カンブルラン・読響

11月29日(月)
シルヴァン・カンブルラン 読響の11月定期は、ドビュッシー、コルンゴルト、マーラー、シューマンと盛りだくさんですが、コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲が目玉でしょうか。
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ヴァイオリニスト  ヴィヴィアン・ハーグナー
ドビュッシー(コンスタン編曲)/「ペレアスとメリザンド」交響曲
コルンゴルト/ヴァイオリン協奏曲
~休憩~
マーラー(ブリテン編曲)/野の花々が私に語ること(交響曲第3番第2楽章)
シューマン/交響曲第4番(第1稿)
指揮/シルヴァン・カンブルラン
ヴァイオリン/ヴィヴィアン・ハーグナー
コンサートマスター/藤原浜雄
フォアシュピーラー/小森谷巧
カンブルランが常任指揮者として最初に提示した、3つの「ペレアスとメリザンド」 最後はドビュッシーで、ドビュッシーのオペラを演奏会用交響曲に直したもの。
次のコルンゴルトは、20世紀映画音楽の開祖となった人で、10歳でマーラーに才能を認められ、ツェムリンスキーに学びハリウッド音楽の巨匠となった。 このヴァイオリン協奏曲は、1945年の夏に着手し、秋には完成する。作家ヴェルフェルの葬儀に妻アルマ・マーラー・ヴェルフェル(マーラーの元妻)に捧げられた。ヴァイオリニストのヴィヴィアン・ハーグナーは、まるでハリウッド女優のような身のこなしと切なさで、ヴァイオリンを弾き始め、それ以上に繊細な技巧で、観客を引っ張ってゆく。 彼女は、ミュンヘン生まれだそうで、また魅力的な人を見つけてしまった。曲もまたしかりで、ハリウッド映画の素材が多く用いられている。
マーラーの「野の花々が渡しに語ること」は、マーラーの長くて有名な第3交響曲をブリテンが小編成で短くしたもの。
最後のシューマンの4番は、これもいつもの4番と違う、第1稿なので、カンブルランさんちょっと捻った選曲がお好きかな?
と思われる今日の演奏会でした。

我が家でMETライブビューイング

11月23日~NHKBSハイビジョンで「華麗なるメトロポリタンオペラ」4夜連続放送がありました。
うちのテレビは、TANNOYのTurnberryというスピーカーからも音が出せるので、映画館のMETライブビューイングの
音響とほぼ同じ環境で聴けます。

11月23日 「トスカ」プッチーニ

トスカ

11月24日 「アイーダ」ヴェルディ

アイーダ
11月25日 「トゥーランドット」プッチーニ
トウーランドット
11月26日 「ホフマン物語」オッフェンバック
ホフマン物語
「トスカ」と「ホフマン物語」は映画館で観ましたので復習といった感じかしら。
「アイーダ」と「トゥーランドット」は初めて、「アイーダ」はソニア・フリゼルの演出、「トゥーランドット」は、フランコ・ゼッフィレリの演出です。
やはりMETはいいですね。 でも毎日フランス料理のフルコースを食べているみたいで、本当贅沢ですね!
お菓子を食べながら、お茶を飲みながら、台所をしながら、うとうとしながら?
当分の間は、ハードディスクの中に入っているので、うとうとしていたところは観直しです。
オペラは、少々高い料金を払って緊張して観るのが良いように感じましたです。

今日は、二の酉、おとりさま

11月19日(金)
今日は二の酉、浅草の鷲神社(おおとりじんじゃ)に行きました。
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この辺りからだとスカイツリーもとても近いので〝五重塔とスカイツリー〟などという風景も可能です。
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浅草寺を抜けて、花やしきを通り国際通りをゆくと鷲神社に着きます。
運をかき集める熊手を売っているんですが、千客万来、家内安全、商売繁盛、大入とかいろいろ書いてあります。

疲れて喫茶店に入り、カレーセット、ピザトーストセットなどを頼んで、週刊誌を読んでいると何か最近では、やっていな
い懐かしい感じ、この頃喫茶店というのは少ないからかな?

