6月19日(火)

第579回 読響定期演奏会は、6月16日に亡くなられた ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー氏に哀悼の意を表すため、チャイコフスキーのバレエ音楽「くるみわり人形」から「情景/冬の松林」を演奏しました。昨年のブルックナー交響曲5番は忘れられない演奏でした。

今日の演奏は、コルネリウス・マイスター指揮で、R.シュトラウス特集です。

R.シュトラウス/交響詩〈ドン・キホーテ〉作品35
〜休憩〜
R.シュトラウス/歌劇〈カプリッチョ〉から前奏曲と月光の音楽
R.シュトラウス/歌劇〈影のない女〉による交響的幻想曲
指揮/コルネリウス・マイスター
チェロ/石坂団十郎
ヴィオラ/柳瀬省太
コンサートマスター/小森谷巧

2017年4月から読響の首席客演指揮者を務めているコルネリウス・マイスターは、ドレスデン国立歌劇場〈サロメ〉やウィーン国立歌劇場〈アラベラ〉で得意なR. シュトラウスを振り高く評価されている、ハノーファー生まれの現在37歳。

リヒャルト・シュトラウス(1864−1949)1897年に作曲された「騎士的な主題による幻想的変奏曲」という副題を持つ〈ドン・キホーテ〉は、チェロの石坂団十郎が悲しげな騎士ドン・キホーテを独奏、サンチョ・パンサは読響ヴィオラ奏者の柳瀬省太が担当する。

1941年完成した〈カプリッチョ〉は、シュトラウスが作曲した最後のオペラで、オペラ芸術について「言葉か音楽か」議論が繰り返される。その前奏曲がヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ2本ずつで演奏される弦楽六重奏で、ほのかな憂愁をたたえた典雅で優美な響きが心地よい。「月光の音楽」は、この歌劇の最終場面の開始を告げるオーケストラによる間奏曲で、ホルンが叙情的で美しい旋律を静かに鳴らしてはじめられる。

〈影のない女〉による交響的幻想曲は、1917年に作曲された〈影のない女〉の主要な楽曲部分をもとに晩年のシュトラウスが1946年に編曲したもの。第2の〈魔笛〉を意識して作った〈影のない女〉の「影」は子供を産む能力の象徴で、メルヘン風オペラとなっている。

 

読響・マイスター R.シュトラウス特集
Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください