ウィーン国立歌劇場「ユリシーズの故郷への帰還」

ウィーン国立歌劇場は、モンテヴェルディの「ユリシーズの故郷への帰還」をストリーミング放映しています。
ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」に基づくオペラは、オデュッセイア(イタリア語でユリシーズ)がトロイ戦争から帰国した瞬間から始まります。
ユリシーズ役はゲオルグ・ニグル、妻のペネローペはケート・リンジー、指揮はスペインのパブロ・エラス=カサド、演出はドイツ・スイス系ユダヤ人のジョッシ・ヴィーラーとアルゼンチンのセルジオ・モラビートが担当しています。

 
ウィーン国立歌劇場公演「ユリシーズの故郷への帰還」
 
モンテヴェルディ/歌劇「ユリシーズの故郷への帰還」(2023年4月15日公演)
ユリシーズ(トロイ戦争の英雄)/ゲオルグ・ニグル Georg Nigl
ペネローペ(ユリシーズの妻)/ケート・リンジー Kate Lindsey
テレマーコ(ユリシーズの息子)/ジョッシュ・ロヴェル Josh Lovell
女神ミネルヴァ/イザベル・シニョレット Isabel Signoret
エウリマコ(ペネローペの求婚者)/尼子広志 Hiroshi Amako
海神ネプチューン、アンティノー(ペネローペの求婚者)、時/アンドレア・マストローニ Andrea Mastroni
エウメーテ(ユリシーズの羊飼い)/ロバート・バートネック Robert Bartneck
エリクレア(ペネローペの乳母)、人間1/ヘレーネ・シュナイダーマン Helene Schneiderman
イーロ(求婚者たちの従者)、人間2/イェルク・シュナイダー Jorg Schneider
メラント(ペネローペの侍女)、人間3/ダリア・スシュコヴァ Daria Sushkova
ピサンドロ(ペネローペの求婚者)、人間4/カトレーオ・モハバーネ Katleho Mokhoabane
ジュノーネ(ジュピターの妻)/アンナ・ボンダレンコ Anna Bondarenko
主神ジュピター/ダニエル・イェンツ Daniel Jenz
愛/アルマ・ノイハウス Alma Neuhaus
幸運/ミリアム・クトロワッツ Miriam Kutrowatz
合唱/ウィーン国立歌劇場コールアカデミー
管弦楽/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
指揮/パブロ・エラス=カサド Pablo Heras-Casado
演出/ジョッシ・ヴィーラ― Jossi Wieler &セルジオ・モラビート Sergio Morabito
舞台装置・衣裳/アンナ・ヴィ―ブロック Anna Viebrock
舞台装置補佐/トルステン・ケプフ Torsten Kopf
照明/ラインハルト・トラウプ Reinhard Traub
映像/トビアス・ドゥシェ Tobias Dusche
 
2部構成として上演。
 
ユリシーズの冒険よりも故郷に帰った時のことに焦点が当てられている。
トロイ戦争の後20年を経て、ユリシーズが故郷のイサカ島に到着すると、3人の怠惰な求婚者が妻のペネローペに執拗に求愛し王位を奪おうとしていたが、忠実な友人や息子のテレマーコの助けを借りて、ユリシーズは王位を守り、愛する妻と王家の人々の元へ戻ることができた。
ユリシーズ役のゲオルグ・ニグルやペネローペ役のケート・リンジーが声量のある豊かな音を響かせてとても楽しく1640年のオペラと思えないくらい。


First Love 初恋

Netflix 最高の日本のドラマと言われる「First     Love 初恋」観ました。
宇多田ヒカルの「初恋」が全編に流れるラブストーリーです。
満島ひかり、佐藤健など今最高の俳優が出演しています。
監督・脚本は 寒竹ゆり(1982年4月16日生)

5年ばかり前にドラマ「カルテット」に松たか子、満島ひかり、松田龍平、高橋一生が出ていてその時流れていたのは椎名林檎の「おとなの掟」その時の満島ひかりさんが今度も瑞々しい感性を見せてくれました。あの時はクラシック音楽でしたが、今度はタクシー運転手と自衛隊員から、CA(キャビン アテンダント)とパイロットなんですね。

