グラインドボーン「ルサルカ」

グラインドボーンは、グラインドボーン フェスティバル 2023の開幕を記念して、ドヴォルザークの「ルサルカ」を無料ストリーミングしています(5月21日〜6月5日まで)。ウィーンでも演ったばかりの「カルメル修道女の対話」をこの夏サリー・マシューズ主演で演るためなんですが、まずはサリー・マシューズの水の精「ルサルカ」を観てみましょう。そしてグラインドボーンの「カルメル修道女の対話」は、奇才のバリー・コスキーが演出をするそうです、楽しみです。

https://www.youtube.com/watch?v=7WvjSxLZehc&t=1142s

キャスト
サリー・マシューズ Sally Matthews (ルサルカ)
エヴァン・リロイ・ジョンソンEvan LeRoy Johnson (王子)
パトリシア・バードンPatricia Bardon (ジェジバ)
指揮者:ロビン・ティチアーティ Robin Ticciati 
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団  London Philharmonic Orchestra
2019年公演
2022年5月の月間最優秀オペラに選ばれました。

ヨシポヴィッチ「レノン」

元クロアチア大統領であった、イヴォ・ヨシポヴィッチ(1957年8月28日生)が作曲した「レノン」が、クロアチア国立劇場で2023年5月26日に公演されストリーミング放映されました。
「レノン」は、英国で最も有名なビートルズのメンバーのジョン・レノンのことで、1980年12年8日ニュー・ヨークの自宅の入り口で銃撃された。ジョン・レノンの運命に興味をそそられた元大統領で、同時に作曲家としてもキャリアを積んできたヨシポヴィッチは台本作家マリーナ・ビティと共に、ビートルズの最後の日々を中心にオペラを作り上げた。

https://www.youtube.com/watch?v=uzBBh6pZZYI

ウィーン国立歌劇場「カルメル修道女の対話」

ウィーン国立歌劇場は、プーランクの「カルメル修道女の対話」を、ライブストリーミングしています。
5月25日から3日間ですので、皆様もサインインしてご覧ください。
フランス革命末期の暴力の嵐に巻き込まれた修道女たちの実話です。ド・ラ・フォス侯爵家の娘ブランシュ役にニコール・カーが神経質なため俗世間では生きてゆけない修道女を演じます。

ウィーン国立歌劇場公演「カルメル修道女の対話」
 
プーランク/歌劇「カルメル修道女の対話」(2023年5月24日公演)
ブランシュ・ド・ラ・フォルス/ニコール・カー Nicole Car
騎士フォルス/ベルナルド・リヒター Bernard Richter
クロワシ―夫人/ミカエラ・シュースター Michaela Schuster
リドワーヌ夫人/マリア・モトリジーナ Maria Motolygina
マザー・マリー/イヴ=モー・ユボー Eve-Maud Hubeaux
ド・ラ・フォルス侯爵/ミカエル・クラウス Michael Kraus
コンスタンス/マリア・ナザロヴァ Maria Nazarova
マザー・ジャンヌ/モニカ・ボヒネック Minika Bohinec
シスター・マチルド/ダリア・スーシュコヴァ Daria Sushkova
礼拝堂神父/トーマス・エベンシュタイン Thomas Ebenstein
第1の委員/アンドレア・ジョヴァンニ―二 Andrea Giobannini
第2の委員/ユスン・ガブリエル・パク Jusung Gabriel Park
将校/ジャック・リー Jack Lee
看守/クレメンス・ウンターライナー Clemens Unterreiner
指揮/ベルトラン・ド・ビリー Bertrand de Billy
演出/マグダレーナ・フックスベルガー Magdalena Fuchsberger
舞台装置/モニカ・ビーグラー Monika Biegler
衣裳/ヴァレンティン・ケーラー Valentin Kohler
ビデオ/エーロン・キッツィック Aron Kitzig
照明/ルドルフ・フィッシャー Rudolf Fischer、ロベルト・アイゼンシュタイン Robert Eisenstein
 
第2幕第2場と第3場の間に休憩が入る二部構成。

18世紀のフランス革命時、革命派によって特権階級だった、キリスト教聖職者が弾圧されされた際、革命派に従わず信仰を貫いたため、ギロチンに処せられた16人の修道女の史実に基づいています。
ラストのシーンで、修道女たちが聖歌を歌いながら一人づつ断頭台の階段を登ってゆき、美しい聖歌と共に“ザクッ”というギロチンで首を落とされる音が16回聞こえるのは、ゾッとしますね。最後はブランシュが聖歌を引き継ぎながら途絶える。
劇中で用いられる聖歌


