プッチーニ「トゥーランドット」

ジュネーブの大劇場にて、プッチーニの「トゥーランッドット」を上演、2022年7月22日からライブストリーミングを始め2023年1月22日まで利用可能となっています。ダニエル・クレーマーがが演出を手掛け、舞台美術を日本のアート集団「チームラボ」が担当し、光を放った独創的で美しい舞台が話題をさらった。衣装は日本の中野希美江が手掛けている。
指揮はアントニーノ・フォリアーニで、トゥーランドットにインゲラ・ブリンベリ、ティムールにリャン・リ、カラフにテオドール・イリンカイ、リューにフランチェスコ・ドットが起用されている。第3幕は、ベリオ版でフィナーレに向かう。
なお、2023年2月23日から二期会で同じ演出にて、公演予定です。

CAST
トゥーランドットTurandot :Ingela Brimberg
アルトゥームAltoum :Chris Merritt
ティムールTimur :Liang Li
カラフCalaf :Teodor Ilincai
リューLiù :Francesca Dotto
ピンPing: Simone Del Savio
パンPang :Sam Furness
ポンPong :Julien Henric
役人A Mandarin :Michael Mofidian
合唱: Grand Théâtre de Genève Chorus Maîtrise du Conservatoire populaire
オーケストラ: Orchestre de la Suisse Romande
音楽:Giacomo Puccini
指揮: Antonino Fogliani
演出: Daniel Kramer
映像:Scenography/Digital and Light Art teamLab
舞台装置:Stage Design teamLab Architects 
衣装:Kimie Nakano

二期会「パルジファル」

7月14日(木)

毎年、キリストの復活祭の前の聖金曜日に演奏されることが多い「パルジファル」ですが、二期会の「パルジファル」は7月半ば雨の多い時期に公演がありました。
ワーグナー最後のオペラ「パルジファル」は、「舞台神聖祝祭劇」とも呼ばれ罪と救済がテーマとなっている「芸術宗教」の理念を結晶化したもの。
指揮はセバスティアン・ヴァイグレ、演出は宮本亜門。フランスのストラスブール・ラン歌劇場で上演された舞台を持ってきたようです。
7月13日、14日、16日、17日の公演のうち、私たちは14日(木)のB キャストの方に行ってきました。

キャスト

アムフォルタス:清水優磨
ティトゥル:清水宏樹
グルネマンツ:山下浩司
パルジファル:伊藤達人
クリングゾル:友清崇
クンドリ:橋爪ゆか

指揮:セバスチャン・ヴァイグレ
演出:宮本亜門
装置:ボリス・クドルチカ
衣装:カスパー・グラーナー
照明:フェリース・ロス
映像:バルテック・マシス

舞台は美術館の設定で、絵画や類人猿などが出てきて、美術館の中を歩きながらオペラが進んでゆきます。美術館に展示されている愛や罪や苦悩や死など、民族や文化の違いを超えて人類が辿ってきた普遍的な生の営みの軌跡として美術館という舞台を持ってきており、救済は痛みを分かち合い、共鳴し和解するという人間どうしの心の働きによってもたらされるという現代的な視点から答えを出そうとしている。
そして原作にはない戦争で父を亡くした母子が最初美術館に登場し、最後も締めくくります。ウィーンの「パルジファル」もハンガリーの「パルジファル」も舞台は現代に置き換えられていますね。
パルジファル役の伊藤達人が「共に悩み悟りゆく、けがれなき愚者」の若いパルジファルをよく演じていましたし、読響、セバスチャン・ヴァイグレのコンビも舞台を盛り上げていました。

ヴェルディ「レクイエム」

英国初の世界最大級クラシック音楽フェスティバル「BBCプロムス」は、ヴェルディの「レクイエム」をライブストリーミングしている。
2022年7月15日 ロイアル・アルバート・ホール

