ウィーン国立歌劇場150周年記念の新作オペラ、オルガ・ノイヴィルト作「オルランド」のライヴストリーミングが始まります。ウィーンでは8,11,14,20日に上演され、OTTAVA TVでは、21日から25日まで観ることができます。この公演で日本のコム・デ・ギャルソン(川久保玲)のデザインした衣装が初めから終わりまで華やかなファッションショウのように見られるのも楽しい。
主人公オルランドには「ナクソス島のアリアドネ」の作曲家役で出演したケイト・リンジーが美しい男から女に変わる難しい役をこなします。語り手として、アンナ・クレメンティーと守護天使役でカウンターテナーのエリック・ジュレナスは、最初から最後まで出ずっぱり。この3人が核となって物語が進んでゆきます。

オルランド/ケイト・リンジー Kate Lindsey
語り手/アンナ・クレメンティ Anna Clementi
守護天使/エリック・ジュレナス Eric Jurenas
女王/純潔/オルランドの子供の友人/コンスタンス・ハウマン Constance Hauman
サーシャ/貞節/アグネタ・アイヒェンホルツ Agneta Eichenholz
謙遜/マーガレット・プランマー Margaret Plummer
シェルマディン/グリーン/レイ・メルローズ Leigh Merlose
ドライデン/マーカス・ペルツ Marcus Pelz
アディソン/カルロス・オスナ Carlos Osuna
ポープ/クリスチャン・ミードル Christian Miedl
ハリー侯爵/ヴォルフガング・バンクル Wolfgang Bankl
オルランドの子供(ノン・バイナリー)/ジャスティン・ヴィヴィアン・ボンド Justin Vivian Bond
オルランドのガールフレンド/歌手/ケイティー・ラ・フォール Katie La Folle
ドラムセット・ソロ/ルーカス・ニグリ Lucas Niggli
エレキ・ギター/エドムンド・ケールドルファー Edmund Kohldorfer
指揮/マティアス・ピンチャー Matthias Pintscher
作曲/オルガ・ノイヴイトOlga Neuwirth
台本/キャサリン・フィルー、オルガ・ノイヴィルト Catherine Filloux, Olga Neuwirth
演出/ポーリー・グラハム Polly Graham
舞台装置/ロイ・スパーン Roy Spahn
映像/ウィル・デューク Will Duke
衣装/コム・デ・ギャルソン(川久保玲) Comme des Garcons
照明/ウルリッヒ・シュナイダー Ulrich Schneider

イギイスの女性小説家ヴァージニア・ウルフの「オルランドー」をオペラにしたもので、フェミニズムやジェンダーを取り上げた英語のオペラです。原作では36歳にして360歳の両性具有者、エリザベス1世お気に入りの美少年、やり手の大使、ロンドン社交界のレディー、文学賞を受賞した詩人などに変化するのが「オルランド」の前半のあらすじ。
30分の休憩を挟んで、オペラ「オルランド」では、後半さらに1914年の第一次世界大戦から、2019年12月5日の現在までを描いており、この作品が生まれたてのホヤホヤだということがわかります。
作曲家ノイヴィルトは、1968年にグラーツで生まれたオーストリアの作曲家で、8日の初演の翌日、オーストリア政府から科学・芸術名誉十字勲章一等を授与されている。
後半のノイヴィルトのパンク、ロックバンド、国民ファーストなどの饒舌さはヴァージニア・ウルフの調子に乗りすぎのおしゃべりとよく似ている。とっても面白いオペラですので皆様どうぞご覧ください。
それから、オルランドの子供役ノン・バイナリーのジャスティン・ヴィヴィアン・ボンドJustin Vivian Bondは、ニューヨークで大活躍している歌手で芸術家ですが、とっても素敵です、注目!

ウィーン国立歌劇場「オルランド」
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