1月21日(月)
サルビアホール 第107回クァテットシリーズは、クァルテット・エクセルシオの現代作曲家のシリーズです。
なんと現代作曲家として有名な一柳慧さんと音楽評論家の渡辺和さんが登場して、
プレトークもありました。
ナンカロウ/弦楽四重奏曲第1番
一柳慧/弦楽四重奏曲第3番「インナー・ランドスケイプ」
~休憩~
ナンカロウ/弦楽四重奏曲第3番
ブリテン/弦楽四重奏曲第1番ニ長調作品25
クァルテット・エクセルシオ
コンロン・ナンカロウ(1912−1997)は、アメリカ出身、スペイン内戦で義勇軍に参加したため「共産主義者」の烙印を押され政治的圧力を受けた。。1940年からメキシコに移住、56年に国籍を得た。
1945年、33歳で作曲された弦楽四重奏曲1番は、端正で常識的な作品。
1987年に作曲された弦楽四重奏曲3番は、弦楽四重奏の枠組みを解体する狙いを感じさせる作品。最初チェロが3拍子で始まり、そこにヴィオラが4拍子で次に第2ヴァイオリンが5拍子で、第1ヴァイオリンが6拍子で加わり最後は力強い総奏で終わる。とにかく面白いから聴いてみてください。
ナンカロウの1番と2番の間に一柳慧さんの「インナー・ランドスケイプ」が入ってきます。
一柳慧(1933-)は、1950年代にニューヨークへ渡り、ジョン・ケージに師事、帰国後は日本に現代音楽を紹介し「ケージ・ショック」と言われるほどの衝撃を音楽シーンに与えた人で、その人が今日トークに出演しているのですが、一柳慧の弦楽四重奏曲3番「インナー・ランドスケイプ」は、奥様が亡くなって、奥様とも親しくしていたニューアーツ弦楽四重奏団のメンバーの委嘱によって書かれた曲で、「頭」で書くというより「心」で書いた作品だと一柳 慧 本人が言っていました。
最後のブリテン(1913−1976)は、1939年にアメリカへ渡り、数年間を過ごすが、1941年に室内楽の発展に貢献したパトロンとして著名なクーリッジ夫人の委嘱によって書かれた、弦楽四重奏曲1番は、ブリテンのアメリカ時代における重要作品の一つで、初め澄み切ったハーモニーから力動的で急速な部分が交錯し、3楽章では「ピーター・グライムズ」の間奏曲「月光」と似ていると言われる内省的な部分から4楽章は疾走する音が様々に変化してフィナーレとなる、気持ちのいい曲。
一柳慧さま、初めにに結婚したのがオノ・ヨーコさまだったりして、
ナンカ!ナンカ!凄い演奏会だったような気がします。