宗次でソフィー・ダルティンガロング

3月10日(日)

名古屋の宗次ホールにて、ウィーンフィルの首席ファゴット奏者のリサイタルに。

ソフィー・ダルティガロング ファゴット・リサイタル

ヴィヴァルディ/チェロ・ソナタ第7番イ短調RV.44
J・S・バッハ/無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調BWV1013
テレマン/ファゴット・ソナタ へ短調 TWV41:f1
     ~休憩~
タンスマン/ファゴットとピアノのためのソナチネ
デュティユー/サラバンドとコルテージュ
ビッチュ/バスーンとビアののためのコンチェルティーノ
サン=サーンス/バスーンとピアノのためのソナタ ト長調作品168
 ファゴット/ソフィー・ダルティガロング Sophie Dartigalongue
 ピアノ/沢木良子

1991年フランス生まれのソフィーは、2013年ミュンヘン国際コンクールで1位なしの2位を受賞している経歴の持ち主。
ウィーンフィルだけでなく、ベルリンフィルのテストにも合格したそうです。
アスリートのようなしっかりした体で支えるファゴットは柔らかな音とテクニックが素晴らしい。
アンコールはフォーレの「夢のあとで」をファゴットで。

エクセルシオ・奥志賀

3月9日(土)

第140回 クァルテット・ウィークエンドは、クァルテット・エクセルシオとクァルテット奥志賀の競演、晴海の第一生命生命ホールにて。

クァルテット・エクセルシオ&クァルテット奥志賀

モーツァルト/弦楽四重奏曲第16番変ホ長調K428(奥志賀)
ヤナーチェク/弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」(エクセルシオ)
     ~休憩~
エネスコ/弦楽八重奏曲ハ長調作品7


クァルテット・エクセルシオの第2ヴァイオリン奏者、山田百子の退団が発表され、北見春菜がこの6月から新メンバーとして活動することになりました。今日の第2ヴァイオインは、双紙正哉、西野ゆかのご主人という特別な組み合わせ。

今回クァルテット・エクセルシオと競演するクァルテット奥志賀は、2014年結成の新鋭グループで、小澤征爾の国際アカデミー奥志賀で出会ったのがきっかけ。
Vn: 小川響子、会田莉凡、Viola: 石田紗樹 Cello:黒田美咲
という元気な若手演奏家です。

クァルテット奥志賀がモーツアルトの弦楽四重奏曲16番を瑞々しいタッチで、
クァルテット・エクセルシオがヤナーチェクの「クロイツェル・ソナタ」を西野ゆかの第1ヴァイオリンと双紙正哉の第2ヴァイオリンが化学反応を起こしたかのような集中した演奏を聴くことができました。双紙は、都響の第2ヴァイオリン首席ですものね。

そして最後はエネスコ(1881-1955)の弦楽八重奏曲、青年エネスコが1900年に作曲したものです。
第1ヴァイオリン:会田 第2ヴァイオリン:西野 第3ヴァイオリン:双紙
第4ヴァイオリン:小川 第1ヴィオラ:石田 第2ヴィオラ:吉田
第1チェロ:黒川 第2チェロ:大友
8人が対等に絡み合い渾然一体となってダイナミックで白熱した競演でした。
アンコールはメンデルスゾーンの八重奏曲の第一楽章。

サイン会でのエクのメンバーと会田莉凡さん

天空のイタリアン「Casa Varelia」でランチ

3月5日(火)

いつもの友達とランチです。
神楽坂にある 天空のイタリアンレストラン「Casa Valeria」
オーナーが素敵な女性のソムリエで「由利子」さんという方です。

前菜の前にドリンクが一杯サービスされ、
自家製パンとトスカーナのオリーブオイル。
前菜の盛り合わせは、鯛のカルパッチョ、佐賀牛のリエットなど、
魚料理と肉料理が1プレートに半々で出してくださるサービスもありました。
魚は鱸のポアレと菜の花のソース
デザートはシャーベットと焼き菓子、
食後のカフェは、おかわり自由という素敵なプランです。

そして食後は、東京大神宮に参拝です。
江戸時代、伊勢神宮への参拝は生涯かけての願いでしたので、明治天皇が東京における伊勢神宮の遥拝殿として明治13年に創建されました。

それでは、次は7月かしら、楽しみです。

日フィル・345回横浜定期演奏会

3月2日(土)