ヴェルディ「アイーダ」

ローマ歌劇場がヴェルディの「アイーダ」を2023年4月7日〜2023年10月7日までストリーミング放映しています。
アイーダにはウィーン国立歌劇場で活躍していたクラッシミラ・ストヤノヴァが、ラダメスにはグレゴリー・クンデが、アムネリスにはエカテリーナ・セメンチュクが伝統的な「アイーダ」を演じています。
指揮はミケーレ・マリオッティで2022 年からローマ オペラ座の音楽監督を務めている。
演出は1966年トリノ生まれのデヴィッド・リヴモアで、マッジョ ミュージカル フィオレンティーノ、トリノのレジオ、ナポリのサン カルロ、ジェノヴァのカルロ フェリーチェなどで総合的に舞台を演出している。

https://www.youtube.com/watch?v=P4ncegxJtQ4&t=766s
 
ヴェルディ/歌劇「アイーダ」(ローマ歌劇場 2023年1月31日公演)
アイーダ/クラッシミラ・ストヤノヴァ Krassimira Stoyanova
アムネリス/エカテリーナ・セメンチュク Ekaterina Semenchuk
ラダメス/グレゴリー・クンデ Gregory Kunde
アモナスロ/ヴラディミール・ストヤノフ Vladimir Stoyanov
ラムフィス/リッカルド・ザネラート Riccardo Zanellato
エジプト国王/ジオルジ・マノシュヴィリ Giorgi Manoshvili
巫女の長/ヴェロニカ・マリーニ Veronica Marini
使者/カルロ・ボッシ Carlo Bosi
合唱/ローマ歌劇場合唱団
ローマ歌劇場管弦楽団
指揮/ミケーレ・マリオッティ Michele Mariotti
演出/デヴィッド・リヴモア Davide Livemore
舞台装置/ジオ・フォルマ Gio Forma
照明/アントニオ・カストロ Antonio Castro
振付/デヴィッド・リヴモア Davide Livemore
ビデオ/ディー-ウォク D-WOK

 

エジプトの指揮官ラダメスは敵国エチオピアのアイーダ王女を戦争の戦利品として誘拐してきますが、ラダメスはアイーダを愛してしまいます。壮大な歴史物語と現代の映像技術を生かしての演出も素晴らしいです。

ローマ歌劇場は。2023年9月に日本でヴェルディの「椿姫」とプッチーニの「トスカ」の2演目を上演する予定。指揮はこの「アイーダ」を指揮し、2022/23シーズンから音楽監督になったミケーレ・マリオッティとなっています。

アイーダ・ガリフッリーナの「椿姫」

モンテカルロ歌劇場で2023年3月31日から放映された(medici.tv)ヴェルディの「椿姫」は、今大活躍中で美人のアイーダ・ガリフッリーナがヴィオレッタを務めるのでさっそく観てみました。ヴィオレッタはアイーダ・ガリフッリーナ、アルフレードはハヴィル・カマレーナ、お父さん役のジョルジュ・ジェルモンはマッシモ・カヴァレッティーと最高のキャストで、演出はモンテカルロでお馴染みのジャン=ルイ・グリンダ です。
ガリフッリーナと言えばウィーン国立歌劇場で「愛の妙薬」や「ロメオとジュリエット」「アルジェのイタリア人」を演って大いに楽しませてくれました。そして、エンドロールにモンテカル歌劇場の音楽監督として活躍している山田和樹さんの名前もありました。

ヴェルディ/歌劇「椿姫」(モンテ・カルロ歌劇場 2023年公演)
ヴィオレッタ・ヴァレリー/アイーダ・ガリフッリーナ Aida Garfullina
フローラ・ベルヴォア/ロリアーナ・カステラーノ Loriana Castellano
アンニーナ/フェデリカ・サルデッラ Federica Sardella
アルフレード・ジェルモン/ハヴィエル・カマレーナ Javier Camarena
ジョルジョ・ジェルモン/マッシモ・カヴァレッティ Massimo Cavalletti
ガストーネ/ハレハンドロ・デル・アンジェル Alejandro Del Angel
ドゥフォール男爵/ロベルト・アッキュルソ Roberto Accurso
ドビニー公爵/ファブリス・アリベルト Fabrice Alibert
医師グレンヴィル/アレッサンドロ・スピナ Alessandro Spina
ジュゼッペ/ヴィンチェンツォ・ディ・ノセラ Vincenzo Di Nocera
フローラの召使/プルゼミスラフ・バラネク Przemyslaw Baranek
警官/パオロ・マルシーニ Paolo Marchini
合唱/モンテ・カルロ歌劇場合唱団
モンテ・カルロ・フィルハーモニー管弦楽団
指揮/マッシモ・ザネッティ Massimo Zanetti
演出/ジャン=ルイ・グリンダ Jean-Louis Grinda
舞台装置/リュディ・サブーンギ Rudy Sabounghi
衣裳/ヨルゲ・ヤーラ Jorge Jara
照明/ローラン・カスタン Laurent Castaingt
振付/ユージェニー・アンドリン Eugenie Andrin