指揮:サカリ・オモラSakari Oramo
オーケストラ:BBC交響楽団BBC Symphony Orchestra
合唱:BBC交響楽団合唱団、クラウチ・エンド・フェスティバル合唱団BBC Symphony Chorus,Crouch End Fesival Chorus
ソプラノ:マサバネ・セシリア・ラングワナシャMasabane Cecilia Rangwanasha
メゾソプラノ:ジェニファー・ジョンストンJennifer Johnston
テノール:デヴィッド・ジュングーン・キムDavid Junghoon Kim
バスーバリトン:キファン・シムKihwan Sim
ロイヤル・アルバート・ホール 2022年7月15日

右脳と左脳と虫の声

あれ松虫が…

秋になると、虫かごに入れた鈴虫の鳴き声をBGMとして聞かせる日本料理店もあるように、私たち日本人は遠く万葉の時代から虫の音に耳を傾け、季節を感じてきました。「虫の音(ね)」「虫の声」と表現するように、日本人にとって、それは心地よいサウンド。ネット上に、コオロギや鈴虫などの鳴き声を納めたサイトがたくさんあるのも、虫の音を楽しむ人が多いことのあらわれでしょう。
ところが、西欧の人たちには、この虫の音が「ノイズ」と認識されているとか。同じ虫の音を聞いて、なぜこんな違いが起こるのでしょう? それを解明したのは、東京医科歯科大学名誉教授、角田忠信博士の「日本人の脳の研究」でした。

外国の人には聞こえない?

そもそものきっかけは、角田博士が1987年にキューバのハバナで開かれた国際学会に参加した時のこと。
歓迎会の会場をおおう「蝉しぐれ」のような虫の音に驚いた博士が、周囲の人に何という虫かと尋ねたところ、だれも何も聞こえないと言うのだそうです。パーティが終わった深夜、静かな夜道には、先刻よりもさらに激しく虫の音が聞こえていました。若い二人のキューバ人と帰途についた博士が何度も虫の鳴く草むらを指し示しても、二人には何も聞こえないようで、不思議そうに顔を見合わせるばかり。博士はその後、毎日この二人と行動を共にしましたが、一人は3日目にようやく虫の音に気づいたものの、もう一人は1週間たってもついにわからないままだったといいます。もしかしたら、日本人の耳と外国人の耳には違いがあるのかもしれない…博士の研究は、そんなところから始まりました。

左脳で虫の音を聞く日本人

人間の脳は右脳と左脳とに分かれていて、それぞれに得意分野があります。言葉や計算などの知的作業を分担するのは、言語脳といわれる左脳。これに対して音楽脳といわれる右脳は、非言語音を感覚的にとらえるのにすぐれているといわれます。この脳の働きを日本人と西欧人で比較してみると、西欧人は虫の音を右脳(音楽脳)で処理するのに対し、日本人は左脳(言語脳)で受けとめる、つまり虫の「声」として聞いていることが角田博士の研究で明らかになりました。
一体どうしたら、そんなことがわかるのでしょう? 人間の耳から脳への神経系の構造は、左耳から入った情報は右脳へ、右耳から入った情報は左脳へ行く、という交叉状態になっています。そこで、左右の耳に同時に違った音を流した後でどちらの音を聞きとれたかを調べることで、どちらの脳が認識しているかを判定。いろいろな音でこうした実験を積み重ねていくと、音楽や機械音、雑音は右脳で、言語音は左脳で受け止めていることがわかったのです。
ここまでは、日本人も西洋人も共通なのですが、違いが出るのは虫や動物の鳴き声。こうした音を、西洋人は楽器や雑音と同じように右脳で聞いているのですが、日本人は言語と同じく左脳で聞いていることがわかりました。

