世界中のオペラ劇場が新型コロナウイルスで閉鎖されて数カ月経ちましたが、やっとウィーンが動き始めました。9月7日には「蝶々夫人」を公演しましたが、OTTAVAテレビは当分の間、配信を見送ることになったようです。それでもウィーンのホームページにゆくと一部無料で配信をしてくれるようで、10月6日にヴェルディ「ドン・カルロス」が配信されました。
最近見たイタリア語の「ドン・カルロ」ではなく、フランス語の初演5幕版の「ドン・カルロス」で、第一幕にはフォンテンブローの森で、カルロスとエリザベートが出会って、婚約した経緯があってわかりやすい。その後エリザベートはカルロスの父親のフィリップ2世と結婚することになるためこの悲劇が生じるのですが、あと4幕2場ロドリーゴの死後フィリップ2世がヴェルディの「レクイエム」の中の「ラクリモーサ(涙ながらの日)」を歌うところは、先日ミラノ大聖堂で聴いたたばかりのヴェルディ「レクイエム」を思い出します。演出は今話題のペーター・コンヴィチュニー。 とんでもなく面白い! 5時間近くがあっという間に過ぎます。

フィリップⅡ世/ミケーレ・ペルトゥージ Michele Pertusi
ドン・カルロス/ヨーナス・カウフマン Jonas Kaufmann
ロドリーグ/イゴール・ゴロヴァテンコ Igor Golovatenko
大審問官/ロベルト・スカンディウィッチ Roberto Scandiuzzi
エリザベート/マリン・ビストロム Marlin Bystrom
エボリ公女/イヴ=モー・ユボー Eve-Maud Hubeaux
修道士・カルロ5世/ダン・パウル・ドゥミトレスク Dan Paul Dumitrescu
ティボー/ヴィルジニー・ヴェレツ Virginie Verrez
レルマ伯爵/ロバート・バートネック Robert Bartneck
天からの声/ヨハンナ・ウォルロース Johanna Wallroth
指揮/ベルトラン・ド・ビリー Bertrand de Billy
演出/ペーター・コンヴィチュニー Peter Konwitschny
舞台稽古/アレクサンダー・エドバウアー Alexander Edtbauer
舞台及び衣装/ヨハンネス・レイアッカー Johannes Leiacker
照明/ハンス・テルシュテーデ Hans Toelstede舞台に降りてきて歌う
映像原案/ヴェラ・ネミロヴァ Vera Nemirova
ドラマトゥルグ/ウェルナー・ヒンツェ Werner Hintze

シラーの戯曲によるヴェルディ「ドン・カルロス」フランス語5幕版はグランドオペラ用に作られており、イタリア語4幕版より長く、初めのフォンテンブローの森の場面と第3幕にバレエ音楽がはいる。
ペーター・コンヴィチュニーの演出は、全体に重苦しくなく、軽いタッチで進められ、3幕のバレエ音楽に合わせて「エボリの夢」と題して、現代版コメディ(もしエボリとカルロスが結婚したとすれば、フィリップⅡ世とエリザベートと家族4人で食事をし、ワインを飲んで、生まれてくる孫を祝う)劇中劇が繰り広げられます これならば悲劇は生まれないわけですが。
あと、フィリップ2世戴冠式では、映像と舞台が組み合されて不思議な空間が演出されます。
カウフマンのカルロス、スエーデンのソプラノ、マリン・ビストロムのエリザベート、ミケーレ・ペルトゥージのフィリップ2世、
そしてヴェールの歌を歌ったエボリ公女役のスイスのイヴ=モー・ユボー は、4幕では常にフィリップ2世のそばにいて自分の美貌を呪いその美しい顔に傷をつける重要な役を演じています。そしてなんと天からの声は、スウェーデンのソプラノ ヨハンナ・ウォロスが舞台にに降りてきて歌ってしまいます。
5時間がアッという間に過ぎてしまったコンヴィチュニーの奇想天外な演出は、成功したのかも!

 

ウィーン国立歌劇場「ドン・カルロス」
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