11月29日(金)
第593回読響定期演奏会は、チェコの俊英トマーシュ・ネトピルの指揮で、リゲティーとスークを演奏します。リゲティーのチェロ演奏は、ジャン=ギアン=ケラスです。
モーツァルト/歌劇「皇帝ティートの慈悲」序曲
リゲティ/無伴奏チェロ・ソナタ
リゲティ/チェロ協奏曲
~休憩~
スーク/アスラエル交響曲
指揮/トマーシュ・ネトピル Tomas Netopil
チェロ/ジャン=ギアン・ケラス
コンサートマスター/白井圭(ゲスト)
初登場のネトピルもチェロのケラスも共にイケメンです。ネトピルはドイツの名門エッセン歌劇場の音楽総監督を務め、ウィーン国立歌劇場やドレスデン国立歌劇場に客演し、ベルリンフィルなどのオーケストラの指揮でも躍進するなどチェコの次世代を担う指揮者として注目されており、チェロのケラスは、1967年モントリオール生まれでリゲティーなど現代作品も数多く手掛け幅広いレパートリーで意欲的な活動を続ける世界的チェリストで今回もフレンドリーな日本語でアンコールを披露した。
モーツァルトの「皇帝ティートの慈悲」は、皇帝レオポルド2世のボヘミア王即位の戴冠式で上演するために書いたもので、チェコ繋がり。
ジョルジ・リゲティー(1923-2006)は、国境線が引き直されてルーマニアとなった街で、ハンガリー語を母国とするユダヤ人の家庭に生まれた。
無伴奏チェロソナタは、「ディアーロゴ」「カプリッチョ」からなる。重音ピッツィカート・グリッサンドで始まる民謡風の旋律がしみじみ歌われる。
チェロ協奏曲は、「無から始まるように」と記され、ppppppppの記号で指示された独創チェロから始まる。最後は「囁くようなカデンツァ」音高不安の急速なパッセージが静かに消えてゆき、「絶対的な沈黙」で結ばれる。
最後はヨゼフ・スーク(1874-1935)の「アスラエル交響曲」
スークは、ボヘミアのクルシェチョヴィツェに生まれ、恩師ドヴォルザークの娘と結婚をし、1904年5月ドヴォルザークが亡くなると娘である妻も7月には亡くなっている。深い悲しみと絶望に襲われるなか、5楽章の「アスラエル交響曲」を完成させた。アスラエルとは死を司る天使の名です。1、2、3楽章はドヴォルザークの思い出、後半の2楽章は亡き妻に捧げられた。