METライブビューイング「ボリス・ゴドゥノフ」

11月15日(月)
METのオペラ「ボリス・ゴドゥノフ」を109シネマズ川崎で見てきました。
ムソルグスキーの作曲ですが、もともとはプーシキン原作らしいです。
おどろおどろしい政治劇なので、敬遠していたのですが、主人が是非にというものですからね!
指揮はかの有名なゲルギエフ、はじめて『愛』をテーマにしないオペラという感じです。

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   ボリス・ゴドゥノフ/ルネ・パーぺ
マリーナ/エカテリーナ・セメンチュック
グレゴリー/アレクサンドルス・アントネンコ
ピーメン/ミハイル・ぺトレンコ
シュイスキー/オレグ・バラショフ
ランゴーニ/エフゲ二ー/ニキーティン
ヴァルラーム/ヴラディミール・オグノヴェンコ
聖愚者/アンドレイ・ポポフ
指揮/ヴァレリー・ゲルギエフ
演出/スティーヴン・ワズワース

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新演出ですが、ワズワースの演出はポイントにロシアの絢爛豪華さを持ってきており、簡潔で豪華といえましょうか。ボリス役のルネ・パーペはドイツ人ですが、あとはすべてロシア人、合唱はMETですので、ロシア語の訓練は大変だったようです。
実在の皇帝ボリス・ゴドゥノフが題名になったオペラで、正当な皇位継承者を殺害して皇帝となったボリスの苦悩と、権力闘争に取りつかれた人間の野望が民衆の苦悩と相まって繰り広げられる血みどろの劇なんですが、ボリス役のパーペのバスの魅力を堪能して、殺害されたはずの皇子ドミトリーを名乗るグレゴリーのテナーを楽しんで、ポーランドのプリンセス・マリーナの元気なアルトにパワーをもらって帰ってきました。
忘れていけないのは、群衆役の合唱がとっても素晴らしかったことですが、昨日の権力者が今日は血祭りにあげられる群衆心理は、怖~い。

日生劇場『オルフェオとエウリディーチェ』

11月13日(土)
今日は、グルック作オペラ「オルフェオとエウリディーチェ」日生劇場に行きました。指揮は広上淳一さんです。

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グルック/歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」
オルフェオ/手嶋眞佐子
エウリディーチェ/佐藤路子
アモーレ/佐藤優子
管弦楽/読売日本交響楽団
合唱/C.ヴィレッジシンガーズ(合唱指揮/田中信昭)
チェンバロ/服部容子
指揮/広上淳一
演出/高島勲
美術/ヘニング・フォン・ギールケ
振付/広崎うらん

またまた神話の世界、日本でも映像を駆使しての演出です。演出家は広上さんといつも組んでいる高島勲さん。
振り付けは広崎うらんさん、 彼女は、蜷川演劇などの振り付けや演出を手掛けており、今回も6人のダンサーが合唱団と一緒になって、歌とダンスを分けるのでなく、歌いながら自然な動きをしてゆく、古いオペラにある退屈さがまったくないやり方で面白い。ダンサーは合唱の人と一緒に動くのですが、若くて体が鍛えてあってやはり素敵です。
「ウイーン版」と「パリ版」があって、今回は「ウイーン版」でイタリア語。
オルフェオは、アルトの手嶋さんとバリトンの宮本さんのダブルキャストで、私たちは、アルトの手嶋さんの方です。
お話は、ギリシャ神話ですが、複雑な筋書きでなく単純で、リアルな感情を表現するという趣旨で書かれている。
オルフェオの妻〝エウリディーチェ〟は死んでしまい、愛の神〝アモーレ〟が現れてーあなたの竪琴と歌声で冥界の門をまもっている復讐の霊たちの怒りを鎮めなさい。そうすればエウリディーチェが取り戻せます。ただし、現世に戻る途中に妻の顔を決して見てはなりません。この掟を破ったら、彼女は、再び死の国に戻り、永遠に戻らないでしょうー
オルフェオは、出ずっぱりの歌いっぱなし、地獄から楽園にゆくと、グルックの有名な〝精霊たちの踊り〟が見られそして聴けます。 楽園で二人は出会って現世への迷路で妻の顔を見てしまいますが、試練を経て、アモーレはオルフェオの誠実さがわかったので再び生き返らせ、めでたしめでたし! というわけです。
広上さんの指揮で読響の演奏もよかったし、日本のオペラも捨てたもんじゃないですね。
そうそう、先日ベートーヴェンチクルスを指揮した飯守泰次郎さんが客席にいました。2013年には、同じ日生劇場の「フィデリオ」を指揮する予定とか、彼も大好きな指揮者の一人です。

