ウィーン国立歌劇場「ルサルカ」

ウィーン国立歌劇場ドヴォルザークのオペラ「ルサルカ」がライブストリーミングで2月5日から7日まで放映されました。水の精のルサルカが人間の王子に恋してしまう物語で有名なアリア「月に寄せる歌」は皆さんもよく聴いて知っていることと思います。そしてドヴォルザークなのでチェコ語のオペラです。

ルサルカ/オルガ・ベスメルトナ Olga Bezsmertna
外国の王女/エレーナ・ツィトコーワ Elena Zhidkova
王子/ピョートル・べチャラ Piotr Beczala
水の精ヴォドニク/パク・ヨンミン Jongmin Park
イェジババ(魔女)/モニカ・ボヒネック Monika Bohinec
森番/ガブリエル・ベルムデツ Gabriel Bermudez
皿洗い(料理人の少年)/レーチェル・フレンケル Rachel Frenkel
第一の森の精/ディアナ・ヌルムカメトヴァ Diana Nurmukhametova
第二の森の精/シルヴィア・ヴェレシュ Szilvia Voros
第三の森の精/マーガレット・プランマー Margaret Plummer
狩人の声/ラファエル・フィンガーロス Rafael Fingerlos
指揮/トマーシュ・ハヌス Tomas Hanus
演出/スヴェン=エリック・べヒトルフ Sven-Eric Bechtolf
舞台/ロルフ・グリッテンベルク Rolf Glittenberg
衣装/マリアンヌ・グリッテンベルク Marianne Glittenberg
照明/ユルゲン・ホフマン Juますrgen Hoffmann
振付/ルカ・ゴーダーナク Lukas Gaudernak

王子に恋してしまったルサルカは魔女から人間になる代わりに声を差し出しなさいと言われます。口のきけない水の精「ルサルカ」役のオルガ・ベスメルトナはウクライナ生まれの37歳で伸び盛り、王子役のピョートル・べチャラも前回の「ローエングリン」など国際的に活躍しているポーランド生まれのテナーで、やはり魔女役は、スロベニア生まれのモニカ・ボヒネック「ヘンゼルとグレーテル」や「ペルシネット」の魔女役でおなじみ大活躍ですね!美人の王女も現れるんですが、王子はルサルカのことが忘れられなくて、結局は王子もルサルカも死んでしまうんです。

 

 

映画「ジョジョ・ラビット」

2月3日(月)

人混みの中、有楽町シネマズシャンテにマスクとメガネ姿で行きました。友達と映画「男と女 人生最良の人々」を見るつもりだったんですが、1本次の「ジョジョ・ラビット」を見ることになり、大正解!

「マイティ・ソーバトルロワイヤル」で知られるタイカ・ワイティティが監督を務めた「Jojo Rabibit(原題)」は、クリスティン・ルーネンズによる小説「Caging Skies(原題)」をワイティティが脚色して実写化した作品。
主人公は少年ジョジョ、ナチス政権下のドイツで母親と暮らし、アドルフ・ヒットラー(ヒットラー役は監督のタイカ・ワイティティ)を空想上の親友としていた。ある日、母親がユダヤ人の少女を匿うことを決めたことを機に、ジョジョは自身の愛国心と向き合わざるを得なくなる。
ジョジョ役の新人ローマン・グリフィン・デイヴィスが可愛くって可愛くって、母親役のスカーレット・ヨハンソンも上官役のサム・ロックウエルもとってもいい味を出している。最後にジョジョとエルサが踊り出すシーンも素敵です。暗〜ぃテーマをカラッと小粋に見せているのはさすが!
この作品で、ジョジョ役のローマン・グリフィン・デイヴィスは、第77回ゴールデングローブ賞・ミュージカルコメディー部門で、主演男優賞をもらいました。「ジョジョ・ラビット」は、2020年2月の第92回アカデミー賞・作品賞と脚色賞にノミネートされており、スカーレット・ヨハンソンは同じく第92回アカデミー賞・助演女優賞にノミネートされている。
すごい作品なんですね〜〜。
音楽♪がまたいいんです。ビートルズの「抱きしめたい」から始まって、デヴィッド・ボウイの「ヒーローズ」、トム・ウェィツの「大人になんかなるものか」などなど最後はウィーン少年合唱団の「春の声」で終わります。

