7月14日(木)

毎年、キリストの復活祭の前の聖金曜日に演奏されることが多い「パルジファル」ですが、二期会の「パルジファル」は7月半ば雨の多い時期に公演がありました。
ワーグナー最後のオペラ「パルジファル」は、「舞台神聖祝祭劇」とも呼ばれ罪と救済がテーマとなっている「芸術宗教」の理念を結晶化したもの。
指揮はセバスティアン・ヴァイグレ、演出は宮本亜門。フランスのストラスブール・ラン歌劇場で上演された舞台を持ってきたようです。
7月13日、14日、16日、17日の公演のうち、私たちは14日(木)のB キャストの方に行ってきました。

キャスト

アムフォルタス:清水優磨
ティトゥル:清水宏樹
グルネマンツ:山下浩司
パルジファル:伊藤達人
クリングゾル:友清崇
クンドリ:橋爪ゆか

指揮:セバスチャン・ヴァイグレ
演出:宮本亜門
装置:ボリス・クドルチカ
衣装:カスパー・グラーナー
照明:フェリース・ロス
映像:バルテック・マシス

舞台は美術館の設定で、絵画や類人猿などが出てきて、美術館の中を歩きながらオペラが進んでゆきます。美術館に展示されている愛や罪や苦悩や死など、民族や文化の違いを超えて人類が辿ってきた普遍的な生の営みの軌跡として美術館という舞台を持ってきており、救済は痛みを分かち合い、共鳴し和解するという人間どうしの心の働きによってもたらされるという現代的な視点から答えを出そうとしている。
そして原作にはない戦争で父を亡くした母子が最初美術館に登場し、最後も締めくくります。ウィーンの「パルジファル」もハンガリーの「パルジファル」も舞台は現代に置き換えられていますね。
パルジファル役の伊藤達人が「共に悩み悟りゆく、けがれなき愚者」の若いパルジファルをよく演じていましたし、読響、セバスチャン・ヴァイグレのコンビも舞台を盛り上げていました。

二期会「パルジファル」
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