少し春めいてきた横浜、今日は桜木町からでなく横浜駅からみなとみらい線に乗って、みなとみらい駅〜横浜みなとみらいホールに到着。

「輝け!アジアの星☆第11弾」と題して、指揮者がシンガポール生まれのダレン・アンさん、ヴァイオリンが周防亮介さんです。

マイアベーア/歌劇「予言者」より「戴冠行進曲」
ラロ/スペイン交響曲ニ短調作品21
     ~休憩~
ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲
ラヴェル/バレエ「ダフニスとクロエ」第2組曲
 指揮/ダレル・アン Darrell Ang
 ヴァイオリン/周防亮介(すほう・りょうすけ)
 コンサートマスター/田野倉雅秋

ダレル・アンは、1979年シンガポール生まれ.サンクトペテルブルク音楽院指揮科を首席で卒業。すでにヨーロッパ各地で活動を展開し日本のオーケストラとも共演を重ね。注目を集めている。ヴァイオリンの周防亮介は1995年生まれの伸び盛りで、「ヴァイオリンは体の一部であり自分の声のようなもの」といっている。

ジャコモ・マイアベーア(1791-1864)は、グランド・オペラを確立したと言われるユダヤ系ドイツ人作曲家だが、現代では上演する機会が少ない。ダレル・アンは、この作曲家に深い理解を寄せていて、CDも出している。

エドゥアール・ラロ(1823-92)は、4曲のヴァイオリン協奏曲を書いている。「スペイン交響曲」「ノルウェー幻想曲」「ロシア協奏曲」など異国情緒をうかがわせる題がつけられている。
「スペイン交響曲」は、1873年に完成され翌々年に名ヴァイオリニスト、サラサーテによって初演されたが、周防亮介くん軽々と弾いてしまいました。
周防くんのアンコールはタレルガの「アルハンブラの思い出」ギター作品を無伴奏ヴァイオリンに編曲したもの。

クロード・ドビュッシー(1862-1918)の「牧神の午後への幻想曲」日フィルのフルート真鍋さんのソロが聞きどころで、プレトークでは奥田佳道さんがフルートのC♯の音はくぐもって聞こえ、この音から20世紀の音楽の扉が開かれたとのことです。確かにフルートは全開で、音が出にくい!

モーリス・ラヴェル(1875ー1937)の「ダフニスとクロエ」第2組曲
ここでも真鍋さんのフルートの名人芸が披露されます。
オーケストラのアンコールはサティーのジムノペディーをドビュッシーがオーケストレーションした第3番でした。


読響・ツァグロゼク・ブルックナー

2月22日(金)

第585回読売日響定期演奏会は、巨匠ローター・ツァグロゼク指揮のブルックナー7番と、日本初演のリーム Ins Offene…です。

リーム/Ins Offene… (第2稿/日本初演)
     ~休憩~
ブルックナー/交響曲第7番(ノヴァーク版)
 指揮/ローター・ツァグロゼク
 コンサートマスター/日下紗矢子

指揮者のローター・ツァグロゼクは、1942年ドイツ・バイエルン州生まれ。音楽好きの一家に生まれ、6人兄弟の長男で、レーゲンスブルグ大聖堂少年合唱団に入団。マエストロの美声がフルトヴェングラーの耳に留まって、12歳の時ザルツブルグ音楽祭の「魔笛」の第一の童子としてデビュー。それ以来プロとしての音楽活動は63年になり最もキャリアの長い音楽家の一人となる。
マエストロの正直、率直な性格は、大きな信頼につながり、2017年ドイツ連邦共和国はマエストロにドイツ連邦共和国一等功労十字章を授与した。

ヴォルフガング・リーム(1952〜)は、ドイツの戦後世代を代表する重鎮作曲家で、主知主義的な戦後アヴァンギャルドの洗礼を受けている。リームの曲のタイトル「Ins Offene…」とは、「開いた…の中に」という程度の意味がある。
「Ins Offene…」はスコティッシュ・ナショナル管の委嘱により、1990年にグラスゴウで初演された。
今回は第2稿で日本初演、3群に分けられた39人の音楽家によって演奏される。
1群は、ヴァイオリン2人、トランペット3本、打楽器3人で、舞台ではなくホールの5箇所、P席の左右に2人のヴァイオリン、トランペットと打楽器は2人1組でホール2階席の左右と中央に陣取ります。あと2群と3群は舞台上ということで、音の中央にいるのが(ins…)観客かしら…。
ちょっと日本の雅楽に似た響があったような気がする。