日本語の脳

こうしたことの背景には、その言語における「母音」が大きく関わっているといわれます。母音より子音の方が重要な役割をもつことの多い西洋人は、母音を音楽脳で処理するのに対して、母音で言葉を形成する部分が大きい日本語を話す日本人は、母音を言語脳で処理するのだとか。そして、虫や動物の声は母音に非常に似ていることから、日本人はこれらの音を言語脳で聞くと推察されています。それだけでなく、波・風・雨の音・小川のせせらぎといった自然音や邦楽器の音なども、日本人は左脳で聞いているのだそうです。
さらに興味深いのは、日本人でも外国語を母語として育てられると西洋型になり、外国人でも日本語を母語として育つと日本型になってしまうこと。西洋型か日本型かは、人種の違いではなく、幼児期にどんな言語を母語として覚えたかの違いである可能性が高く、「日本人の脳というより”日本語の脳”と言うべきだろう」と角田博士は語っています。博士の今までの調査では、日本語と同じパターンは世界でもポリネシア語でしか見つかっていないということです。

虫の音をはじめ、生きとし生けるものの「声」に耳を傾ける。自然に対する日本人のそんな感受性は、左脳で聞くという日本語の脳とも関係していたのかもしれませんね。その一方で、さまざまな音にあふれる現代の暮らしでは、虫の声に耳を傾ける時間が減ってきているような気もします。せっかく虫の「声」を聞く能力が備わっていても、心のゆとりがなければ、聞こえるものも聞こえてこないでしょう。
夏の暑さで疲れた体と心をリセットするためにも、ちょっと立ち止まって虫の声に耳を傾けてみませんか。そういえば、「虫時雨(むししぐれ)」という美しい季語もあるようです。

プッチーニ「トスカ」

オランダ国立オペラが「魔弾の射手」をライブストリーミングしましたが、同じくプッチーニの「トスカ」も無料ストリーミングをしています。
こちらも奇才で知られるバリー・コスキー演出となっており、「魔弾の射手」のキリル・セレブレンニコフも、「トスカ」のバリー・コスキーもユダヤ系ということになります。
2022年6月18日の公演で、2022年9月16日まで利用可能です。
指揮のロレンツォ・ヴィオッティと演出のバリー・コスキーは3年間のプッチーニ・サイクルを開始するそうです。
ROHで「カルメン」を演出し、ウィーンで「ドン・ジョバンニ」グラインドボーンで「サウル」を演出したバリー・コスキーの洗練された色彩と迫力は、今回は血塗られたサスペンスのようです。月刊音楽祭ZDFホームページから見ることができます。

トスカ:マリン・ビストレム
カヴァラドッシ:ジョシュア・ゲレーロ
スカルピア:ゲヴォルグ・ハコブヤン
アンジェロッティ:マルティン・サンダーズ
スポレッタ:ルーカス・ヴァン・リエロップ

指揮:ロレンツォ・ヴィオッティ
演出:バリー・コスキー
セットデザイン:ルーファス・ディドヴィシュス
衣装:クラウス:ブルンス

コーラス:オランダ国立オペラ合唱団
オーケストラ:オランダフィルハーモニー管弦楽団

(歌に生き、愛に生き)で有名な「トスカ」はバリー・コスキーの演出で従来とは全く違った新しいオペラとなっています。
現代に置き換えられた「トスカ」は、洗練された演出ですが、より残酷で男の「嫉妬」が前面に出た演出で、スカルピア役のゲオルグ・ハコブヤンがなんとも憎々しげに描かれています。そして演奏が素晴らしい。そして、お酒のおつまみが日本のお刺身のようなもので、桜の一輪挿しも日本的!

また第1幕のフィナーレの教会内のテ・デウム(と独唱)は圧巻です。

背景の絵の中の合唱団の顔が動きながら歌い、オルガンの音と打楽器が爆音を鳴らす中、
嫉妬に狂ったスカルピアがカヴァラドッシを殺し、トスカを腕の中に抱くと誓う。

「トスカ」演出について

オーストラリア系ドイツ人の演出家 Barrie Kosky は、 Toscaを監督できることを非常に喜んでいます。この作品は、彼が少年時代に深く恋に落ちた最初のオペラでした。彼の指揮の下、オペラの暗い側面が前面に出てきます。魅力的なローマの教会、ざわめくベルベット、きらめく真珠のネックレスなどは期待しないでください。コスキーは、心理的なドラマとその血なまぐさい結末だけに集中しています。熱心なプッチーニ愛好家である首席指揮者ロレンツォ・ヴィオッティは、音楽的に「無糖」のトスカを提供します。彼はスコアの従来の解釈を振り払い、新鮮な視点でアプローチします。このプロダクションでは、ヴィオッティは「彼の」オランダ フィルハーモニー管弦楽団、オランダ国立オペラ合唱団、著名なソリストを率いています。

