鵠沼サロン フォンス・ムジケ

10月10日(火)

今日はバロック音楽、ストラスブール音楽院で教授を務めるリュートの今村泰典さんが中心の
フォンス・ムジケ

モンテヴェルディ/主をほめたたえよ
メールラ/子守歌による宗教的カンツォネッタ「今や眠りの時」
ボノンチーニ/チェロと通奏低音のためのソナタ イ短調
ランベール/貴女のつれなさが日ごと Vos mespris
ド・ヴィゼー/前奏曲とサラバンド「ラ・デュ・オー・メニル」ト長調
ランベール/春の甘味な魅惑 Doux charmes du printemps
ランベール/恋しいひとの影よ Ombre de mon amant
~休憩~
J・S・バッハ/無伴奏チェロ組曲第3番~プレリュード、サラバンド、ブーレー
ストロッツィ/もいあなたがそう望むなら、私はそれで構わない
ストロッツィ/恋するエラクレイト「恋する人たちよ聞いておくれ」
ストロッツィ/わが涙
フォンス・ムジケ Fons Musicae
ソプラノ/ドロテー・ルクレール Dorothee Leclair
バロック・チェロ/レア・ラヘル・バーダ Lea Rahel Bader
テオルボ/今村泰典

ソプラノのドロテー・ルクレールのビブラートを付けない強く美しい歌声と今村泰典さんのリュートの一種テオルボとバロック・チェロのレア・ラヘル・バーダが奏でるバロック音楽は、このサロンコンサートにぴったりでした。 演奏しているフォンス・ムジケ自身も目をキラキラさせて驚いていたようなそんな雰囲気でした。

アンコールは、〝枯葉〟、このエスプリ・フランセにふさわしい曲です。

サルビアホール クァルテットシリーズ

サルビアホール クァルテットシリーズは9月から10月初めに連続して3回演奏されました。どれも注目のクァルテットばかりです。

10月4日(水)

サルビアホール 第84回 クァルテットシリーズ
クァルテット・ドビュッシー

1990年フランスのオーケストラで活動するメンバーによって結成。
’93年にはエヴィアン(現ボルドー)国際弦楽四重奏コンクールで大賞を得ました。

ショスタコーヴィチ/弦楽四重奏のための「エレジー」
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第11番作品95「セリオーソ」
ショスタコーヴィチ/弦楽四重奏曲第7番作品108
~休憩~
ラヴェル/弦楽四重奏曲
クァルテット・ドビュッシー

全員がオレンジと赤の混じったようなシャツを着て現れて、別にフランス的とは感じなかったんですが、ショスタコーヴィチのエレジー、ベートーヴェンの「セリオーソ」ショスタコーヴィチ7番、ラヴェルと進んで、アンコールになった時、最初はモーツァルトのレクイエムから、もう1曲〝ジャズ〟というと、4人ともまったくそれまでとうって変わってダンディーなフランス人に変身してしまい、グレン・ミラーの〝ムーンライト・セレナーデ〟を舞台から降りて弾きスイングし始めました。びっくりです!ジャズ・プレイアーよりうまい!
なので、それまでの演奏のことは飛んでしまいました。
クァルテット・ドビュッシーのホームページも、とてもアクティブで現代的です。見てください。

9月29日(金)

サルビアホール 第83回 クァルテットシリーズ
べネヴィッツ・クァルテット

1998年にプラハ音楽院にて著名なヴァイオリニスト、アントニン・ベネヴィッツの名を冠して結成。
05年には、大阪国際コンクールで、08年には、パオロ・ボルチアーニ賞国際コンクールそれぞれ優勝した。

シューマン/弦楽四重奏曲第3番イ長調作品41-3
マルティヌー/弦楽四重奏曲第3番
~休憩~
ドヴォルザーク/弦楽五重奏曲第2番ト長調作品77
べネヴィッツ・クァルテット
コントラバス/イジー・ローハン Jiri Rohan

シューマンの最初の1音からこれはうまいと思わせる演奏。
マルティヌー(1890-1959)はチェコの作曲家で、この曲は1929年パリ時代に作られたものでドビュッシーの影響を受けている面白い曲。

後半は、コントラバスのローハンを加えてドヴォルザークの弦楽五重奏2番。
低音が加わるとこんなにも重厚感と、音が広がるものかと思わされます。
アンコールは、五重奏の2楽章スケルツォの部分ともう一つ、~ 夏が来れば思い出す、はるかな尾瀬、遠い空~の「夏の思い出」を五重奏で!

