フェスタサマーミューザ2008オープニング

7月19日(土)
フェスタサマーミューザ2008開幕です。
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今日オープニングは、ファンファーレも公開リハーサルもあったようですが、我々は夜7:00から出掛けました。      
                東京交響楽団オープニング・コンサート
         「ダンス、ダンス、ダンス! 開幕を飾る華やかな舞曲」
         ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」
         ヴィラ=ロボス/ブラジル風バッハ第2番~舞曲“Memory of the desert”
         ブラームス/ハンガリー舞曲第1番
         ドヴォルザーク/スラヴ舞曲第8番 作品46-8
         ビゼー/組曲「アルルの女」~メヌエットとファランドール
                     ~休憩~
         ヨハン・シュトラウス/ワルツ「春の声」
         バーンスタイン(ペレス編)/ミュージカル「ウェストサイド・ストーリー」序曲
         ハチャトゥリアン/「ガイーヌ」~剣の舞、ゴパック、レズギンカ
             指揮とお話/大友直人
             コンサートマスター/グレブ・ニキティン
日本人の指揮者で最もスマートな大友直人さん、奥様も両方とも素敵ですね。
マイクを持って曲目解説しながら演奏です。
もう楽しい音楽ばかりですから、ほとんど満席で、子供の姿も沢山ありました。
今日からフィナーレの8月9日までこの暑さをクラシック音楽で乗り切りましょう。

7月最後の広上演奏会

7月16日(水)


日本フィル特別演奏会に行って来ました。@文京シビックホール

 グリンカ/歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
   チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲
 ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」
 日本フィルハーモニー交響楽団
   指揮/広上淳一
  ヴァイオリン/ボリス・ベルキン

7月広上さん指揮最後の演奏会です。
共立女子高等学校の芸術鑑賞講座にチャッカリ入り込みました。
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲をベルキンさんが弾き終え、休憩が入って、
〝先ほどのヴァイオリンはガダニーニと言ってお家が一軒買えるほどのお値段です〟
〝そして弓は、車が一台買えるくらいです〟と広上さん。
ベートーヴェンの「田園」は、「小川のせせらぎ」
「ナイチンゲールとうずらとカッコウ」フルート、オーボエ、クラリネット
「あらし」の部分を面白く説明の上演奏し、
ゆったりとしかも緊張感の途切れることのない素晴らしい演奏でした。
アンコールは、グリークのホルベルク組曲の中の「ガボット」。
帰りにお茶をしようと「ヴェロ-チェ」に寄り、

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〝今日、グリークもよかったね〟と言うと、
グリークの生家に行きたい〟とこのごろいつも一緒のK嬢が言い出し、
行こう!行こう!となっていつの間にやら近くにある岡埜栄泉の豆大福を買って来てくれました。
いつもいつも有難うございます。っとここでお礼を!

日フィル・広上「東京定期演奏会」

7月11日(金)・12日(土)    サントリーホール


7月11日(金) 夜7:00~9:00  
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夜のアークヒルズ
  曲目
武満徹/3つの映画音楽

プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第2番
    ~休憩~

ショスタコーヴィチ/交響曲第12番「1917年」
    指揮/広上淳一
ヴァイオリン/ボリス・ベルキン
コンサートマスター/扇谷泰朋
フォアシュピーラー/江口有香

広上・日フィル東京定期演奏会11日、12日両日とも行って来ました。
武満作品は、3つの映画音楽。
訓練と休息の音楽ー「ホゼー・トレス」より  ボックサーを扱ったドキュメント作品。
葬送の音楽ー「黒い雨」より
ワルツー「他人の顔」より  前田美波里さんがドイツ語で歌ったこのワルツは、まるでシャンソンのよう
だったらしい。 私は、ショスタコのジャズ風ワルツにうらびれたところが似
ているように感じましたが。
60才になるベルキンさんのプロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲第2番は、超絶技巧を難なくやってのけてしまいます。
最後のショスタコーヴィチ第12番「1917年」は、初めて聴きましたがすごいです。
この曲は愚作と言われたらしいですが、広上さんと言う天才にかかると、愚作と言われた作品も
本当の姿が現われる。
この曲を解説するととっても長くなるけれども、この曲を書いた時には、レーニンもスターリンも
既に死んでいたんですね。
戦争に対するいろんな気持ちが含まれているのです。
そして今夜は、いつもの連中と、アークヒルズ内の「トゥーランドット」
中華なのに食器は、リチャード・ジノリです。あまり綺麗なので、カメラに収めました。
大皿と、おいしい 凍頂烏龍茶(とうちょううーろんちゃ)の入ったティーポットとティーカップ