2017 年のサロメでのセンセーショナルなパフォーマンスに続き、スウェーデンのソプラノ歌手マリン ビストロムが DNO に戻り、トスカで主役を演じます。イタリアのレパートリーのスペシャリストであるメキシコ系アメリカ人のテノール、ジョシュア・ゲレロは、情熱的なアーティスト、マリオ・カヴァラドッシの激しい解釈を保証し、アルメニアのバリトン、ゲヴォルグ・ハコビャンは、エネルギッシュでありながら恐ろしいスカルピアを届けることを約束します。

お台場でガンダムとショッピング

お台場のダイバーシティ東京プラザにはよく行きますがガンダムを近くで見たことがなかったので、じっくりと見ることにしました。
ここはフードコートも充実しており、食事をしてからガンダムとご対面というのも楽しい。
ショッピングは、H&M、ZARA、ユニクロなどが揃っている。

ウェーバー「魔弾の射手」

オランダ国立オペラハウスは、ウェーバーの「魔弾の射手」を、2022年6月22日〜2022年10月25日までライブストリーミングします。オーケストラは言わずと知れたロイヤル・コンセルトヘボウ・オーケストラ。
指揮はパトリック・ハーンでグラーツ生まれの27歳、演出は映画監督でもあり、話題になっているキリル・セレブレニコフ氏で今ロシアで最も才能のある映画監督で演出家と言われている。

 

キャスト

マックス :ベンジャミン・ブランズ Benjamin Bruns
カスパール&隠者:ギュンター・グロイスベックGünther Groissböck
アガーテ:ヨハニ・ファン・オストルム Johanni van Oostrum
ザミエル:パトリック・ハン Patrick Hahn
エンヒェン:イェン・ファン Ying Fang
オット・カール侯爵&キリアン:マイケル・ウイルメリング Michael Wilmering
クーノー:ジェームス・プラットJames Platt
レッド・ワン:オーディン・ランド・ビロン Odin Lund Biron

音楽::カール・マリア・フォン・ウェーバー Carl Maria von Weber
指揮:パトリック・ハン Patrick Hahn
演出:キリル・セレブレニコフ Kirill Serebrennikov
コーラス:オランダ国立オペラ合唱団Chorus of Dutch National Opera
オーケストラ :ロイヤル・コンセルトヘボウ・オーケストラRoyal Concertgebouw Orchestra

いつもの「魔弾の射手」にはないのですが、今回の「魔弾の射手」では、ナレーターでパントマイムをしたり歌を歌ったり、最初から最後まで出ずっぱりの赤い服を着たレッド・ワン(赤い人)は、オーディン・ランド・ビロンという名前の俳優で、演出家のセレブレニコフが監督をした映画「Tchaikovsky’sWife」にも出演してチャイコフスキー役をやっている。
ウィーンの「ばらの騎士」でハンサムなオックス男爵をやったグロイスベックがカスパールと隠者の二役で、若い指揮者のパトリック・ハンもザミエル役を兼ねている。
とにかく超面白いオペラですので、是非ご覧ください。字幕は英語でいかが?
演出家のキリル・セレブレニコフについて:
映画の世界で「Playing the Victim」は2006年ローマ映画祭のグランプリを受賞、2012年ベネツィア映画祭では「Betrayal」が金獅子賞にノミネートされた。また、「The Student」や「LETO -レト- 」が2016年と2018年のカンヌ映画祭でプレミア上映された。「インフル病みのペトロフ家」は、2021年第74回カンヌ国際映画祭でフランス映画高等技術委員会賞を受賞し現在上映中、また彼はユダヤ人の父とウクライナ人の母の間に生まれている。