9月26日(火)

サルビアホール 第82回 クァルテットシリーズ
ロンドン・ハイドン・クァルテット

ロンドンから話題のピリオド楽器のクァルテットで、ハイドンのピリオド演奏の理想を追求するために2000年に結成された。ロンドン・ハイドン・クァルテットの演奏。

ハイドン/弦楽四重奏曲第37(45)番ハ長調作品50-2
ハイドン/弦楽四重奏曲第44(59)番ホ長調作品54-3
~休憩~
モーツァルト/クラリネット五重奏曲イ長調K.581
ロンドン・ハイドン・クァルテット The London Haydn Quartet
クラリネット/エリック・ホープリッチ Eric Hoeprich

ピリオド奏法のハイドンの次は、ピリオド・クラリネット奏者のエリック・ホーブリッチ自身が製作したバセット・クラリネットの、モーツァルトのクラリネット五重奏曲は、ふわっとなめらかなクラリネットの音色がホールを包みました。

映画「日の名残り」原作 カズオ・イシグロ

10月6日(金)

ノーベル文学賞をもらった、カズオ・イシグロさんが原作の映画「日の名残り」(1993)をアマゾンプライムで観ました。

監督:ジェームズ・アイヴォリー
原作:カズオ・イシグロ

アンソニー・ホプキンス
エマ・トンプソン
ヒュー・グラント

日系の英国作家カズオ・イシグロのブッカー賞をもらった「THE REMAINS OF THE DAY」「日の名残り」をもとに「眺めのいい部屋」のジェームズ・アイヴォリー監督が、侯爵に忠実な執事を描いた作品。
2017年のノーベル文学賞にカズオ・イシグロ氏(62才)が選ばれたので、彼の作品が本屋さんでも仕入れるのが大変だと聞きます。
それで、前に観たことがある映画「日の名残り」をアマゾンプライムで鑑賞しました。
英国俳優がたくさん出ているので懐かしくもあり、落ち着いたイギリスの風景も楽しむことが出来ましたが何と言っても原作者が日本人だとわかって見直すと、なんと日本的なんでしょう、もどかしいほど日本的なドラマです。
イシグロ氏の翻訳書も読んでみたい!(すべて英語で書かれているとのこと)

 

 

フランス凱旋門賞に高畑充希さんの姿が

10月5日(木)

10月1日にフランスの競馬、凱旋門賞がパリ近郊のシャンティィ競馬場で18頭が出走して行われ、エネイブルが優勝、日本の馬、サトノダイアモンドは15着、サトノノブレスは16着に終わりました。
何故だか、日本の高畑充希さんの映像が映っていましたよ!

日本フィル 第330回横浜定期演奏会

9月23日(土)

シーズン始まりは、小林研一郎さんの名曲の数々です。

メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲
     ~休憩~
ドヴォルザーク/スラヴ舞曲第1番、第10番
スメタナ/交響詩「モルダウ」
チャイコフスキー/荘厳序曲「1812年」
 指揮/小林研一郎
 ヴァイオリン/木嶋真優
 コンサートマスター/千葉清加
 フォアシュピーラー/齋藤政和
 ソロ・チェロ/辻本玲

名曲をレクチャー付きで演奏をする、なのでマイク付きです。
メンデルスゾーン、ソロは、木嶋真優さん、ゆっくり目の演奏です。
「スラヴ舞曲」も「モルダウ」も「1812年」も名曲中の名曲、
コバケンパワーが炸裂します。

アンコールはドヴォルザークの「ユーモレスク」、この曲を人生に例えて初めはゆっくりそして成人になってロマンチックな広がりと、ユーモアとは全然違うコバケン解釈でした。

渡辺玲子 ヴァイオリン・リサイタル

9月19日(火)

第365回 鵠沼サロンコンサートは、渡辺玲子さんのヴァイオリン・リサイタル

フランスのフィガロ紙は渡辺玲子について「彼女は全曲を通じ、文句のつけようのないほど見事であり、その光あふれる音色と、一種言葉にできないような魅力が全曲を通じ、疑いをはさむ余地のない優美さに輝いていた」そしてワシントン・ポスト紙は、「身についた優美」と絶賛した。

このように世界的に称賛されている渡辺玲子さんですが、収容人数60人という鵠沼サロンコンサートでは、トークを交えながらフレンドリーで楽しいリサイタルをしてくれました。