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  XO醤のオムライス               五目焼きそば


などを食べていたら、指揮者の広上さんヴァイオリニストのベルキンさんヴァイオリニストの米元響子さん
ピアニストの河村尚子さんが現われ、こちらにも日フィルの関係者がいるものだから〝やーやー〟となって広上さんに握手までしてもらい、
今日は本当に良い一日でしたっと・・・。
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7月12日(土) 昼2:00~4:00 
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 昼のアークヒルズ  カラヤン広場
お昼のサントリーで、昨日の復習です。


きょうは、またまたA氏とK氏、K嬢が来ていました。
広上のショスタコーヴィチを聴こうとこの二日間でいろんな人に出会いました。

日フィル・広上「横浜定期演奏会」

7月5日(土)
7月は、今日から4回広上・日フィル演奏会があります。
その幕開けですが、演奏前の聴きどころがあり、演奏中はアンコールが3曲あり、演奏が終わってからはファイナルパーティーがありと、盛りだくさんです。
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 ピアニスト 河村尚子さん

日フィル横浜定期演奏会@みなとみらいホール  

ドヴォルザーク/スラヴ舞曲第1番ハ長調作品46-1
ドヴォルザーク/スラヴ舞曲第2番ホ短調作品46-2
ドヴォルザーク/スラヴ舞曲第3番変イ長調作品46-3
ドヴォルザーク/スラヴ舞曲第10番ホ短調作品72-2
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番ト長調
      ~休憩~
ドヴォルザーク/交響曲第8番ト長調
    指揮/広上淳一
 ピアノ/河村尚子(かわむら・ひさこ)
 コンサートマスター/豊田弓乃


まず、奥田佳道さんによる今日の聴きどころ解説。  17:30~
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ベートーヴェンは、アレグロ・コン・ブリオ(生き生きと速く)
 チャイコフスキーは、曲にあるように、アンダンテ・カンタービレ(歩くような早さで歌うように)
ドヴォルザークは、アレグロ・グラツィオーソ(優美に速く)
が好きだったようです。
今日の演奏のドヴォルザークの《スラブ舞曲》10番交響曲8番3楽章が、同じアレグロ・グラツィオーソなので、注目して聴きましょうと言うことになりました。最も魅力的な部分ですね。
《スラブ舞曲》は、特にアレグロ・グラツィオーソの部分に注意して
ベートーヴェンのピアノコンチェルトは、河村尚子さんと言うドイツ育ちのピアニストの音色にうっとり
なんとアンコールが、ベートーヴェンの「エリーゼのために」とモーツアルトの「トルコ行進曲」です。
プロのピアニストのアンコールでこのニ曲は初めてです。後で聞いたんですが、この二曲ちゃんと聞かせるのは、とても大変なことらしい。
最後のドヴォルザーク8番は、楽しく聴きました。
アンコールは、《スラブ舞曲》第8番作品48の8。
そしてファイナル・パーティーでは、広上マエストロが、オーケストラをお料理に喩えてお話を・・・
(例のカップヌードルとフルコース、CDと生演奏のあれです)


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  広上マエストロとピアニストの河村尚子さん


熱狂的な広上ファンの女性(結構美人)から、〝是非わたしを指揮して欲しい〟と言われ、
〝トコトンやっていいんですか~?〟とマエストロ、〝トコトンやってください〟と美人さん
楽しい楽しい演奏会でした。
そして又、例のメンバーと桜木町の「月の雫」へ、
帰ったのは、11時過ぎでした。

梅ジュース

7月2日(水)

3週間ばかり浸けておいた「梅ジュース」が出来上がったので、試飲しています。
3~4倍に水で薄めて氷を入れて飲むか、三ツ矢サイダーで割るとお~ぃしい!
次のびんの中にも「梅ジュース」が出来つつあります。

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  ☆    梅は、洗って拭きビニール袋に入れて24時間程冷凍庫に入れておきます。

梅、1kに対して  氷さとう・・・1k 又はハチミツ・・・840g
酢・・・900ml
とレシピには書いてありますが、わが家は「さとう」も「酢」も、ず~っと控えめにしています。
梅、1kに対して  氷さとう・・・800g
酢・・・200~300ml

