12月18日(火)
第378回鵠沼サロンコンサートは漆原朝子とベリー・スナイダーのデュオ・リサイタルで、シューマンのピアノソナタ全曲演奏会です。
シューマン/ヴァイオリン・ソナタ第1番イ短調作品105
シューマン/ヴァイオリン・ソナタ第3番イ短調
~休憩~
シューマン/3つのロマンス作品94
シューマン/ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ短調作品121
ヴァイオリン/漆原朝子
ピアノ/ベリー・スナイダー
ロベルト・シューマン(1810−1856)のヴァイオリン・ソナタ第1番と第2番の間に第3番です。シューマンのヴァイオリン・ソナタは、第1番と第2番と思っていましたが、1956年に第3番が発見されました。今回は、第2楽章のスケルツォと第3楽章のインテルメッツオを入れ替えて演奏しました。休憩後にプロデューサーの平井さんの説明があり、最近出版された新しいバージョンでは、第2楽章と第3楽章が入れ替わっているということで、新しい形で演奏してみたとのことです。この第3番は、シューマンがライン川へ気を投げる前年の1853年に書かれながら長く存在が知られずにいた作品で、弾きやすい曲ではないのですが、クララが世間の目から隠したという説もあるというくらい、シューマンの悲劇的な晩年の表情を伝える作品とのことです。休憩後はシューマンの「3つのロマンス」が演奏され、最後は壮大なスケールのソナタ第2番です。クララ・シューマンも「3つのロマンス」を書いており、アンコールで聴かせてくれます。
漆原朝子さんといえば、お姉さんでヴァイオリニストの漆原啓子さんと姉妹で、あまり一緒に公演ということはないようですが、現実の生活はヴェールに包まれているようです。
アンコールは歌曲集「リーダークライス」作品39から第1曲「見知らぬ土地で」と第12曲「春の夜」とそしてクララ・シューマンの「3つのロマンス」から第1曲でした。
この鵠沼サロンでは、こんな珍しいプログラムが2度目だそうで驚いてしまいます。2010年の10月にも。今日来ている聴衆はすでにこの曲を聴いているんですね! 本当に通の演奏会です、恐れ入ります。