ブリテン「ねじの回転」

ヘンリー・ジェイムスの「The Turn of the Screw ねじの回転」をベンジャミン・ブリテンがオペラにしました。
人里離れた田舎のお屋敷に、孤児のフローラとマイルズのために新しく家庭教師がやって来るが、家庭教師はその家に住む奇妙で恐ろしい霊から子供達を守るために戦わなければならない。目に見えないものと戦う心理戦のようなもの、さあどうなりますでしょうか。
イタリアのテアトロ・レッジョ・エミリアにて2023年5月21日にライブ・ストリーミングされました。

ブリテン/歌劇「ねじの回転」(イタリア、テアトロ・レッジョ・エミリア 2023年5月21日公演)
プロローグのコメンテイター、元使用人ペーター・クイント/フローリアン・パンツィエリ Florian Panzieri
少年マイルズ/ベン・フレッチャー Ben Fletcher
少女フローラ/マイア・グリーヴズ Maia Greaves
女家庭教師/ローラ・ゼッキーニ Laura Zecchini
家政婦グロース夫人/キアラ・トラパーニ Chiara Trepani
元女家庭教師ミス・ジェッセル/リガ・リーズカルニーナ Liga Liedskalnina
管弦楽/イカルス・・アンサンブル/Icarus Ensemble
指揮/フランチェスコ・ボッサリア Francesco Bossaglia
演出/ファビオ・コンデミ Fabio Condemi
舞台装置/ファビオ・チェルジッチ Fabio Cherstich
衣裳/ジャンルカ・スビッカ Gianluca Sbicca
照明/オスカー・フローシオ Oscar Frosio

ある屋敷に宿泊した人々が、百物語のように一人ずつ怪談を語る。題名の「ねじの回転」はその中の「一ひねり利かせた話が聞きたい」という台詞からとられている。「幽霊話に子どもが登場することで話のねじにひとひねり加える効果があるというなら、子どもが二人になれば?」「二ひねりになるじゃないか!」
というところから「ねじの回転」という題ができたらしいのですが、当時の文学の「意識の流れ」的なものから、
今度は、ブリテンがオペラとして取り上げてから、もう一ひねりも二ひねりもしたものになっている。ブリテンは同性愛者なのは有名で、初演のクイント役はテノールのピーター・ピアーズというブリテンのお相手ですよね。
すると謎は解けてゆくような気がします、最近で言われているLGBTとか小児性愛とか。

このオペラは、全2幕、各8場の間に短い間奏曲が15あり、The JourneyがテーマでThe Welcome 、The Letter、The Tower、The Window、The Lesson、The Lake、At Night、Colloquy and Soliloquy、The Bells、Miss Jessel、The Bedroom、Quint、The Piano、Flora、Milesと変奏((回転)しながら進む。

インキネン最後の演奏会

日本フィルは、ピエタリ・インキネンの首席指揮者として最後の演奏会を5月21日日曜日の午後サントリーホールで行いました。
シベリウスの「タピオラ」とベートーヴェンの「第九」が演奏され、
その後近くのANAインターコンチネンタルホテル東京でお別れパーティが開かれました。
残念ながら最後になってしまったインキネンとの演奏会ですが、演奏スタッフと共にインキネンは会場の隅々まで回って写真を取り合うなど和やかな雰囲気の中で2時間ほどのパーティーを終えました。

オッフェンバック「ホフマン物語」

メトロポリタン歌劇場のオッフェンバック「ホフマン物語」2015年の公演です。設定の字幕をを英語にするか自動翻訳で日本語にするかしてご覧ください。ウィーンの「ホフマン物語ローヤル・オペラハウスの「ホフマン物語」

