4月17日(金)

第587回読響定期演奏会は、指揮がオラリー・エルツと ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲がヴィルデ・フラングです。

トゥール/幻影(共同委嘱作品/日本初演)
ストラヴィンスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調
     ~休憩~
武満徹/星・島
シベリウス/交響曲第5番変ホ長調作品82
 指揮/オラリー・エルツ
 ヴァイオリン/ヴィルデ・フラング Vilde Frang
 コンサートマスター/日下紗矢子

指揮者のオラリー・エルツ(1971〜)は、ヤルビーファミリーと同じエストニア出身。現代音楽も得意とするトゥール(1959〜)は同じエストニア出身の作曲家で今日の「幻影」は日本初演となり、長身・イケメンの作曲家自身もサントリーホールに姿を現し舞台に上がった。世界初演はこの4月3日フィンランドで演奏されたばかり。トゥールは父親がラジオで聴いていたベートーヴェンの「コリオラン」序曲がなかったら作曲家になることがなかったと言っており、ベートーヴェンへのオマージュとして「幻影」を作曲したという。
次のストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲は、1986年ノルウェー生まれ、美しい音色と音楽性で、世界中の音楽シーンから引く手あまたのヴィルデ・フラングがヴァイオリン協奏曲というよりは即興的なジャズの感じ、スイング調のまるで自然のジャングルを彷徨っているかのようなフレーズを楽しんで弾いているストラヴィンスキーの魅力的な曲と素敵な小悪魔の演奏かしら。
ストラヴィンスキーが1959年に日本に来て無名の作曲家のテープを聴き、絶賛した作曲家こそ武満徹で、その作品が「弦楽のためのレクイエム」。「星・島」は、アマチュア団体のために作曲された2曲のうちの一つで、早稲田大学の創立100周年を記念して作曲された。
最後はフィンランドの作曲家シベリウス(1865-1957)の交響曲第5番は、「戦争が始まった」1914年に構想を練り始め、1915年「今日、16羽の白鳥を見た、人生の最高の経験の一つ! 自然の神秘と人生の苦悩!」として、白鳥の姿や鳴き声、自然の情景からも着想を得て書かれ、華やかな祝典において初演された。
新鮮な曲を提供してくれるエルツに期待が膨らむ。クリスティアン・アルミンクやダン・エッティンガーと同年代だそうです。



読響 オラリー・エルツ
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