ラボ・エクセルシオ ブリテンシリーズ 2

1月28日(火)

サルビアホール第123回クァルテット・シリーズは、クァルテット・エクセルシオのラボ・シリーズ(実験的なコンサート)で、ブリテンの四重奏曲の2、3番と細川俊夫の「開花」が演奏されます。

ラボ・エクセルシオ ブリテン・シリーズVol2」

ブリテン/弦楽四重奏曲第2番ハ長調作品36
細川俊夫/開花[2007]
     ~休憩~
ブリテン/弦楽四重奏曲第3番作品94
 クァルテット・エクセルシオ

ラボでは日本人の作品を組み合わております。今回も演奏会前にプレトークがあり渡辺和さんの司会で作曲者・細川俊夫(1955-)さんが登場して「開花」について、〝この作品で私がイメージする花は「蓮の花」で、蓮の花は東洋では仏教の花であり、根は泥の中に張り、茎は水中を通り抜けて、水面へ空へ顔を出す。そして朝の光に向けて開花しようとする。

初めの持続音(変ロ音)は水面の響で、それより下は水の中、さらに低い音は泥の中、そして水面を超えた音域は空の世界と想定した。そしてわずかに水面から顔をもたげた蕾は、朝の光を受けて、開花への激しい憧れを歌う〟と、とてもわかりやすい。日本的で素晴らしい作品となっています。

「開花」の前後にブリテンの弦楽四重奏曲2番と3番が演奏されます。
ベンジャミン・ブリテン(1913-76)の弦楽四重奏曲2番は、アメリカに滞在して1番を書いた後、1942年イギリスに帰ってオペラ「ピーター・グライムズ」を完成させてから4ヶ月後(1945)に作曲にしたのがこの2番で、バロック時代の作曲家ヘンリーパーセルのオマージュとなっている。
3番は2番から30年後の1975年に完成した。本作品のリハーサルを進めていた1976年12月4日にブリテンは急逝し、63年の生涯を閉じた。結果として、この第3番が最後の大作になってしまった。最後のオペラ「ヴェニスに死す」で到達した彼岸の音楽がここにも反映されている。
益々、磨きがかかって自信もついてきたエクですこと。

脱カフェイン

毎日2〜3杯飲んでいたコーヒーや緑茶、チョコレート、紅茶をやめてみました。最近あまりコーヒーが美味しいと感じなくなってきたからなんですが!

コーヒーにはポリフェノール含まれており、心臓病や高血糖、高血中脂質を予防すると言われています。
でも、カフェインを取らないと夜はスッキリ眠れるし、起きている間は頭が冴々しています。と言うわけで現在、脱カフェイン中。
コーヒーがどうしても飲みたいときはデカフェ(だいたい97%のカフェインをカット)があるのでOK 
それから南アフリカ原産のルイボス・ティを飲んでいます。
ルイボス・ティは、ポリフェノールを多く含んでおり、抗酸化作用があると言います。アンチエイジングや美肌効果もあるそうですよ



バッティストーニのニューイヤーコンサート

1月25日(土)

文京シビックホール20周年を記念して、「響の森クラシック・シリーズ70回目」は、バッティストーニ指揮の「ニューイヤー・コンサート2020」を開催しました。前半はオペラのアリア、後半はチャイコフスキーの序曲を2曲を演奏します。

プッチーニ/歌劇「ラ・ボエーム」より「冷たい手を」「私の名はミミ」「愛らしい乙女よ」
ビゼー/歌劇「カルメン」より「ハバネラ~恋は野の歌」
オッフェンバック/歌劇「ホフマン物語」より「舟歌」
プッチーニ/歌劇「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」
モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」より「恋とはどんなものかしら」
プッチーニ/歌劇「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」
     ~休憩~
チャイコフスキー/幻想序曲「ロメオとジュリエット」
チャイコフスキー/大序曲「1812年」
 管弦楽/東京フィルハーモニー交響楽団
 指揮/アンドレア・バッティストーニ
 ソプラノ/木下美穂子
 メゾ・ソプラノ/清水華澄
 テノール/小原啓楼
 司会/浅岡聡

