11月28日(水)

読響第583回 定期演奏会は、デニス・ラッセル・デイヴィス指揮で、フルートのエマニュエル・パユとハープのマリー=ピエール・ラングラメのモーツアルトの協奏曲があります、あと2曲は背筋も凍る殺人事件。そしてサントリーホールはクリスマスの装いです。

 

スクロヴァチェフスキ/ミュージック・アット・ナイト
モーツァルト/フルートとハープのための協奏曲ハ長調K299
~休憩~
ジョン・アダムス/シティ・ノワール
指揮/デニス・ラッセル・デイヴィス
フルート/エマニュエル・パユ
ハープ/マリー=ピエール・ラングラメ
コンサートマスター/長原幸太

 

スクロヴァチェフスキ(1923−2017)は、2007年に読響の常任指揮者に就任し、「ミスターS」の愛称で親しまれましたが、昨年2月93歳で、死去しました。
「ミスターS」は、1923年ポーランドのリヴォフに生まれ、最初はピアニストとして、手を負傷してから作曲と指揮を学んだ。シマノフスキ記念作曲コンクールで2位に入賞すると奨学金で、パリに留学したが、作曲から軸足を指揮へと移し、やがて指揮者としての活動が安定すると、再び創作に向かうようになる。

〈ミュージック・アット・ナイト〉は、パリ留学中に作曲された。イタリア旅行中にフェッラーラ駅で途中下車しフェッラーラの古城に立ち寄り「ウーゴとパリジーナの悲劇」に思いを巡らせた。パリに帰ってモンテカルロのバレエ団のために〈ウーゴとパリジーナ〉を書き、それを元に〈ミュージック・アット・ナイト〉は作られた。ウーゴとパリジーナというのは、義理の息子ウーゴと不倫の関係になったパリジーナが、夫のニッコロ侯爵に斬首されるという実話で、作品中悲劇的な音が蠢き果ては弦が力強く主張し、打楽器が快活なリズムを強調するとやがて静かに落ち着き、悲劇の終りを告げる。

モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲は、ベルリンフィルのハープ奏者ラングラメとフルートのパユが以前もどこかで演奏を聴いたことがあるような気がしますが、スクロヴァチェフルキとジョン・アダムスの悲劇的な曲の間に挟まって、二人とも爽やかでとても印象的。貴公子風だったパユですが歳はとってももまだまだ魅力的だし、演奏も若々しい。アンコールはイベールの間奏曲で、オリジナルはフルートとギターのための間奏曲。

ジョン・アダムス(1947-)といえば「中国のニクソン」や「ドクター・アトミック」などセンセーショナルな話題を提供してきた。ハーバード大学出身の作曲家。
「シティ・ノワール」は、2009年に書かれ、ブラック・ダリアというロスアンゼルスで起きた猟奇殺人事件を取り上げている。「フィルム・ノワール(犯罪映画)」の題材になるような事件が起きた街のエネルギーや、時代の空気感を音楽に移し出したかったと言っている。
第1楽章  都市とその分身 第2楽章 この歌はあなたのために 第3楽章 ブールバード・ナイト ジャズ的な要素が音楽全体に散りばめられており、ここでもアルトサックスが街の官能的な雰囲気を出している。

 

 

読響・パユとラングラメのモーツアルト協奏曲

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です