夢二の絵は、雑誌「新少女」の口絵。 小説は、「権之助坂」の由来。虎杖(いたどり)、藤袴(ふじばかま)。 その五 野にも、岡にも秋のけしきは満ち満ちて来た。 休暇(やすみ)の日の夕方、私は寂しさに堪えかねてそぞろに長峰の下
白柳秀湖「駅夫日記」その4
夢二の絵は、「椿姫」の楽譜の表紙。 小説の方は、バイオリンを持った女性が登場。 その四 品川行きのシグナルを処理して私は小走りに階壇を下りた。黄昏(たそがれ)の暗さに大槻の浴衣(ゆかた)を着た後姿は小憎らしいほどあざやか
白柳秀湖「駅夫日記」その3
竹久夢二は「宵待草」の作詞もしていたのです。作曲は、多 忠亮(おおの ただすけ)。 小説は、主人公が美青年にからかわれます。 そして4には、いよいよ美しい女性が登場します。 その三 「君! 僕一つ君に面白いことを尋ねて見
白柳秀湖「駅夫日記」その2
夢二は、楽譜の表紙も書いていたんですね。 小説は、美青年が登場します。山の手線も蜩も日比谷へ音楽を聴きに行くということも。 その二 品川行きの第二十七列車が出るまでにはまだ半時間余りもある。日は沈んだけれども容易に暮れよ
白柳秀湖「駅夫日記」その1
このあたりの馬込文士村の文士の一人、白柳秀湖の「駅夫日記」を少し紹介しましょう。竹久夢二の挿絵をよく使っていたのでそれも少し、文中の草花とか季節の自然描写が豊かだし、当時の目黒、大崎あたりが出てきたりでとっても面白いです