今回の演奏会はキャスターの浅岡聡さんの司会進行で進められました。バッティストーニとのトークでイタリアでは歌を中心にオーケストラの曲も演奏するのがニューイヤーコンサートだそうで、バッティストーニが曲やソリストを全部決めたと言うことです。
と言うわけで、オペラ界最前線の歌手が揃いました。ソプラノには木下美穂子、メゾソプラノに清水華澄、テノールに小原啓楼です。
ボエームは木下と小原、カルメンは清水、ホフマンは木下、清水のデュエット、蝶々夫人はもちろん木下、フィガロのズボン役は清水、トゥーランドットは小原で、バッティストーニの指揮で難なく高音をクリアできました。
最後は3人で「椿姫」から「乾杯の歌」を歌いニューイヤーを祝いました。
後半はバッティストーニが大好きだと言うチャイコフスキーの曲を情熱的に時にはスピード感のある演奏を、「1812年」では8人のバンダを並べて新年を祝いました。

ウィーン国立歌劇場「サロメ」

ウィーン国立歌劇場 リヒャルト・シュトラウス「サロメ」は、OTTAVA TV ライブストリーミングで25日から28日まで放映されます。「サロメ」は、オスカー・ワイルドの戯曲を基に書かれたオペラで、ヒロインのサロメは新約聖書の中に出てくる女性です。演出は1972年にウィーンで初登場したボレスワフ・バーログのもので、舞台全体にクリムトの煌めくゴールドのイメージが感じられます。

ヘロデ/ヘルヴィッヒ・ペコラーロ Herwig Pecoraro
へロディアス/ワルトラウト・マイヤー Waltraud Meier
サロメ/リゼ・リンドストローム Lise Lindstrom
ヨハナーン/ミヒャエル・ヴォレ Michael Volle
ナラボート/カルロス・オスナ Carlos Osuna
へロディアスの小姓/ウルリケ・ヘルツェル Ulrike Helzel
ユダヤ人1/トーマス・エベンシュタイン Thomas Ebenstein
ユダヤ人2/ペーター・イェロジッツ Peter Jelosits
ユダヤ人3/パーヴェル・コルガティン Pavel Kolgatin
ユダヤ人4/ベネディクト・コーベル Benedikt Kobel
ユダヤ人5/ライアン・スピード・グリーン Ryan Speedo Green
ナザレ人1/アレクサンドル・モイシウク Alexandru Moisiuc
ナザレ人2/ハンス・ペーター・カンマラー Hans Peter Kammerer
カッパドキア人/ヨハンネス・ギッサー Johannes Gisser
兵士1/マルクス・ペルツ Marcus Pelz
兵士2/ダン・パウル・ドゥミトレスク Dan Paul Dumitrescu
奴隷/トーマス・ケーバー Thomas Kober
指揮/ミヒャエル・ボーダー Michael Boder
演出/ボレスワフ・バーログ Boleslaw Barlog
舞台及び衣装デザイン/ユルゲン・ローズ Jurgen Rose

義理の父ヘロデ王(ヘルヴィッヒ・ペコラーロ Herwig Pecoraro)から踊りを所望される美しく妖艶なサロメ(リゼ・リンドストローム Lise Lindstrom)の有名な「7つのヴェールの踊り」や預言者ヨハナーン(ミヒャエル・ヴォレ Michael Volle)の首の場面も出てくる、50年も前のオーソドックスな豪華な演出ですから安心して見ていられます。
「サロメ」のリゼ・リンドストローム(Lise Lindstrom)は、アメリカ生まれのソプラノで、この役で数々の賞を受賞しており、2019年ではオーストラリアでサロメの「オペラの最優秀女優賞」をもらっており今回も大熱演しました。
リゼも敬意を払っていたヘロディアスのワルトラウト・マイヤは、ドイツでグラミー賞を受賞したメゾソプラノですが、ウィーンでは宮廷歌手の称号も持っている大ヴェテランです。
2月はベートーヴェン「レオノーレ」、ドヴォルザーク「ルサルカ」、ヴェルディ「オテロ」、R.シュトラウス「エレクトラ」と続きます。