今年は「梅ジュース」を、ギフトにしました。
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こんな感じで、中に「たねや」の水羊羹をいれたり、手ぬぐいハンカチを入れたりしています。
わが家にいらした方には、まずこの「梅ジュース」を一杯です。
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オペラ「ナクソス島のアリアドネ」

6月28日(土)
リヒャルト・シュトラウスのオペラは、行く前からわくわくします。
3月に横浜での「ばらの騎士」以来ですが、今回は東京文化会館にて。

東京二期会オペラ公演「ナクソス島のアリアドネ」
           アリアドネ    佐々木典子
           バッカス     高橋 淳
           ツェルビネッタ  幸田浩子
           作曲家      谷口睦美
           演出       鵜山 仁
           指揮      ラルフ・ワイケルト
           演奏       東京交響楽団

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今度も、一幕のツェルビネッタのアリア「偉大なる女王様」が聴きたくて来ました。
今回は、バッカス役の高橋 淳さんの響いて伸びのある声が、すばらしかったし、
佐々木典子さんのアリアドネも風格がありました。
そして作曲家役の谷口睦美さん序幕でとっても光っていました。
ツェルビネッタについては、2002年新国立で「ナクソス島のアイアドネ」の時もツェルビネッタは幸田浩子さんで、こんな歌手がいるの?ってびっくりしたのを覚えています。
しかしまだまだ上はあるようで、1980年ベーム、ウィーン・シュターツ・オパー、若きグルベローヴァで、日本公演をした時は、すごかったようです。
あとMETジェームス・レバインとキャスリーン・バトル、ジェシー・ノーマンのは、LDが家にありましたから見ています。
R・シュトラウスとホフマンスタールとの組み合わせって面白いですね。
10月には、びわ湖ホールの「サロメ」を聴きに行きます。
R・シュトラウスさらに深く掘り下げようかと思っています。

フェスタサマーミューザ川崎2008

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今年も、フェスタサマーミューザ川崎の季節<2008年7月19日(土)~8月9日(土)>がやってきました。
去年も紹介しましたが、今年は少し早めにお知らせします。(http://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/
真夏の暑い季節に汗をふきふき会場にやってくると、中は涼しい避暑地の気分です。
ごめんなさいね! わが家からはゆっくり door to door で30分、もっと近い人がいますから悪しからず。
☆ 通常の演奏会よりお値段は安いし、公開リハーサルなどなどが付いて、一日中楽しめます。
☆ 何よりもミューザ川崎ホールの音響がよく、2階 3階の方が音がよい。
☆ 首都圏の9つのオーケストラが全て聴けます。
☆ 「こどもフェスタ」は家族みんなで楽しめます。
☆ 近くに屋根続きで『ラゾーナ川崎』があるし、『ミューザ川崎』のビルにもレストランがあり、確か割引が効いたと思います。
今年ちょっと気がついたことは、後半3公演は、ラフマニノフのピアノが聴けることです。

♪ 8月5日(火)東京フィルハーモニー交響楽団
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 尾高忠明    小山実稚恵
ラフマニノフのみのプログラムでピアノは「パガニーニの主題による狂詩曲」

♪ 8月6日(水)日本フィルハーモニー交響楽団
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沼尻竜典     若林 顕
ラフマニノフのピアノ協奏曲 第3番

♪ 8月9日(土) 東京交響楽団
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ユベール・スダーン  小川典子

ラフマニノフのピアノ協奏曲 第2番
ピアニストは、小山実稚恵さん、若林 顕さん、小川典子さんとトップレベルです。
お徳なセット券は、6月30日までですから急いでね。
詳しいことは、ホームページを見て下さい。

銀座でお買い物

6月19日(木)


旅行中に足を挫いてしまい、そろそろ日常はヒールを止めて、スニーカーをと思い、いつもスッキリ履きこなしている
太極拳の先生に聞いてみたら、〝これ『アディダス』〟と自分のスニーカーを履かせてくれました。〝ほら銀座の『ファンケル』の近くにあるわよ!チョッと行くと『シャンハイ・タン』もあるし〟と言うわけで直ぐ次の日に行きました。
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 シャンハイ・タンのシルクのブラウス       アディダスのスニーカー

