札幌文化芸術劇場 杮落とし公演 バッティストーニ「アイーダ」

10月8日(月)

20018年10月7日に札幌文化芸術劇場 hitaru が誕生し、そのこけら落とし公演に行って来ました。
イタリア・オペラの巨匠ヴェルディの不朽の名作「アイーダ」を、若きイタリア人指揮者アンドレア・バッティストーニの指揮、8日のタイトルロールは木下美穂子さんです。

ヴェルディ/歌劇「アイーダ」
アイーダ/木下美穂子
ラダメス/城宏憲
アムネリス/サーニャ・アナスタシア
アモナズロ/上江隼人
ランフィス/斉木健詞
国王/清水那由太
巫女/松井敦子
伝令/菅野敦
バレエ/名越真夕、春風まこ、高橋滋生、永野亮比己
合唱/二期会合唱団、札幌文化芸術劇場アイーダ合唱団
管弦楽/札幌交響楽団
指揮/アンドレア・バッティストーニ
演出/ジュリオ・チャバッティ

今回は、グランドオペラ共同制作という形で、神奈川県民ホール、兵庫県立芸術文化センター、iichiko総合文化センター、東京二期会、札幌交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団との共同制作となっています。

歌手はA・Bに分かれ私達は札幌2日目のB組ということです。A組は、アイーダがモニカ・ザネッティン、ラダメスが福井敬、アムネリスが清水華澄という共に豪華キャストです。
そして札幌文化芸術劇場は、下の写真にあるように、時計台の隣、テレビ塔の見えるNHKホールの向かい側にそびえ立っています。

このホール、2階のR席で聴いたんですが歌手の声がストレイトに響いてすばらしい音響です。タイトルロールであるアイーダ役の木下美穂子さんの表現力のある声がよく聴き取れたし、ラダメス役の西村悟さんが体調不良で変更になった城宏憲さん、かなりいいテノールだったような気がします。アムネリス役のサーニャ・アナスタシアさんもアムネリスにぴったりの声でしたね。

そしてバッティストーニは最高です。ヴェローナ生まれで、小さい時からアイーダを聴いて見て育っているので、身体の中から湧いてくるようなテンポ感のアイーダでした。

演出はローマ歌劇場との提携公演でマウリツィオ・デイ・マッティアの演出にチャバッティが手を加え、極めてオーソドックスな演出となっています。

カーテンコールは何度もそして熱い〝ブラーヴォ!〟も素敵でした。

なお、神奈川公演は、神奈川県民大ホール 2018年10月20日(土)14:00 A組、21日(日)14:00 B組

兵庫公演は、兵庫県立芸術文化センター 2018年10月24日(水)18:30 A組
大分公演は、iichiko総合文化センター 2018年10月28日(日)13:00 B組

指揮は全てバッティストーニ様ですよ〜〜。

日本橋高島屋 新館オープン

いつも買ってるドレッシングがなくなったので、日本橋高島屋まで行ってびっくり!
いつの間にか新館が出来ていました。(9月25日に開店だったようです)

食品のお店がたくさん入っていて、着飾った奥様達がキャリーバッグを引いて遠くから買いに来ています。
先日「カンブリア宮殿」でやっていた、木村屋の御曹司が創ったパン屋さん「メゾン・カイザー」も旧高島屋の方に入っていたのでバケットやらクロワッサンを買って帰りました、外がパリパリで堅すぎないのでいくらでも食べられる、美味し〜い。
少し先の「COREDO日本橋」のように新高島屋と旧高島屋の間の通りがオープン・カフェになっていて楽しめます。

読響 カンブルラン 「ラ・ヴァルス」

9月28日(金)

読響第581回定期演奏会は、シルヴァン・カンブルラン指揮で、「ラ・ヴァルス」。

曲目
ペンデレツキ/広島の犠牲者に捧げる哀歌
シマノフスキ/ヴァイオリン協奏曲 第1番
〜休憩〜
ハース/静物
ラヴェル/ラ・ヴァルス
指揮/シルヴァン・カンブルラン
バイオリン/諏訪内晶子
コンサートマスター/長原幸太

