夢二は、「婦人グラフ」表紙。 小説は、唐人髷、銘仙の着物、浅黄色の帯、欝金色の薔薇釵(ばらかざし)の高谷千代子。 粋な鳥打帽子、紬の飛白(かすり)、唐縮緬の兵児帯(へこおび)の大槻芳雄。 その十三 栗の林に秋の日のかすか
白柳秀湖「駅夫日記」その12
夢二の絵は、「婦人グラフ」表紙。 その十二 「今度複線工事のことについてちょっと用事が出来てここまでやって来たのです。プラットホームで足立さんに会って挨拶をしていると、今の一件です。 駅長さんが飛び出したもんですから、私
白柳秀湖「駅夫日記」その11
夢二の絵は、「暮笛」表紙。 小説は、法師蝉、コスモス。 その十一 私はそのまま駅長の社宅に連れて行かれて、南向きの縁側に腰を下すと、駅長の細君が忙わしく立ち働いていろいろ親切に手を尽してくれる。 そこへ罷職軍医の大槻延貴
白柳秀湖「駅夫日記」その10
夢二の絵は、「婦人グラフ」表紙。 小説は、エビスビール、百舌鳥(もず)、櫨(はぜ)。 その十 雨がやむと快晴が来た。 シットリと濡れた尾花が、花やかな朝日に照りそうて、冷めたい秋風が一種言いしれぬ季節の香を送って来る。崖
白柳秀湖「駅夫日記」その9
夢二の絵は、童謡「凧」の装幀原画。 小説は、麻布十番 白金。 その九 見れば根っから乞食(こじき)の児(こ)でもないようであるのに、孤児(みなしご)ででもあるのか、何という哀れな姿だろう。 「おい、冷めたいだろう、そんな
白柳秀湖「駅夫日記」その8
夢二の絵は、「婦人グラフ」表紙。 小説は、目黒ステーション晩秋。 その八 「ちょいと、マア御覧よ、こんどはこんなことが書いてあってよ」と一人が小さい紙切を持ってベンチの隅に俯伏すとやっと、十四五歳のを頭に四五人の子守女
白柳秀湖「駅夫日記」その7
夢二の絵は、「ねむの木」口絵 その七 次の日の朝、私は改札口で思わず千代子と顔を合わせた。私は千代子の眼に何んと知れぬ一種の思いの浮んだことを見た、私は千代子のような美人が、なぜ私のような見すぼらしい駅夫風情(ふぜい)に
銀座から横浜日本フィル定期演奏会
4月19日(土) 今日は、東京海上時代の友達と銀座へランチに出掛けました。 銀座三越で、先日の筍のお礼・たねやで本生水羊羹を送り、スペイン料理の店「びいどろ」に行く。 現在FP(ファイナンシャル・
白柳秀湖「駅夫日記」その6
夢二の絵は、「ねむの木」口絵。 小説は、千代子の生い立ち、大鳥神社。 その六 岡田の話では高谷千代子の家は橋を渡って突き当りに小学校がある、その学校の裏ということである。それを尋ねて見ようというのではないけれども、私はい
筍が届いた!
4月16日(水) 例年通り、主人の友達からこんな筍が三本届きました。 うれしい! 今回は糠(ぬか)まで付けてくれました。糠は、ゆでる時一緒に入れると柔らかくなるんですね。 そして1時間くらいゆでて、 筍ご飯
白柳秀湖「駅夫日記」その5
夢二の絵は、雑誌「新少女」の口絵。 小説は、「権之助坂」の由来。虎杖(いたどり)、藤袴(ふじばかま)。 その五 野にも、岡にも秋のけしきは満ち満ちて来た。 休暇(やすみ)の日の夕方、私は寂しさに堪えかねてそぞろに長峰の下
沼尻竜典 日本フィル第321回名曲コンサート
4月13日(日) 久し振り(2週間ぶり)で演奏会に行った。 ワーグナー楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲 ショパン/ピアノ協奏曲第1番