う~ん全然合わない取り合わせですね。ブラウスには何か光沢のあるパンツが必要。
スニーカーには、カジュアルな・・・。
課題が残ります。
☆ シャンハイ・タン 銀座    東京都中央区銀座5-6-16
TEL: 03-3569-8801

東京フィルハーモニー定期演奏会

6月13日(金)        東京フィルハーモニーサントリー定期演奏会
ダンー4
 ダン・エッティンガー

ワーグナー/歌劇「タンホイザー」序曲
シューベルト/さすらい人幻想曲(リスト編)
~休憩~
リスト/ファウスト交響曲
指揮/ダン・エッティンガー
ピアノ/小川典子
テノール/成田勝美
合唱/新国立劇場合唱団
コンサートマスター/荒井英治
先ず、指揮者のダン・エッティンガーさん金髪で背が高くガッチリして、まるでアニメのヒーローのようです。
数十分の休憩時にも着替えて、次の70分以上の「ファウスト交響曲」のためにリラックスしていると言っていました。

シューベルトのピアノソロ曲「さすらい人幻想曲」があまりにも難しいので、リストがオケ用に編曲した。
小川さんこの曲初めてなのよと言いながらも、見事でした。
多分アンコールは、予定していなかったのでしょうが、エッティンガーさんの強い要望で、「ラ・カンパネラ」
彼女のテーマ曲です。
〝皆帰りが遅くなっちゃうじゃない、でも神業、速く弾かなきゃ、でも神業〟なんて感じかしら。
エッティンガーさんのリスト「ファウスト交響曲」身体と同じようにガッチリして、飽きさせません。そしてアニメのヒーローのようによく動きます。
本当、面白かった。

晴海のお祭り演奏会 ボロメーオ・ストリング・クァルテット

6月8日(日)

ボロメーオー11
晴海、第一生命ホールでのボロメーオ・ストリング・クァルテット演奏最終日です。

曲目
シューベルト/弦楽四重奏曲第12番「四重奏断章」
シューマン/弦楽四重奏曲第1番作品41-1
~休憩~
メンデルスゾーン/弦楽八重奏曲
クァルテット・エクセルシオ
ボロメーオ・ストリング・クアルテット
このフェスタ全6日の内、4日間を聴きました。
今日は、初めのシューベルトと最後の八重奏は、エクセルシオが参加です。
この4人とても印象的で、
ニコラス・キッチンさん Vn1 : ゴールドベルクさんからのグァルネリが響きます。
クリストファー・タンさん Vn2:  タンさん何処の国でしょうか?表情が面白い。
元渕 舞さん Va    日本の関西の人らしい体格も音も大きくて厚味があります。
イーサン・キムさん Vc  韓国の人、大好きなチェロの音です。深みがあって憂いがあって。
そして、演奏が終わるとホワイエにそれぞれの子供たちが集まってきます。
舞さんのお子さんは、ご主人が欧米系かなと思われる顔。
キムさんのお子さんは少し大きくてやはりご主人は、欧米系かなと思われる顔。
二人とも可愛い男の子。
あと面白いのが、エクセルシオのチェロの大友さん、大友さんをそのまま小さくしたような男の子が3人
お手伝いをしていました。
帰りに、晴海トリトンの雑貨屋さんで、傘を買い梅雨に備えます。
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築地・月島あたりもお祭り。
品川神社もお祭り。
この演奏会もお祭り(フェスタ)。
次はいつ 『ボロメーオ』 に会えるのかな?

あら まあ 大変!「駅夫日記」

夢二の絵、「駅夫日記」口絵より 目黒村            「駅夫日記」口絵より プラットホーム
夢二52 夢二51
「駅夫日記」最後の最後に蛇窪村が出てきて面白い。
でもでも嘘のような本当の話は、これからなんですね!
読み返される人は、カテゴリーで、「小説」を押してください。
「駅夫日記」その6 高谷千代子の通っていた「窮行女学院」というのは今の「実践女子学園」、
「華族女学校」というのは今の「女子学習院中等部」、校長の望月貞子というのは、歌人で、校長の下田歌子。
作者は、本当にその少女に恋をしたらしい。
そして法学士と結婚することになった彼女に迷惑がかからない様にと、見たこともない高谷千代子と言う、同じ女学校を卒業した当時芸妓をしていた人の実名を書いた。
千代子と言う芸妓は、この小説のためにとんだ売れっ子になって、世間から騒がれた。
一方で、法学士と結婚した彼女は、あまり幸福ではなかったらしい。「駅夫日記」が単行本として世にでたころには、一人男の子がいたにもかかわらず、家出をして千代子の住んでいた所に逃げ込み、離婚が成立した頃に、芸妓として花柳界に出たと言う。
これ本当の話「新興文学全集」第9巻に作者自身が書いています。

