オランダ国立オペラが「魔弾の射手」をライブストリーミングしましたが、同じくプッチーニの「トスカ」も無料ストリーミングをしています。
こちらも奇才で知られるバリー・コスキー演出となっており、「魔弾の射手」のキリル・セレブレンニコフも、「トスカ」のバリー・コスキーもユダヤ系ということになります。
2022年6月18日の公演で、2022年9月16日まで利用可能です。
指揮のロレンツォ・ヴィオッティと演出のバリー・コスキーは3年間のプッチーニ・サイクルを開始するそうです。
ROHで「カルメン」を演出し、ウィーンで「ドン・ジョバンニ」グラインドボーンで「サウル」を演出したバリー・コスキーの洗練された色彩と迫力は、今回は血塗られたサスペンスのようです。月刊音楽祭のZDFホームページから見ることができます。
トスカ:マリン・ビストレム
カヴァラドッシ:ジョシュア・ゲレーロ
スカルピア:ゲヴォルグ・ハコブヤン
アンジェロッティ:マルティン・サンダーズ
スポレッタ:ルーカス・ヴァン・リエロップ
指揮:ロレンツォ・ヴィオッティ
演出:バリー・コスキー
舞台装置:ルーファス・ディドヴィシュス
衣装:クラウス:ブルンス
コーラス:オランダ国立オペラ合唱団
オーケストラ:オランダフィルハーモニー管弦楽団
(歌に生き、愛に生き)で有名な「トスカ」はバリー・コスキーの演出で従来とは全く違った新しいオペラとなっています。
現代に置き換えられた「トスカ」は、洗練された演出ですが、より残酷で男の「嫉妬」が前面に出た演出で、スカルピア役のゲオルグ・ハコブヤンがなんとも憎々しげに描かれています。そして演奏が素晴らしい。そして、お酒のおつまみが日本のお刺身のようなもので、桜の一輪挿しも日本的!
また第1幕のフィナーレの教会内のテ・デウム(と独唱)は圧巻です。
背景の絵の中の合唱団の顔が動きながら歌い、オルガンの音と打楽器が爆音を鳴らす中、
嫉妬に狂ったスカルピアがカヴァラドッシを殺し、トスカを腕の中に抱くと誓う。
「トスカ」演出について
オーストラリア系ドイツ人の演出家 Barrie Kosky は、 Toscaを監督できることを非常に喜んでいます。この作品は、彼が少年時代に深く恋に落ちた最初のオペラでした。彼の指揮の下、オペラの暗い側面が前面に出てきます。魅力的なローマの教会、ざわめくベルベット、きらめく真珠のネックレスなどは期待しないでください。コスキーは、心理的なドラマとその血なまぐさい結末だけに集中しています。熱心なプッチーニ愛好家である首席指揮者ロレンツォ・ヴィオッティは、音楽的に「無糖」のトスカを提供します。彼はスコアの従来の解釈を振り払い、新鮮な視点でアプローチします。このプロダクションでは、ヴィオッティは「彼の」オランダ フィルハーモニー管弦楽団、オランダ国立オペラ合唱団、著名なソリストを率いています。
2017 年のサロメでのセンセーショナルなパフォーマンスに続き、スウェーデンのソプラノ歌手マリン ・ビストロムが DNO に戻り、トスカで主役を演じます。イタリアのレパートリーのスペシャリストであるメキシコ系アメリカ人のテノール、ジョシュア・ゲレロは、情熱的なアーティスト、マリオ・カヴァラドッシの激しい解釈を理解し、アルメニアのバリトン、ゲヴォルグ・ハコビャンは、エネルギッシュでありながら恐ろしいスカルピアを演じる。