日フィル ブルックナー8番 高関健

11月12日(金)
日フィル11月定期演奏会は、ブルックナー交響曲8番ハース版で、指揮は高関健さんです。
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ブルックナー/交響曲第8番(ハース版)
指揮/高関健
コンサートマスター/木野雅之
フォアシュピーラー/江口有香
ソロ・チェロ/菊地知也

ブルックナーはあまり得意ではないのですが、このごろの高関さん、いろんなところで注目されているので、興味津々で出かけました。 ところがこの11月12月でブルックナー8番が、4公演演奏されるそうで、重なる時には重なるものですね。
高関さんのインタビューがありますので、ご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=QnW3OjeHmJo
そして、演奏はと言うと、緊張が最初から最後まで続き本当に良い演奏でした。
何よりも、ブルックナーをよく勉強していて、たぶんとっても好きな作曲家なんだろうなと思われました。
高関さんこれから注目です。

飯守泰次郎ベートーヴェン全曲シリーズ3回目

11月11日(木)
飯守泰次郎のベートーヴェンチクルス、今日は第一番と第三番です。
もう東京オペラシティーコンサートホールは、クリスマスツリーが飾ってあります。
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ベートーヴェン/「レオノーレ」序曲第3番
ベートーヴェン/交響曲第1番(マルケヴィッチ版による)
~休憩~
ベートーヴェン/交響曲第3番(マルケヴィッチ版による)
指揮/飯守泰次郎
コンサートマスター/松野弘明
このベートーヴェンシリーズが、マルケヴィチ版ということが話題になり、たくさんの観客が関心を持って聴きに来ていて、満席状態です。
プレト-クの途中から会場に入りましたが、マエストロのベートーヴェンに対する情熱がひしひしと伝わって来る話ぶりで、係の人が時間を心配するほどでした。
作曲家としてのベートーヴェンは、当時「ちょっと奇妙なものを書く新人」だったようで、実際、彼は意識的に新しい音楽を書こうとした。
今回のマルケヴィチ版は、改革者としてのベートーヴェンの本質に立脚して、当時の楽器や演奏上の制約をふまえて作曲者の意図をくみ取り、真に表現したかった内容に迫るということで、マルケヴィチ版の特徴のひとつとして、音の一つ一つに特にこだわり、それが独特の弓づかいや、音の長さに対する種々の指定となって表れています。その結果として「歌う」要素がより大切にされています。
とはいっても、全く違った演奏ではないので、緊張感のあるマエストロらしいベートーヴェンで、ブラヴォーも沢山でした。
飯守さん、この秋は、2010年旭日小綬章を受勲され花束贈呈がありました、おめでとうございます!

METライブビューイング「ラインの黄金」

11月6日(土)
METライブビューイング2010-2011 新シーズンの幕開けは、
ワーグナー ニーベルングの指輪 『ラインの黄金』です。
いつものように、109シネマズ川崎で11:00からの上映。
METライブビューイングもこの頃有名になり、客席は、ほぼ満席です。
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ヴォータン/ブリン・ターフェル
フリッカ/ステファニー・プライズ
ローゲ/リチャード・クロフト
アルベリヒ/エリック・オーウェンズ
指揮/ジェームズ・レヴァイン
演出/ロベール・ルパージュ
シルク・ドゥ・ソレイユの演出で知られているロベール・ルパージュの演出で、「ワーグナーの台本に最も忠実な、史上初の演出」といっている。
現代のCG技術と、水圧システムで可動する24枚の巨大な板を使って、水中で泳いでいる『ラインの黄金』を守るライン河の乙女や、壮大な虹の橋が出てくるので、映像を見ているのか、舞台を見ているのかわからなくなる。
最近のMETの演出に多いですね 、でも神話の世界が良く理解できます。
『ラインの黄金』は、愛を断念した者が、指輪で世界を支配できるー壮大な「指輪」の幕開けー
このごろの「金」の高騰と何か関係はあるのかしら?
ヴォータンのブリン・ターフェルもフリッカのステファニー・プライズも適役で、あとアルベリヒ役のエリック・オーウェンズ も愛をあきらめた者の欲深さが出ていてよかった。
次の『ワルキューレ』は、このシーズンに上演されるので、楽しみにしたいですね。

