2月22日(金)
第585回読売日響定期演奏会は、巨匠ローター・ツァグロゼク指揮のブルックナー7番と、日本初演のリーム Ins Offene…です。
リーム/Ins Offene… (第2稿/日本初演)
~休憩~
ブルックナー/交響曲第7番(ノヴァーク版)
指揮/ローター・ツァグロゼク
コンサートマスター/日下紗矢子
指揮者のローター・ツァグロゼクは、1942年ドイツ・バイエルン州生まれ。音楽好きの一家に生まれ、6人兄弟の長男で、レーゲンスブルグ大聖堂少年合唱団に入団。マエストロの美声がフルトヴェングラーの耳に留まって、12歳の時ザルツブルグ音楽祭の「魔笛」の第一の童子としてデビュー。それ以来プロとしての音楽活動は63年になり最もキャリアの長い音楽家の一人となる。
マエストロの正直、率直な性格は、大きな信頼につながり、2017年ドイツ連邦共和国はマエストロにドイツ連邦共和国一等功労十字章を授与した。
ヴォルフガング・リーム(1952〜)は、ドイツの戦後世代を代表する重鎮作曲家で、主知主義的な戦後アヴァンギャルドの洗礼を受けている。リームの曲のタイトル「Ins Offene…」とは、「開いた…の中に」という程度の意味がある。
「Ins Offene…」はスコティッシュ・ナショナル管の委嘱により、1990年にグラスゴウで初演された。
今回は第2稿で日本初演、3群に分けられた39人の音楽家によって演奏される。
1群は、ヴァイオリン2人、トランペット3本、打楽器3人で、舞台ではなくホールの5箇所、P席の左右に2人のヴァイオリン、トランペットと打楽器は2人1組でホール2階席の左右と中央に陣取ります。あと2群と3群は舞台上ということで、音の中央にいるのが(ins…)観客かしら…。
ちょっと日本の雅楽に似た響があったような気がする。
アントン・ブルックナー(1824-96)のかの有名な交響曲第7番、1882年に第1楽章と第3楽章を仕上げたのち、第2楽章へと筆を進めた。この世ならぬ深みと美しさを湛えたアダージョ楽章はワーグナーの死の予感のもとに書かれた。ワグナーの死の知らせが入るとアダージョの仕上げに入っていたブルックナーは4本のワーグナー・チューバによる哀切に満ちた葬送音楽を書き加えた。
ツァグロゼクの指揮は、読響の重厚な響を、テンポの変化で重いだけに終わらせない効果を出していて、現代的で新鮮な感覚がした。
終わるといつものように拍手喝采、ブラボーが鳴り響き、ツァグロゼクが呼び戻しをされ、これはいつもより歓迎度合いが高いことが証明されたようです。