第一幕

https://www.youtube.com/watch?v=ea8NvfJbH8w&t=50s

第二幕

https://www.youtube.com/watch?v=ZemDcBDOuNQ&t=849s

第三幕

https://www.youtube.com/watch?v=DgHaW8eln6M&t=86s

ヴィットリオ・グリゴーロ(ホフマン)
ケイト・リンゼイ(ミューズ/ニクラウス)、
トーマス・ハンプソン(リンドルフ/コッペリウス/ドクター・ミラクル/ダペルトゥット)
エリン・モーリー(オリンピア)
ヒブラ・ゲルズマヴァ(アントニア/ステラ)
クリスティーン・ライス(ジュリエッタ)、トニースティーヴンソン (アンドレス / コシュニール / フランツ / ピティナッチョ)
デヴィッド ピットジンガー (ルーサー / クレスペル)
デヴィッド クロフォード (ヘルマン / シュレミル)
デニス ピーターセン (ナタナエル / スパランツァーニ)
オレシャ ペトロヴァ (アントニアの母親の霊)
メトロポリタン・オペラ
指揮者 – イヴ・アベル 
演出 – バートレット・シャー 

サン=サーンス「ヘンリー八世」

今回珍しいサン=サーンスの「ヘンリー八世」を、ブリュッセルのモネ劇場が公演し、ストリーム配信してくれました。
ローマ・カトリックの権威に反して6回の結婚、2回の無効、2回の斬首、自身の教会の設立という悪名高きチューダー朝のイングランド王ヘンリー8世の物語ですが、結構長いオペラとなっており、言葉はフランス語で「アンリ8世」ともいう。
youtube ですので、字幕の英語をみながら楽しみましょう。

 

https://youtu.be/VHYEZxs65kU
サン=サーンス/歌劇「ヘンリー八世」(ブリュッセル、モネ劇場 2023年5月16日公演)
ヘンリー八世/ライオネル・ローテ Lionel Lhote
キャサリン王妃/マリー=アデリーヌ・ヘンリー Marie-Adeline Henry
アン・ブーリン/ノラ・ガビッシュ Nora Gubisch
ドン・ゴメス・デ・フェリア/エド・リオン Ed Lyon
ノーフォーク侯爵/ウェルナー・ヴァン・メシェレン Werner van Mechelen
枢機卿キャンピアース/ヴァンサン・ル・テジェ Vincent Le Texier
クランマー/ジェローム・ヴァルニエ Jerome Vamier
サリー侯爵/アンゲラン・ド・イス Enguerrand de Hys
クラレンス夫人/クレール・アントワーヌ Claire Antoine
ガーター/アレクサンドル・マレフ Alexander Marev
執行吏/レアンダー・カーリエ Leander Carlier
合唱/モネ・コーラス、モネ・コーラル・アカデミー
モネ交響楽団
指揮/アラン・アルティノグルー Alain Altinoglu
演出/オリヴィエ・パイ Olivier Py
舞台装置・衣裳/ピエール=アンドレ・ウェイツ Pierre-Andre Weitz
照明/ベルトランド・キリ― Bertrand Killy
振付/イヴォ・ボーシエロ Ivo Bauchiero

 

英国のエリザベス2世が崩御されて、5月6日にチャールズ英国王になられたばかりですが、英国王室のおどろおどろしい愛憎劇は凄いことになっている。
イタリアのガエターノ・ドニゼッティが「女王3部作」として「アンナ・ボレーナ」「マリア・ストゥルダ」「ロベルト・デヴェリュー」を発表していますが、ネトレプコやガランチャ、ジョイス・ディドナート、ソンドラ・ラドヴァノフスキーなど錚々たるメンバーが体当たりで挑んでいる。詳しくはこちらを
オリヴィエ・ピィの演出ですが、彼は熱烈なカトリック信仰と自らの同性愛を演劇の力で結び合わせているフランスの劇作家で演出家で映画監督で俳優という肩書きですが、サン=サーンスの方は、カトリック信者ではありますが、作曲家、ピアニスト、オルガニストとして活躍する一方で、詩、天文学、生物学、数学、絵画に興味を持ち、音楽評論家として有名なので、もう少し普通に描いて欲しかったですね!舞台にいろんな登場人物が出て説明しすぎな感がありました。

ブリテン「真夏の夜の夢」

スウェーデン王立歌劇場が、ブリテンの「真夏の夜の夢」をオペラビジョンでストリミング配信してくれました。シェイクスピアの妖精の世界に行って皆様と楽しむことにしましょう。オベロンはカウンターテナーのロドリゴ・ソーサ・ダル・ポッツォ素晴らしいです。ブリテンといえば「The Turn of the Screw」(ネジの回転)も配信されますのでお楽しみに!