アントン・ブルックナー(1824-96)のかの有名な交響曲第7番、1882年に第1楽章と第3楽章を仕上げたのち、第2楽章へと筆を進めた。この世ならぬ深みと美しさを湛えたアダージョ楽章はワーグナーの死の予感のもとに書かれた。ワグナーの死の知らせが入るとアダージョの仕上げに入っていたブルックナーは4本のワーグナー・チューバによる哀切に満ちた葬送音楽を書き加えた。
ツァグロゼクの指揮は、読響の重厚な響を、テンポの変化で重いだけに終わらせない効果を出していて、現代的で新鮮な感覚がした。
終わるといつものように拍手喝采、ブラボーが鳴り響き、ツァグロゼクが呼び戻しをされ、これはいつもより歓迎度合いが高いことが証明されたようです。

今年もクァルテット・ベルリン=トウキョウ

2月7日(木)

サルビアホール 第108回クァルテット・シリーズは、クァルテット・ベルリン=トウキョウです。

J・S・バッハ/フーガの技法~コントラプンクトゥスⅩⅣ BWV1080
J・S・バッハ/コラール「わが心の切なる願い」BWV727
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第10番変ホ長調作品74「ハープ」
     ~休憩~
シューベルト/弦楽四重奏曲第15番ト長調D887
 クァルテット・ベルリン=トウキョウ

今回、ヴィオラに新しいメンバーが加わり、改めて紹介すると、

ヴァイオリン:守屋剛志  モティ・パヴロフ  
ヴィオラ:グレゴール・フラーバル  チェロ:松本瑠依子  となります。

バッハ(1685ー1750)のフーガの技法BWV.1080コントラプンクトゥス14は、3つの主題による4声のフーガで、3つ目の主題にはバッハ(B-A-C-H)の音形がみられるが、239小節で未完に終わった。今回はそのまま続けてコラール「我が心の切なる願い」が演奏された。

ベートヴェン(1770-1827)の弦楽四重奏曲第10番「ハープ」は、1809年ベートーヴェン39歳の最も充実しているときに書かれた作品。

シューベルト(1797-1828)の弦楽四重奏曲第15番は、死の2年前1826年、これが最後の弦楽四重奏曲となる。40分という長さが全然気にならないくらい集中力と説得力があり思わず引き込まれてしまう充実した演奏会でした。
アンコールはハイドンの作品76の6から第3楽章メヌエット、
とクルタークのオフィシウム・ブレーヴェから最後の楽章。

 

広上・チャイコフスキー・ 小林美樹

2月2日(土)

広上淳一のチャイコフスキー2連日の初めは千葉市民会館大ホールで、
東京フィルハーモニー・第51回千葉市定期演奏会です。
マエストロ広上と「もっと、チャイコフスキー!」とうたっています。
千葉駅は乗り換えでホームに降りたことがありますが、駅前に来たのは初めて、モノレールの線が立体交差して少し古びているのが面白い。

チャイコフスキー/弦楽セレナードハ長調作品48~第1楽章
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35
     ~休憩~
チャイコフスキー/交響曲第5番ホ短調作品64
 指揮/広上淳一
 ヴァイオリン/小林美樹
 コンサートマスター/依田真宣

〝オー人事、オー人事〟のコマーシャルで有名になったチャイコフスキー(1840−1893)の弦楽セレナードで始まり、
11月にラザレフ日フィルでチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲をやったばかりの小林美樹さんが今度は真っ赤なドレスを来て現れ大喝采です。ラザレフや広上さんに愛されて大きくなってゆく小林美樹さんですね!
美樹さんのアンコールはバッハの無伴奏ソナタ第1番~アダージョ
最後は交響曲5番(1888年)、クラリネットが提示する「運命の主題」が形を変えて現れ、3楽章のワルツからフィナーレと進む。

2月3日(日)

広上のチャイコフスキー2日目は、初台の東京オペラシティ「午後のコンサート」です。

チャイコフスキー/スラヴ行進曲
チャイコフスキー/弦楽四重奏曲第1番ニ長調作品11~第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」
チャイコフスキー/イタリア奇想曲作品45
     ~休憩~
チャイコフスキー/幻想序曲「ロメオとジュリエット」
チャイコフスキー/弦楽セレナードハ長調作品48~第1楽章
チャイコフスキー/大序曲「1812年」作品49
 指揮とお話/広上淳一
 コントマスター/依田真宣

めちゃめちゃ楽しいチャイコフスキーオンパレードですが、このシリーズはお話がつき、美人アナウンサーの田添菜穂子さんと広上さんで楽しいトークをしながら進めてゆきます。
広上さんが午後のコンサートに登場したのは、2004年の山本直純特集、2009年のNHK大河ドラマ音楽特集、そして今日の2019年チャイコフスキー特集です。大学オケに4年間いた私ですら「スラブ行進曲」と「イタリア奇想曲」はやったことがあるくらいポピュラーな曲で、ここでも「オー人事 オー人事」が後半に入ってきます。アンダンテカンタービレは、チャイコフスキーの本質だと広上さんも言っていました。
そして「1812年」ナポレオンがモスクワに侵攻してロシア軍の反撃により大敗北した歴史を描いた曲で、P席左右にバンダと大太鼓が並び大砲が炸裂して大音響でした。これって広上が日本で振るのは初めてだったそうですよ。
また聴きたい!