 

ジャン=ルイ・グリンダの演出は、はじめ前奏曲の字幕で1842年の12月6日のパリ、ヴィオレッタは18歳で結核を患いながらも高級娼婦として働き、ドゥフォール男爵の公的夫人として社交界にデビューしている、という生々しいシーンがあり、今までの「椿姫」とは違ったアプローチですが、椿色のドレスが最も似合うガリフッリーナは、今までで最高の「椿姫」です。

 

ロイヤル・オペラハウス「サムソンとデリラ」

ロイヤル・オペラハウスは、サン=サーンスの「サムソンとデリラ」をストリーミング放映することになりました。皆様もロイヤル・オペラハウスに行って、サインインして無料で観てみてください。画像も音響もとても良いです。
サムソンは韓国のペク・セクジョンさん、サムソン役のアラーニャやカウフマンがコロナで闘病中だったらしいのですがとても頑張っています。デリラはガランチャ、指揮はアントニオ・パッパーノ、演出は複数のオリヴィエ賞を受賞したリチャード・ジョーンズがROHに戻ってきて、そしてコヴェント・ガーデンでは2004年以来上演されていなかった「サムソンとデリラ」を上演しました。(2022年)

サン=サーンス/歌劇「サムソンとデリラ」(2022年公演)
サムソン/ペク・セクジョン Seokjong Baek
デリラ/エリーナ・ガランチャ Elina Garanca
ダゴンの大祭司/ルーカス・ゴリンスキ Lukasz Golinski
アビメレク/ブレーズ・マラバ Blaise Malaba
第1のペリシテ人/アラン・ピンガロン Alan Pingarron
第2のペリシテ人/チューマ・シジェカ Chuma Sijeqa
ペリシテの使者/サンド・ムジャンダナ Thando Mjandana
老ユダヤ人/ゴデルジ・ヤネリッツェ Goderdzi Janelidze
指揮/アントニオ・パッパーノ Antonio Pappano
演出/リチャード・ジョーンズ Richard Jones
舞台装置/へイミ・シン Hyemi Shin
衣裳/ニッキー・ジリブランド Nicky Gillibrand
照明/アンドレアス・フックス Andreas Fuchs
振付/ルーシー・バージ Lucy Burge
 
物語は旧約聖書の時代、ペリシテ人という古代パレスチナの民族で、前13〜12世紀ごろパレスチナに侵入し建国。現在では「芸術や文学などに関心のない無趣味な人」の比喩として使われる。
そのペリシテ人が支配するイスラエルのガザで支配下に置かれていたヘブライ人の英雄で怪力の持ち主サムソンは、人々を鼓舞してガザの太守アビメレクを殺す。ペリシテ人の美女デリラは復讐のためにかつて恋人だったサムソンを誘惑し、怪力の秘密が彼の長い髪にあることを聞き出した。デリラに裏切られ、怪力の元である髪を切られたサムソンは、ペリシテ人に捕えられ、目をつぶされ晒し者にされる。タゴンの寺院の中央に連れてこられたサムソンは神に呼びかけながら寺院を支える柱を揺すぶると柱が倒れて寺院は崩壊し、一同を押しつぶす。
金まみれのペリシテ人がヘブライ人の英雄サムソンの力で最後は崩壊してゆくという今回の演出で、最近の社会情勢を予想しているような鋭い演出です。ちなみにペリシテ人の中には「サムソンとデリラ」のデリラと「サウル」のダビデと戦ったゴリアテもいる。
サン=サーンスの音楽は、ワーグナーや宗教音楽や中東のオリエンタルな音が聴こえてきて面白いこと、もちろん「バッカナール」もあります。
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