クシシュトフ・ペンデレツキ(1933ー)は、ポーランドの作曲家、指揮者として活躍する敬虔なカトリック教徒で「広島の犠牲者に捧げる哀歌」によって世界的に知られるようになった。トーン・クラスターと呼ばれる音群の技法により1961年パリで行われた国際作曲家会議に出品し、最高賞のユネスコ賞を受賞した。

同じくポーランドのカロル・シマノフスキ(1882−1937)は、ウクライナの貴族の家系に生まれ、両親からピアノの手ほどきを受けた。ポーランドでは民族意識が高まり音楽においてもシマノフスキ達は「若いポーランド」というグループを1905年に結成し保守的な楽壇と距離を置いた。
諏訪内さんのヴァイオリンでヴァイオリン協奏曲1番は、ポーランドのヴァイオリニスト・コハンスキのために書かれ官能的でオリエンタリズムが息づく。後半のカデンツァは、コハンスキが創っている。
アンコールは、イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ2番の1楽章。

ゲオルク・フリードリッヒ・ハース(1953ー)は、現代のオーストリアを代表する作曲家の一人。創作の初期から平均律の響きに限界を感じ、スペクトル楽派の音楽に基づき幻想的な響きを作り出すようになった。
「静物」も2003年バーデンバーデン&フライブルグSWR交響楽団と首席指揮者だったカンブルランの指揮で初演され、大きな成功を収め、カンブルランに献呈された。
巨大な甲虫の群れが羽音を立てながら襲ってくるような音楽でした。

最後がモーリス・ラヴェル(1875−1937)の「ラ・ヴァルス」。1855年頃の皇帝の宮廷の時代はJ.シュトラウス二世が活躍し、ウインナワルツの音楽に乗せて、全員が同じ方向に向かっていた時代、ラヴェルの音楽には同じように回っても何も生み出すことができないとする虚無感や絶望感が渦巻いている。彼自身、志願兵として前線に赴いた第1次世界大戦後の喪失感に加え、最愛の母親を亡くして心身共に衰弱していた。雲の間に甘美なワルツが聞こえたり消えたりと不思議な「破壊の円舞曲」でした、ラヴェル素敵! カンブルラン、捉えどころのない虚無感が漂って素敵でした。

サルビアホール ウィハンQ ドヴォルザーク3

9月26日(水)

第101回 サルビアホールのクァルテットシリーズ ドヴォルザーク・プロジェクトの3回目は、ヴィオラの小峰航一さんを迎えて弦楽五重奏曲3番を演奏します。

≪ドヴォルザーク・プロジェクト≫
ドヴォルザーク/弦楽四重奏のための「糸杉」7-9
ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲第11番ハ長調作品61
~休憩~
ドヴォルザーク/弦楽五重奏曲第3番変ホ長調作品97
ウィハン・クァルテット
第1ヴィオラ/小峰航一

初めは「糸杉」から
7 とある家の辺りをうろつく
8 この森の中の小川のほとりに
9 ああ、かけがいのない美しい人

「糸杉」から、7(とある家のあたりをうろつく)切ない恋心が揺れているいるような情感がよく出ている。

弦楽四重奏曲11番は1881年ドヴォルザーク40歳の時の作品、前作の10番のスラブ的とは対照的な作品。

最後の弦楽五重奏曲3番は、ドヴォルザーク52歳の1893年の作品、「アメリカ」完成の3日後にこの五重奏曲に着手し、およそ1ヶ月をかけて完成している。なのでとても「アメリカ」に似ているというかボヘミア的で哀愁が漂っている。。京都市交響楽団の首席ヴィオラ奏者の小峰航一さんがファーストヴィオラを担当です。上の写真の中央にいるのが小峰さん。
アンコールは、五重奏曲の3楽章の最後の数小節を。

 

サルビアホール ウィハンQ ドヴォルザーク2

9月25日(火)

第100回 サルビアホールのクァルテットシリーズ ドヴォルザーク・プロジェクト2回目は、「アメリカ」が含まれます。

≪ドヴォルザーク・プロジェクト≫
ドヴォルザーク/弦楽四重奏のための「糸杉」4-6
ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲第8番ホ長調作品80
~休憩~
ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲第12番ヘ長調作品96「アメリカ」
ウィハン・クァルテット