 

ウィーン国立歌劇場「ローエングリン」

ウィーン国立歌劇場のリヒャルト・ワーグナーの最後のオペラ「ローエングリン」が、OTTAVA TVのライブストリーミングで、20日から23日まで放映されました。結婚行進曲で有名なオペラですね!ノイシュヴァンシュタイン城を建てたルートヴィヒ2世は、ワーグナーのパトロンでこの作品をとても愛していたと言います。

ドイツ国王ハインリッヒ/アイン・アンガー Ain Anger
ローエングリン/ピョートル・ベチャラ Piotr Beczala
エルザ/コーネリア・べスコウ Cornelia Beskow
テルラムント/エギルス・シリンス Egils Silins
オルトルート/リンダ・ワトソン Linda Watson
王の伝令/ボアツ・ダニエル Boaz Daniel
4人のブラバント貴族/ヴォルフラム・イゴール・デルントル Wolfram Igor Derntl 、マーティン・ミュラー Martin Muller、ヨハンネス・ギッセル Johannes Gisser 、ドミニク・リーガー Dominik Rieger
4人の小姓/貫見恭子 Kyoko Nukumi 、カヤ・マリア・ラスト Taya Maria Last、バーバラ・ライター Barbara Reiter 、ディムフナ・メイツ Dymfna Meijts
指揮/ミヒャエル・ギュトラー Michael Guttler
演出/アンドレアス・ホモキ Andreas Homoki
舞台及び衣装デザイン/ヴォルフガング・グスマン Wolfgang Gussmann
照明/フランク・エヴィン Franck Evin
ドラマトゥルグ/ウェルナー・ヒンツェ Werner Hintze

舞台はブラバンド公国、先代の王の子供で姉のエルザ(Cornelia Beskow)と弟のゴッドフリートがいました。エルザに結婚を拒否されたフリードリヒは魔法使いオルトルートを使い(弟のゴッドフリートを白鳥に変え,エルザが弟を殺したと嘘を言う)でブラバンド公国の実権を握ることになったのですが、この時エルザの危機を救ったのが、白鳥に曳かれた小舟に乗った騎士ローエングリン(Piotr Beczala)です。
騎士とフリードリヒが闘いローエングリンが勝って有名な結婚行進曲のシーンとなります。騎士の素性をどうしても聴きたいエルザですが,フリードリヒに襲われて殺してしまったローエングリンは、国王の前で,〝私は聖杯の王パルジファルの息子ローエングリン〟と自らの素性を明かす。素性を明かしたからにはこの地にいられないと去ってゆき、白鳥に変えられた弟のゴッドフリートが現れます。そして〝ご覧ください、これこそが、君主としてあなた方を率いることとなるブラバンド公です〟と舞台裏から声が聞こえます。

で,今回のホモキの演出は結構オーソドックスな演出ですが、エルザもオルトルートも死ぬことはなく幕切れまでゴッドフリートは横たわったままです。
ローエングリン役のピョートル・ベチャラは、トスカ公演の終わりに宮廷歌手の称号をもらった歌手で、エルザ役のコーネリア・べスコウはストックホルム生まれの美人で若きソプラノです。
公演最後に魔女役のリンダ・ワトソンに宮廷歌手の称号を授与するセレモニーもありました。
ウィーン国立歌劇場ってすごいですね!
OTTVA TVで日本に配信しているオペラだけではなくて毎日のようにオペラやバレーを公演しているんですね!
次はリヒャルト・シュトラウス「サロメ」です。

 

品川区水神公園にモニュメント

品川区大井水神公園内に大型モニュメントが設置されました。
公園利用者や東京2020大会を契機に訪日する観光客に,品川区をPRするとともに品川の魅力を知ってもらうことを目的に制作されました。
東海道線,京浜東北線の車窓からも見ることができ、夜間にはライトアップもされます。