R.シュトラウス/ヴァイオリン・ソナタ変ホ長調
~休憩~
パガニーニ/ロッシーニの「モーゼ」の「汝の星を散りばめた玉座に」による幻想曲
クライスラー/ウィーン奇想曲
R.シュトラウス/「ばらの騎士」ワルツ(プリホダ編)
バルトーク/ルーマニア民族舞曲
ラヴェル/フォーレの名による子守歌
ラヴェル/ツィガーヌ
ヴァイオリン/渡辺玲子
ピアノ/坂野伊都子

前半は、R.シュトラウスのヴァイオリン・ソナタ
後半は、小品の解説をしながら、例えばパガニーニは、どうやって演奏で女性を虜にしたんだろうとか、渡辺のヴァイオリン、グァルネリ・デル・ジュスは低音が魅力とのことで、パガニーニの曲はG線だけを使って弾き、鵠沼サロンの部屋中がG線の重く深い響きに包まれるとか、渡辺玲子さん自身の魅力と頭の回転の良さであっという間に数時間が経ってしまいました。

アンコールはショスタコーヴィチの3つの幻想的舞曲から第1曲、そしてエルガーの「愛の挨拶」は、とろけるような優しさに包まれました。

次のレクチャーコンサートに行こうかな、なんて気になりました。

広上淳一と京都市交響楽団

9月18日(月)

2014年度第46回サントリー音楽賞を受賞した広上淳一さんと京都市交響楽団の演奏会、もちろんサントリーホールです。
京都で、2015年のスプリングコンサートのときに受賞のことを聴きましたが、広上京響を聴くために何度も京都へ足を運んだ私たちにもうれしい今回の東京凱旋公演です。

武満徹/フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム
~休憩~
ラフマニノフ/交響曲第2番
管弦楽/京都市交響楽団
指揮/広上淳一
打楽器/中山航介、宅間斉、福山直子、大竹秀晃、高橋篤史
コンサートマスター/会田莉凡(客演コンサートマスター)
フォアシュピーラー/泉原隆志

凱旋公演にふさわしい初めは武満徹の曲、5人の打楽器奏者が中心の
From Me Flows What You Call Time という題がついていて、
(微風/独奏者たちの登場、予感、高原、環状の地平線、風が吹く、予感、
蜃気楼、ひるがえる風の馬、約束の土地、生の歓びと悲しみ、祈り)  という副題もついている。
5を重要なキーナンバーとしていて、曼荼羅の5色、打楽器奏者が操るリボンとポケットのハンカチの色は、チベットの「風の馬」と呼ばれる一種の占いと関わっている。5本のリボン(青、赤、黄、緑、白)が、左右のライトの部分から舞台へ垂れ下がっているのはとても面白い。
珍しい曲を味わった後には、ラフマニノフの2番で、中身の濃い素晴らしい演奏でした。
アンコールはモーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプスをチャイコフスキーが管弦楽にアレンジしたもの。

バッティストーニのヴェルディ「オテロ」

9月10日(日)

バッティストーニ指揮のヴェルディ「オテロ」演奏会形式 オーチャードホールにて

昨年10月から東フィルの首席指揮者に就任したバッティストーニ、昨年は「イリス」を演奏会形式で上演し、今年は、「オテロ」です。

ヴェルディ/歌劇「オテロ」(演奏会形式)
管弦楽/東京フィルハーモニー交響楽団
指揮/アンドレア・バッティストーニ
映像演出/ライゾマティクスリサーチ
オテロ/フランチェスコ・アニーレ
デズデーモナ/エレーナ・モシュク
イアーゴ/イヴァン・インヴェラルディ
ロドヴィーコ/ジョン・ハオ
カッシオ/高橋達也
エミーリア/清水華澄
ロデリーゴ/与儀巧
モンターノ/斉木健詞
伝令/タン・ジュンボ
合唱/新国立劇場合唱団(合唱指揮/冨平恭平)
児童合唱/世田谷ジュニア合唱団(合唱指揮/掛江みどり)

アンドレア・バッティストーニは、1987年ヴェローナ生まれの30歳で、現在最も注目されている指揮者です。
アリアは聞いたことがありましたが、オペラとしての「オテロ」を聴いたのは初めてで、やはりヴェルディにかかるとシェイクスピアも負けそうと思えるくらいの迫力ですね。
とにかくイアーゴが主役じゃない?と思えるほど強力で、イヴァン・インヴェラルディさん素晴らしかった。
オテロ役のフランチェスコ・アニーレさん、「イリス」でも出演していましたが少し声がかすれたかな、後半は乗ってきましたが、最後死ぬ時はかすれ声がちょうどよかった。
デスデモーナ役のエレーナ・モシュクさんも素敵、日本にたくさんのファンがいるらしく女性からのブラーボが多い。
オペラの「オテロ」凄いな! イギリス作家シェイクスピアの陰湿な悲劇がこんなにもドラマティックになるんですね。