https://www.youtube.com/watch?v=h2mcN97f-S4&t=180s
ブリテン/歌劇「真夏の夜の夢」(スウェーデン王立歌劇場公演)
オベロン/ロドリゴ・ソーサ・ダル・ポッツォ Rodrigo Sosa Dal Pozzo
タイターニア/エリン・ロンボ Elin Rombo
パック/ロバート・フックスRobert Fux
くもの巣/アンナ・ダニエルソン Anna Danielsson
豆の花/ハンナ・ヴェーリン Hanna Wahlin
からしの種/テレーゼ・バドマン・ステニウス Therese Badman Stenius
蛾/カタリナ・ベーム Katarina Bohm
妖精/
シーシアス/クリスチアン・フロー Kristian Flor
ヒポリタ/カタリーナ・レオソン Katarina Leoson
ライサンダー/ジーハン・シン Jihan Shin
デメトリアス/デヴィッド・リスベルイ David Risberg
ハーミア/ヨハンナ・ルドストレーム Johanna Rudstrom
ヘレナ/ヴィヴィアン・ホルンベルイ Vivianne Holmberg
ボトム/ペーター・カイリンガ― Peter Kailinger
クインス/ヨハン・ライド Johan Rydh
フルート/ミカエル・アクセルソン Michael Axelsson
スナッグ/トルヴァルド・ベルグストレーム Thorvald Bergstrom
スナウト/ミカエル・ステンベーク Mikael Stenbaek
スターヴリング/ヤン・ソールベルイ Jan Sorberg
合唱/スウェーデン王立歌劇場合唱団
スウェーデン王立歌劇場管弦楽団
指揮/サイモン・クロウフォード・フィリップス Simon Crawford Phillips
演出/トビアス・セオレル Tobias Theorell
舞台装置/ラルス=エイク・テスマン Lars-Ake Thessman
衣裳/マグダレーナ・エーベルイ Magdalena Aberg
照明/トルベン・レンドルフ Torben Lendorph
振付/ヨアキム・ステファンソン Joakim Stephenson
ドラマトゥルグ/カタリナ・アロンソン Katarina Aronsson
 

ロイヤル・オペラハウス「蝶々夫人」

ロイヤル・オペラハウスが2022年公演した「蝶々夫人」は、蝶々夫人がイタリア生まれのマリア・アグレスタでこの5月にはウィーンで「トスカ」を演るという。ピンカートンがメキシコ系アメリカ人でグラミー賞受賞者のジョシュア・ゲレーロ、イケメンで情熱的な演技がとても楽しみです。ゲレーロは、バリー・コスキー演出の『ラ・ボエーム』でロドルフォ役としてベルリン・コーミッシェ・オペラにデビューする。バリー・コスキーといえば、「トスカ」にも血まみれのゲレーロが出ていました。
 
プッチーニ/歌劇「蝶々夫人」(2022年公演)
蝶々夫人/マリア・アグレスタ Maria Agresta
ピンカートン/ジョシュア・ゲレーロ Joshua Guerrero
シャープレス/カルロス・アルヴァレス Carlos Alvarez
スズキ/クリスティーネ・ライス Christine Rice
ゴロー/カルロ・ボーシ Carlo Bosi
ボンゾ/ジェレミー・ホワイト Jeremy White
ヤマドリ/ジョセフ・ヨンミーン・アーン Josef Jeongmeen Ahn
ケート/ガブリエレ・クプシーレ Gabriele Kupsyte
勅使/ダヴィド・キンバーグ Dawid Kimberg
指揮/ニコラ・ルイゾッティ Nicola Luisotti
演出/モーシェ・レイザー Moshe Leiser、パトリス・コリエー Patrice Caurrier
舞台装置/クリスチャン・フェヌイヤ Christian Fenouillat
衣裳/アゴスティーノ・カヴァルカ Agostino Cavalca
照明/クリストフ・フォレー Christophe Forey
 
 
さすがロイヤル・オペラハウスですね。
着物は、本物を使っていますし、和洋折衷の具合もとても面白い。
合唱団が着物を着て、正座をしているのは日本人も見習わなくてはと微笑ましい。
スズキは、イギリスのメゾソプラノでROHの「ホフマン物語」でジュリエッタなどを演っているクリスティーネ・ライス。
シャープレスは、ウィーンで「リゴレット」やフィガロでアルマヴィーヴァ伯爵など大活躍のカルロス・アルヴァレスです。
プッチーニは、「さくら・さくら」「お江戸日本橋」「アメリカ国家」などを使って異国情緒たっぷりの日本人としての尊厳を持った「蝶々夫人」を作曲してくれたので、いつまでも楽しめますね。





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