品川水族館にバンドウイルカの赤ちゃんが生まれ、名前が〝ミント〟だそうです。

Q.エクセルシオ × S.Q. アルコ

1月18日(土)

今年初の室内楽は、常設四重奏団のクァルテット・エクセルシオと東京のメジャーオーケストラで重要なポジションを占めているストリング・クァルテット・アルコの共演です。
チェロの大友とは小学校時代から音楽学校で学んだというヴィオラの柳瀬やチェロの古川は懐かしさのあまり涙ぐむほど、お正月から温かくて素敵な演奏会でした。
                        (浦安音楽ホール)

双紙(アルコ)伊藤(アルコ)西野(エク)古川(アルコ)北見(エク)柳瀬(アルコ)吉田(エク)大友(エク)  

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第4番ハ短調作品18-4
ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲第12番ヘ長調作品96「アメリカ」
     ~休憩~
メンデルスゾーン/弦楽八重奏曲変ホ長調作品20
 クァルテット・エクセルシオ
 ストリング・クワルテットARCO

常設ストリング・クァルテットであるエクセルシオのベートーヴェン4番の次がアルコのドヴォルザーク「アメリカ」。
休憩を挟んで、メンデルスゾーン(1809-47)の八重奏曲、ベートーヴェンもシューベルトもヴィーンで存命中だった1825年メンデルスゾーン16歳の時に書いた曲で、日本において最も数多く演奏しているのがクァルテット・エクセルシオだそうです。8人の熱気が伝わってくる素敵な演奏でした。
アンコールは、4楽章プレストを再現。
サイン会では、エクフレンズの仲間も沢山来ていてお正月らしい和気藹々とした雰囲気が続きます、外は霙まじりの悪天候が不思議なくらいです。

 

読響・下野「ペスト流行時の酒宴」

1月15日(水)

今年初めの生演奏会となる読響第594回定期演奏会は、下野竜也指揮で刺激的なプログラムです。ロシアとアメリカをテーマにグバイドゥーリナとアダムスの性格の違う動的な2作品とショスタコーヴィチとモートン・フェルドマンの静的な2作品を選びました。女性作曲家、グバイドゥーリナの「ペスト流行時の酒宴」は、とても面白い❗️です。

ショスタコーヴィチ/エレジー
ジョン・アダムス/サクソフォン協奏曲
     ~休憩~
フェルドマン/On Time and the Instrumental Factor (日本初演)
グバイドゥーリナ/ペスト流行時の酒宴(日本初演)
 指揮/下野達也
 サクソフォン/上野耕平
 コンサートマスター/日下紗矢子(特別客員コンサートマスター)

ショスタコーヴィチのエレジーに続きジョン・アダムス(1947-)のサクソフォン協奏曲は上野耕平君の素晴らしいサックスの音色を聴くことができました。
上野君は、茨城県東海村出身で東京芸大を卒業し,日本管打楽器コンクール史上最年少で第1位及び特別大賞をもらい、最近では2018年第28回出光音楽賞を受賞しています。
ジョン・アダムスといえばアメリカの作曲家でオペラ「中国のニクソン」を作曲した人です。サクソフォン協奏曲はジャズ的な雰囲気に包まれます。アンコールがあり上野君が大きな声で「可愛い曲」と言って紹介しましたが、テュドールという人のクオーター・トーン・ワルツでした。
続いて日本初演の作品が2曲、モートン・フェルドマン(1926-87)のOn Time and the Instrumental Factorは、彼が1926年にニューヨークで生まれ、1969年作曲された8分ほどの作品。
ソフィア・グバイドゥーリナ(1931-)のなんとも恐ろしい「ペスト流行時の酒宴」は、プーシキンの戯曲からとられたもの。
ホルンなどのファンファーレから始まり、途中予め録音された電子音が断続的に重ねられて酒宴のクライマックスではホールが飽和状態にまで達します。ソフィア・グバイドゥーリナですから女性でかなりのお年ですが、2005年に作曲されており作曲者はこの曲について「そこに何かあるとしたらそれは希望」と記している。
今回も面白い曲を紹介してくれた下野マエストロ、有り難うございます。