大江戸活粋パレード

10月31日(日)
朝、9:00~12:30まで中央区の浜町体育館で太極拳の練習後、
三越本店で、お買い物をして中央通りに出ると・・・
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こんな半被(はっぴ)を着たお兄さんがうろうろしています。
大江戸活粋パレード(オオエドカッキパレード)だそうです。
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これは、〝よさこい踊り〟?

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太極拳の練習のおかげで、面白いものがみられた!

日フィル定期・ウォルトン「べルシャザールの饗宴」

10月22日(金)
すっかり秋めいてきた日フィル10月定期演奏会は、尾高忠明さん指揮の

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オネゲル/交響詩「夏の牧歌」
ラヴェル/バレエ組曲「マ・メール・ロワ」
~休憩~
ウォルトン/オラトリオ「ベルシャザールの饗宴」
指揮/尾高忠明
バリトン/三原剛
合唱/晋友会合唱団
コンサートマスター/扇谷泰朋
フォアシュピーラー/江口有香
ソロ・チェロ/菊地知也

と、とっても興味深いプログラムです。
交響詩「夏の牧歌」のオネゲルは、フランス6人組の一人で仲間にはジョルジュ・オーリック、ルイ、デュレ、ジェルメーヌ・タイユフェール、ダリウス・ミヨー、フランシシス・プーランクがいます。サティーを精神的な父とし、ジャン・コクトーを共通の友として集まった。
ですから、今は秋ですがとても爽やかな「夏の牧歌」です。オネゲルは、ベートーヴェンやブラームスを敬愛し、ワーグナーを愛していたとある通り、どこかベートーヴェンの「田園」を思い出させるような旋律があります。
そして、尾高さんの指揮ですから、しっとりと聴かせてくれました。
次のラヴェル「マ・メール・ロア」は、フランス語で「マザーグース」という意味で、友人の子供たちのために書いた曲。はじめはピアノ連弾曲だったのをオーケストラ用に編曲したものです。
フランスの童話作家シャルル・ペローや、ドゥルノア伯爵夫人、ド・ホーモン伯爵夫人の童話を題材としている、愛らしい曲。
これも、尾高さんの優しさがこもっていた演奏だと思われます。
今日のメインは、ウォルトンのオラトリオ「ベルシャザールの饗宴」
オラトリオ(カンタータ)というのは、聖書を題材にした独唱、合唱、管弦楽のことで、独唱はバリトンの三原剛さん、合唱は晋友会合唱団、管弦楽は、日フィルですね。
晋友会合唱団は、オーケストラバックの2階席を占め、同じく2階左右にバンダ(トランペット3、トロンボ-ン3)バリトンの三原さんは指揮者のとなりです。
ウォルトンは、イギリス人ですから英語の歌詞なのでわかりやすい。
旧約聖書のバビロン崩壊の物語で、
言葉も面白いのですが、ウォルトンの音楽も面白く、
〝金の神を賛美せよ〟〝銀の神を賛美せよ〟〝鉄の神を賛美せよ〟〝木の神を賛美せよ〟〝石の神を賛美せよ〟〝青銅の神を賛美せよ〟のところで、すかさずグロッケンシュピールや、ウッドブロックを鳴らす、ウォルトンの乗りやすい人のイメージが面白い。
バビロンのベルシャザール王大饗宴のさなか、人の手があらわれて、「汝ははかりにかけられて、その量の足らぬことが あらわにされたのだ」と壁に書き、その夜のうちベルシャザール王は殺されて、囚われていたユダヤ人が喜びの声を上げて狂乱するという壮大なオラトリオです。
合唱も、独唱もアカペラ部分があり、最後のフィナーレはオーケストラがとっても難しいのに素晴らしい演奏でした。
ウォルトンって、面白い!