やはり初めは「糸杉」から
4 ああ、私たちの愛に求める幸せは花開かない
5 ここにお前の愛しい手紙を求めて
6 おお、麗しい黄金のばら

ドヴォルザーク(1841−1904)の「糸杉」は、ヴィオラ奏者だった24歳のドヴォルザークが生活のために音楽を教えていたヨゼフィーナ・チェマコヴァに失恋し、モラヴィアの詩人グスタフ・ブレーガー=モラヴィンスキーの詩集「糸杉」を元に18の歌曲を書き上げ、22年経って18曲中12曲が弦楽四重奏用にアレンジされた。

次の弦楽四重奏曲8番はあまり演奏されることのない曲ですが、リラックスして気持ちよく聴ける。
最後の弦楽四重奏曲12番「アメリカ」はさすがチェコのウィハンQ。
アンコールは、「糸杉」から11番目の「地上を静かなまどろみが支配し」よくアンコールで演奏されるおなじみの曲。

 

日本フィル横浜定期 小林研一郎

9月22日(土)

日本フィル第349回横浜定期2018/2019シーズンは、炎の〝小林研一郎〟さんです。
チャイコフスキーのピアノコンチェルトを清水和音さんとで、新たな発見があります。

チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23
~休憩~
ムソルグスキー(ラヴェル編曲)/組曲「展覧会の絵」
指揮/小林研一郎
ピアノ/清水和音
コンサートマスター/木野雅之
ソロ・チェロ/辻本玲

チャイコフスキー(1840−1893)のピアノコンチェルトはあまりにも有名、1874年暮れから75年初頭にかけて作られている。堂々たる演奏の後、
清水和音さんアンコールにショパンの「英雄ポロネーズ」を弾いてくれました。
なんだか一曲追加のようなお得感があり、拍手喝采。
後半のムソルグスキー「展覧会の絵」ラヴェル版は、コバケンらしいメリハリの効いた演奏になっていてよかった。
アンコールは、マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」。

 

サルビアホール ウィハンQ ドヴォルザーク1

9月21日(金)

第99回 サルビアホールのクァルテットシリーズは、今日21日から25日、26日、28日と4回ウィハン・クァルテットによるドヴォルザーク・プロジェクトを行います。

≪ドヴォルザーク・プロジェクト≫
ドヴォルザーク/弦楽四重奏のための「糸杉」1-3
ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲第9番ニ短調作品34
~休憩~
ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲第10番変ホ長調作品51
ウィハン・クァルテット

1985年チェコのプラハ芸術アカデミーの出身者たちによって結成されたウィハン・クァルテット。今回はチェロにプラジャークのミハル・カニュカが加わっていますが、カニュカは今シーズンだけの参加で、現在チェロは空席とのこと。次に来るときには誰になっているでしょうか?

4回の公演始めにドヴォルザークが弦楽四重奏用に編曲した「糸杉」全曲12曲のうち3曲づつ演奏します。
1 分かっているとも、甘い望みを持って
2 これほど多くの人々の胸に死の思いがあり
3 お前の甘い目をみつめながら

糸杉が終わると、とそのまま弦楽四重奏曲9番に移ります。
休憩を挟んで、弦楽四重奏曲10番は、ドヴォルザークらしいスラブ的で民族的な曲が面白い。
アンコールは、はじめの「糸杉」1−3でした。
チェコの名門ウィハン演奏ですからアンサンブルの良さはもちろんそれにカニュカが加わってますますソフトに明るく響きました。

鵠沼サロンコンサート アンドレイ・イオニーツァ

9月18日(火)

鵠沼サロンコンサート第375回目は、チェロの新星アンドレイ・イオニーツァです。
現在24歳、2015年チャイコフスキー国際コンクール、チェロ部門で第1位優勝。聴衆、批評家、審査員から絶賛されました。
そのコンクールで公式ピアニストを務めた薗田奈緒子とのデュオ。

メンデルスゾーン/ピアノとチェロのためのソナタ第2番ニ長調作品58
フォーレ/「シチリアーノ」作品78、「夢のあとに」作品7-1、「蝶々」作品77
~休憩~
マルティヌー/ロッシーニの主題による変奏曲
プロコフィエフ/チェロ・ソナタ ハ長調作品119
チェロ/アンドレイ・イオニーツァ
ピアノ/薗田奈緒子

