1月15日(水)
今年初めの生演奏会となる読響第594回定期演奏会は、下野竜也指揮で刺激的なプログラムです。ロシアとアメリカをテーマにグバイドゥーリナとアダムスの性格の違う動的な2作品とショスタコーヴィチとモートン・フェルドマンの静的な2作品を選びました。女性作曲家、グバイドゥーリナの「ペスト流行時の酒宴」は、とても面白い❗️です。
ショスタコーヴィチ/エレジー
ジョン・アダムス/サクソフォン協奏曲
~休憩~
フェルドマン/On Time and the Instrumental Factor (日本初演)
グバイドゥーリナ/ペスト流行時の酒宴(日本初演)
指揮/下野達也
サクソフォン/上野耕平
コンサートマスター/日下紗矢子(特別客員コンサートマスター)
ショスタコーヴィチのエレジーに続きジョン・アダムス(1947-)のサクソフォン協奏曲は上野耕平君の素晴らしいサックスの音色を聴くことができました。
上野君は、茨城県東海村出身で東京芸大を卒業し,日本管打楽器コンクール史上最年少で第1位及び特別大賞をもらい、最近では2018年第28回出光音楽賞を受賞しています。
ジョン・アダムスといえばアメリカの作曲家でオペラ「中国のニクソン」を作曲した人です。サクソフォン協奏曲はジャズ的な雰囲気に包まれます。アンコールがあり上野君が大きな声で「可愛い曲」と言って紹介しましたが、テュドールという人のクオーター・トーン・ワルツでした。
続いて日本初演の作品が2曲、モートン・フェルドマン(1926-87)のOn Time and the Instrumental Factorは、彼が1926年にニューヨークで生まれ、1969年作曲された8分ほどの作品。
ソフィア・グバイドゥーリナ(1931-)のなんとも恐ろしい「ペスト流行時の酒宴」は、プーシキンの戯曲からとられたもの。
ホルンなどのファンファーレから始まり、途中予め録音された電子音が断続的に重ねられて酒宴のクライマックスではホールが飽和状態にまで達します。ソフィア・グバイドゥーリナですから女性でかなりのお年ですが、2005年に作曲されており作曲者はこの曲について「そこに何かあるとしたらそれは希望」と記している。
今回も面白い曲を紹介してくれた下野マエストロ、有り難うございます。