9月10日(火)
読響・第591回定期演奏会は、今年の5月に常任指揮者として初登場したセバスチャン・ヴァイグレ、今回は強い思い入れを持つハンス・ロットの交響曲をはじめ、充実したプログラムを取り上げる。
プフィッツナー/チェロ協奏曲イ短調(遺作)
~休憩~
ハンス・ロット/交響曲ホ長調
指揮/セバスティアン・ヴァイグレ
チェロ/アルバン・ゲルハルト
コンサートマスター/
ハンス・プフィッツナー(1869-1949)のチェロ協奏曲は、ドイツ・チェロ界の皇帝と言われるアルバン・ゲルハルト(1969-)が力強く、温かい音色で魅了します。アンコールは、バッハの無伴奏チェロ組曲第6番からプレリュード。演奏会後もサイン会が開かれ、たくさんの行列ができていました。
今日の本命ハンス・ロット(1858-84)の交響曲です。ハンス・ロットの周囲には厄介な人間関係があり、その背景にあるのは末期ハプスブルグの首都ウィーンの混乱した社会で、それに翻弄された作曲家といえる。精神疾患で25歳の短い生涯を閉じる。
はじめは、映画音楽の「エデンの東」かしら、そして少し先は、マーラーじゃない、そして最後はブラームスの1番の終楽章のようなどいろんな様式を取り入れている。
セバスチャン・ヴァイグレは、二期会の「ばらの騎士」も「サロメ」も見ましたが両方とも洗練されて素敵でした。ハンス・ロットには、特に思い入れが強いとの言葉通り、読響の強力なパワーを余すところなく引き出して重厚で緻密な〝ロット〟を聴かせてくれました。今までで一番感動した〝ロット〟だったような気がします。
読響 セバスチャン・ヴァイグレ