白柳秀湖「駅夫日記」その25

夢二の絵は、セレナーデ 楽譜。

夢二50

その二十五
品川の海はいま深い夜のもやに包まれて、愛宕山あたごやまに傾きかけたかすかな月の光が、さながら夢のように水の面を照している。水脈みおいましめる赤いランターンは朦朧ぼんやりとあたりの靄に映って、また油のような水に落ちている。
四月一日午後十一時十二分品川発下の関直行の列車に乗るために小林浩平と私は品川停車場のプラットホームに、新橋から来る列車を待ちうけている。小林は午後三時新橋発の急行にしようと言うたのを、私は少し気がかりのことがあったので、強いてこの列車にしてもろうた。
「もう十五分だ」と小林はポケットから時計を出して、角燈ランプの光に透かして見たが、橋を渡る音がしてやがてプラットホームに一隊の男女が降りて来た。
私たちの休んでいる待合の中央の入口から洋服の紳士が、靴音高く入って来た。えならぬ物のかおりがして、花やかなすそ灯影ほかげにゆらいだと思うとその背後から高谷千代子が現われた。
言うまでもなく男は蘆鉦次郎だ。
見送りの者は室の外に立っている、男は角燈の光に私たちの顔を透かして突き立ったが、やがて思い出したと見えて、身軽に振り向くとフイとプラットホームに出てしまった。
はたして彼は私たちを覚えていた。
取りのこされた千代子は、ややうろたえたがちょいと瞳を私にうつすと、そのまま蘆の後を追ってこれもプラットホームに出る。佳人の素振りはかかる時にも、さすがに巧みなものであった。
「見たか?」と小林はニッコリ笑って私の顔をのぞいたが「にらんでやったぞ!!!」と言う。私はさすがに見苦しい敗卒であった。よもや蘆がこの列車に乗ろうとは思わなかった、この夜陰に何という新婚の旅行だろう、私はあらゆる妄念の執着を断ち切って、新しい将来のために、花々しい戦闘の途に上る、その初陣ういじんの門出にまでも、怪しい運命の糸につき纏われて、恨み散り行く花の精の抜け出したような、あのひとの姿を、今ここで見るというのは何たることであろう。
潮が満ちたのであろう、ゆるく石垣に打ち寄せる水の音、恐ろしい獣が深傷ふかでにうめくような低い工場の汽笛の声、さては電車の遠く去り近く来たるとどろきが、私の耳には今さながら夢のように聞えて、今見た千代子の姿が何となく幻影のように思いなされた。
「おい、汽車が来たようだよ」という小林の声に私は急いで手荷物を纏めてプラットホームに出た。
いつの間に来たのか乗客はかなりにプラットホームに群れている。蘆の姿も千代子の姿もさらに見えない、三等室に入って窓の際に小林と相対あいむかってすわった。一時騒々しかったプラットホームもやがて寂寞ひっそりとして、駅夫の靴の音のみ高く窓の外に響く、車掌は発車を命じた。
汽笛が鳴る……
煙の喘ぐ音、蒸汽の漏れる声、列車は徐々として進行をはじめた。私はフト車窓から首を出して見た。前の二等室から、夜目にも鮮やかな千代子の顔が見えて、たしかに私の視線と会うたと思うと、フト消えてしまった。
急いで窓を閉めて座に就くと、小林は旅行鞄の中から二個ふたつの小冊子を出して、その一部を黙って私に渡した。スカレット色の燃えるような表紙に黒い「総同盟罷工ゼネラルストライキ」という文字が鮮やかに読まれた。小林の知己しりびとでこのごろ政府からひどく睨まれている有名な某文学者の手になった翻訳である。一時京橋のある書肆しょしから発行されるという評判があって、そのまま立消えになったのが、どうしたのか今配布用の小冊子になって小林の手にある。巻末には発行所も印刷所も書いてない。
汽車は今追懐おもいでの深い蛇窪村の踏切を走っている。
(駅夫日記終)