそうです。

二期会 オペラ「ローエングリン」
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二期会 オペラ「ローエングリン」」への2件のフィードバック

    • 2018年10月16日 11:39 PM
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      本当に素敵でしたね!
      ひょっとして、眞美さん?
      札幌、行った甲斐がありました。
      来年の「千人」楽しみにしています。

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