6月7日(金)
日本フィル第711回東京定期演奏会は、日本・フィンランド外交関係樹立100周年記念公演として、インキネン指揮でシベリウスとフィンランド関連の曲を演奏しました。
湯浅譲二/シベリウス讃-ミッドナイト・サン-
サロネン/ヴァイオリン協奏曲
~休憩~
シベリウス/組曲「レミンカイネン」-4つの伝説
指揮/ピエタリ・インキネン
ヴァイオリン/諏訪内晶子
コンサートマスター/白井圭
ソロ・チェロ/菊地知也
初めは湯浅譲二(1929-)のシベリウス讃ーミッドナイト・サンは、7分ばかりの曲でフィンランドのヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団から、1990年のシベリウス生誕125周年を記念する作曲プロジェクト「シベリウス讃」シリーズの一環として委嘱された作品。「ミッッドナイト・サン」は、北欧圏に見られる自然現象、白夜の太陽を意味すると同時に世阿弥の思想にも結び付けられている。
演奏が終わると観客席にいた湯浅譲二さんが舞台に上がられました。そして観客席では、サントリー・ブルーロズでベートーベヴェンチクルスをやっているクス・クァルテットも諏訪内のヴァイオリンを聴きにやってきていましたよ。
諏訪内晶子が真っ赤なドレスで現れると舞台がパッと華やかな雰囲気に包まれます。ヘルシンキ生まれのエサ=ペッカ・サロネン(1958-)のヴァイオリン協奏曲、サロネンは指揮者としても有名ですが現代フィンランドを代表する作曲者でもあります。
いきなりヴァイオリンのソロからリズミカルに始まり、
第1楽章は「ミラージュ」(蜃気楼)、第2楽章は「パルスⅠ」、第3楽章は「パルスⅡ」、第4楽章は「アデュー」と、50歳という人生の節目を迎えたサロネンが自らの経験を描いたもので、急〜緩〜急〜緩の4楽章からなるとても面白い曲、打楽器もたくさん用いられている。諏訪内のテクニックとリズム感すごいです! アンコールもあってバッハの無伴奏パルティータ第3番から第2曲「Loure」。
最後はシベリウス(1865-1957)の組曲レミンカイネン、フィンランドの伝説や歌を集めて編纂した民族叙事詩「カレワラ」に登場する英雄の一人がレミンカイネンで、剣にも魔法にも長けて女好きという「英雄色を好む」を地でゆく様な存在、4つの交響詩を一纏めにした交響曲とも言える組曲で、1「レミンカイネンと島の乙女たち」2「トゥオネラのレミンカイネン」3「トゥオネラの白鳥」4「レミンカイネンの帰郷」これは作曲者が1896年に作曲者自身の指揮で演奏された時の曲順に従っている。
とっても充実した演奏会でした。