来年の秋にはバッテイストーニ指揮で、札幌文化芸術劇場がこけら落とし公演ヴェルディ「アイーダ」を上演し、その後神奈川県民ホール、兵庫県立芸術文化センター、大分・iichiko総合文化センターでも上演されるらしいです。

日フィル・第693回 東京定期演奏会

9月8日(金)

9月サントリーホールの改修後の日フィル演奏会は、首席指揮者の山田和樹さん

ブラッハー/パガニーニの主題による変奏曲
石井眞木/遭遇Ⅱ番作品19(日本フィル・シリーズ第23作)
~休憩~
イベール/交響組曲「寄港地」
ドビュッシー/交響詩「海」
指揮/山田和樹
雅楽/東京楽所(とうきょうがくそ)
コンサートマスター/扇谷泰朋
フォアシュピーラー/千葉清加
ソロ・チェロ/菊地知也

今回は「異なるものの出会い」としてエストニア出身のドイツ人の息子として遼東半島の付け根に生まれたボリス・ブラッハーとその弟子である石井眞木の作品。
ブラッハーは、パガニーニの奇想曲24番のテーマを16の異なった視点で眺めるモダンな変奏曲で、
石井眞木は、日本フィルの委嘱作品ですが、管弦楽曲と雅楽合奏を同時に演奏し、どちらが先に演奏し始めてもいい指揮者の意向で変化するチャンス・オペレーション作品という面白い曲。
雅楽奏者が10人ばかり舞台右手前に座って、管弦楽と合奏する。
あと、イベールの「寄港地」とドビュッシーの交響詩「海」
今回隠れテーマは、ジャズということで、珍しい作品を聴くことが出来ました。

読響 第571回 定期演奏会

9月6日(水)

朝晩は少し過ごし易くなってきたようなこの頃、秋の演奏会シーズンがやってきました。今日はギドン・クレーメルのヴァイオリン演奏が聴けます。

ヴァインベルク/ヴァイオリン協奏曲ト短調作品67(日本初演)
~休憩~
ショスタコーヴィチ/交響曲第4番
指揮/ヤツェク・カスプシク
ヴァイオリン/ギドン・クレーメル
コンサートマスター/荻原尚子
フォアシュピーラー/長原幸太

指揮者がポーランドのヤツェク・カスプシクで母国生まれの作曲家ヴァインベルクのヴァイオリン協奏曲を日本初演する。
ヴァインベルクは、ポーランドのワルシャワ生まれのユダヤ人で、家族はすべてナチスのポーランド侵略の時、殺されている。
ユダヤ人大好きの私ですから、興味津々。
全体にポーランド的、ユダヤ的な旋律が流れて素敵です。
初演以来誰も手を付けなかったのですが、クレーメルが近年蘇演し、にわかに脚光を浴びている、そのクレーメルです。
アンコールは同じヴァインベルクの24の前奏曲集から第4曲と第21曲、チェロのために書かれた無伴奏の曲をヴァイオリンで弾きました。なんとショスタコーヴィチのチェロソナタそっくりの部分もあり、何とも複雑なヴァインベルクとショスタコーヴィチとクレーメルの関係ですこと。
後半はショスタコーヴィチの交響曲4番です。
読響パワー全開の大音響の演奏でした。

第8回 チェルトの森 アフタヌーン・コンサート

8月5日(土)

8月初めの土・日は、このところ毎年、蓼科高原チェルトの森「むさし庵」にてQ・エクセルシオの演奏会が開かれています。
演奏会ついでに爽やかな高原の空気をいっぱい吸って、朝市で新鮮な野菜を買い、吐竜の滝でマイナスイオンを浴びてきました。

曲目は、

モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲
ボロディン/弦楽四重奏曲第2番ニ長調
~休憩~
ヴィヴァルディ/協奏曲集「四季」より春と夏
ピアソラ/「ブエノスアイレスの四季」より秋と冬

 

 

土曜日のプログラムは、ボロディンやヴィヴァルディ、ピアソラなど楽しい曲ばかりで、ヴィヴァルディの四季では窓から雷の音が本当に聞こえてきたと大友君が言っていました。

高原ならではの演奏会、アフター・コンサートでは、ワインとおつまみが振る舞われて、また仲間が増えました。

 

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