小林研一郎・堤 剛

1月25日(金)

第707回日本フィル東京定期演奏会は、チャイコフスキーの交響曲3番「ポーランド」と堤さんのチェロでシューマンのチェロ協奏曲です。



シューマン/チェロ協奏曲イ短調作品129
     ~休憩~
チャイコフスキー/交響曲第3番ニ長調作品29「ポーランド」
 指揮/小林研一郎
 チェロ/堤剛
 コンサートマスター/木野雅之
 ソロ・チェロ/菊地知也


桂冠名誉指揮者の小林研一郎と堤剛との共演は、大御所同士で新年の幕開けにふさわしい。

ロベルト・シューマン(1810−1856)の有名なチェロ協奏曲は、1850年9月に妻クララと5人の子供達を伴ってライン河畔の小都市デュッセルドルフにオーケストラと合唱団の指揮者として着任し、わずか2週間でスケッチを書き上げ11月1日はスコアを完成させていた。初演はシューマン没後4年を経た1860年4月23日、内省的で重厚な曲で巨匠2人の豪華な饗宴でした。

チャイコフスキー(1840−1893)の交響曲3番「ポーランド」は、6曲の交響曲の内唯一5つの楽章を持つ曲。1875年の夏2ヶ月間で一気に書き上げられ、同時期にはバレエ音楽「白鳥の湖」があります。コバケンのゆっくり流れるような旋律が美しい。
新春の東京定期、いろんな人にお会いして明けましてもめでとうの挨拶を交わしました。

ナンカロウ・一柳 慧・ブリテン

1月21日(月)

サルビアホール 第107回クァテットシリーズは、クァルテット・エクセルシオの現代作曲家のシリーズです。
なんと現代作曲家として有名な一柳慧さんと音楽評論家の渡辺和さんが登場して、
プレトークもありました。

ナンカロウ/弦楽四重奏曲第1番
一柳慧/弦楽四重奏曲第3番「インナー・ランドスケイプ」
     ~休憩~
ナンカロウ/弦楽四重奏曲第3番
ブリテン/弦楽四重奏曲第1番ニ長調作品25
 クァルテット・エクセルシオ

コンロン・ナンカロウ(1912−1997)は、アメリカ出身、スペイン内戦で義勇軍に参加したため「共産主義者」の烙印を押され政治的圧力を受けた。。1940年からメキシコに移住、56年に国籍を得た。
1945年、33歳で作曲された弦楽四重奏曲1番は、端正で常識的な作品。
1987年に作曲された弦楽四重奏曲3番は、弦楽四重奏の枠組みを解体する狙いを感じさせる作品。最初チェロが3拍子で始まり、そこにヴィオラが4拍子で次に第2ヴァイオリンが5拍子で、第1ヴァイオリンが6拍子で加わり最後は力強い総奏で終わる。とにかく面白いから聴いてみてください。
ナンカロウの1番と2番の間に一柳慧さんの「インナー・ランドスケイプ」が入ってきます。

一柳慧(1933-)は、1950年代にニューヨークへ渡り、ジョン・ケージに師事、帰国後は日本に現代音楽を紹介し「ケージ・ショック」と言われるほどの衝撃を音楽シーンに与えた人で、その人が今日トークに出演しているのですが、一柳慧の弦楽四重奏曲3番「インナー・ランドスケイプ」は、奥様が亡くなって、奥様とも親しくしていたニューアーツ弦楽四重奏団のメンバーの委嘱によって書かれた曲で、「頭」で書くというより「心」で書いた作品だと一柳 慧 本人が言っていました。

最後のブリテン(1913−1976)は、1939年にアメリカへ渡り、数年間を過ごすが、1941年に室内楽の発展に貢献したパトロンとして著名なクーリッジ夫人の委嘱によって書かれた、弦楽四重奏曲1番は、ブリテンのアメリカ時代における重要作品の一つで、初め澄み切ったハーモニーから力動的で急速な部分が交錯し、3楽章では「ピーター・グライムズ」の間奏曲「月光」と似ていると言われる内省的な部分から4楽章は疾走する音が様々に変化してフィナーレとなる、気持ちのいい曲。

一柳慧さま、初めにに結婚したのがオノ・ヨーコさまだったりして、
ナンカ!ナンカ!凄い演奏会だったような気がします。