タイムズ紙に「10年に一度の逸材、最もエキサイティングなチェリストの一人」と称され世界中で注目を浴びている。1994年、ルーマニアのブカレスト生まれ5歳からピアノを、8歳からチェロを始める。そんなアンドレイとまたまた1メーターの距離で演奏が聴けるとはなんという幸せ!です。
メンデルスゾーン(1809−1847)のチェロソナタ
フォーレ(1845−1824)の「シチリアーノ」、「夢のあとに」、「蝶々」はどれも小品で素敵な曲ばかり
マルティーヌ(1873−1943)「ロッシーニの主題による変奏曲」は、ロッシーニの「エジプトのモーゼ」からのテーマ。
プロコフィエフ(1891−1953)は、ロストロポーヴィチに触発されてチェロの曲を書いた。

アンコールは「ルーマニア舞曲」とラフマニノフの「ヴォカリーズ」
「シチリアーノ」も「ヴォカリーズ」もデジブックでよく使われる曲なので心に染み入り、今日は本当にハッピーな夕べでした。

アントニン・レイモンドが設計したエロイーズ・カニングハム の家

アントニン・レイモンドの建物
で紹介したエロイーズ・カニングハム の西麻布の家は
地下鉄表参道駅近くの根津美術館の裏にあります。
先日、音楽茶話会があったので行ってきました。
中央にいるのが日本の青少年に生のクラッシック音楽を聞かせたいと、
100歳まで活動し続けた「エロイーズ・カニングハム」(1899−2000)です。

合宿所兼音楽ホール「ハーモニーハウス」は、軽井沢にあります。
今も音楽会が開かれているようです。
皆様も機会がありましたらどうぞ!

 

クァルテット・エクセルシオ 弦楽四重奏の旅 第6回

9月15日(土)

今日のクァルテット・エクセルシオ弦楽四重奏の旅6回目は、エクのレジデンシャルホールである浦安音楽ホールで行われました。赤いドアが印象的です。

モーツァルト/弦楽四重奏曲第18番イ長調K464
ツェムリンスキー/弦楽四重奏曲第1番イ長調作品4
~休憩~
ドビュッシー/弦楽四重奏曲ト短調作品10

今回の旅は、ウィーンからパリへでしょうか。
プログラムノートには、「世紀末」という言葉が出てきます。
モーツアルト(1756−1791)の弦楽四重奏曲18番は、「ハイドンセット」の5番目に位置する1785年に書かれていますが、この曲は1つの主題を様々に展開する手法で作られており、100年の時を経てドビュッシーが実践している。

ツェムリンスキー(1871−1942)は、まさに世紀末を代表する作曲家ですが「最後のロマン派」と言われるように青春の爽やかさと苦さが同居する素敵な曲をいくつも書いている。1896年25歳で書いた弦楽四重奏曲は、のびのびと瑞々しい。

ドビュッシー(1862−1918)は、反骨と独創性の塊で、1893に作曲されたこの作品は伝統的な弦楽四重奏のルールを公然と破る、何よりも音色の多様さそしてルールを超克する挑戦的な姿勢が特徴。そして弦楽四重奏の性格が異なる2つの主題を用いるのでなく1つの主題を様々に変奏し、編み合わせることで曲にしている。3楽章のくぐもった霧のかかったような大人の雰囲気がとても素敵でした。雲海に浮かぶ古城のような神秘的な感じ。ウィーンやパリのシックで落ち着いた雰囲気が西野・山田・吉田の濃紺のドレスに、大友の薄紫のネクタイに表れていて、ツェムリンスキーやドビュッシーの音楽にぴったりでしたね!

大森の「ル・ガリュウM」のパン屋さん

9月10日(月)

大森のジャーマン通りにあるケーキ屋さんの「ル・ガリュウM」がパン屋さんをオープンさせました。同じジャーマン通りの環七寄りに同じ名前のパン屋さんです。

今日が開店日で、行ったらもう少ししかパンは残っていませんでした。
買ったのが上の3点です、これからお昼が楽しくなります。
開店の記念品が手帳で、手帳はフランス語で「カイエ」(買ぃえ〜)だそうですよ。
(これはうちの物知り、ダジャレ好きの主人の独り言)