インキネン 日本フィル・ヨーロッパ帰国公演 横浜

4月27日(土)

10連休初めの今日は、日本フィル第346回横浜定期公演、ヨーロッパ帰国公演第2弾です。いつものみなとみらいホールでなくて山下公園向いの神奈川県民ホール、
夕方の氷川丸、ぷかり桟橋、チューリップ畑など見ながら、そして村治佳織さんのギターも楽しみな素敵な連休のスタートです。

ラウタヴァーラ/In The Beginning
武満徹/夢の縁へ
     ~休憩~
チャイコフスキー/交響曲第4番へ短調作品36
 指揮/ピエタリ・インキネン
 ギター/村治佳織
 コンサートマスター/木野雅之
 ソロ・チェロ/菊地知也

フィンランドの作曲家、ラウタヴァーラ(1928-2016)のIn The Beginningは、インキネンが委嘱し2015年作曲された7分ほどの小曲。聖書の「創世記」に描かれた世界の創造を思わせる曲で、突然の終わり方がラヴェルの「ボレロ」に似ていると言われる。日本初演は2017年11月の東京定期演奏会で演奏されました。
武満徹のギターとオーケストラのための「夢の縁へ」は、ヨーロッパ公演にはないプログラムですが、プレトークで奥田さんが正確には「ゆめのへりへ」と読むんだと、武満はギターという楽器に特別に魅了されていたし、絵画からもいろいろ触発された。
「夢と数」シリーズで武満は「私の中に、予告なしに顕れてくるある不安定なものーつまり、自分の内面に衝き上げてくるある種のもやもやですねーそう言った夢のヘリを、音楽的に、また数の操作を使って、はっきりさせようという気持ちがあるのです。」という言葉通りの夢のようなもやもやした曲。この曲に合わせてドレスを選んだという村治佳織さんが官能と夢と幻想の世界を演じてくれました。
4月29日はインキネンの誕生日なので、前々日であるゲネプロで佳織さんからインキネンに花束のプレゼントがあったみたいです。
村治佳織さんのアンコールは、武満徹編曲の「オーヴァー・ザ・レインボウ」と「イエスタデイ」
最後はチャイコフスキーの4番、インキネンと日フィルが出会った曲で、完璧な演奏を聴くことができました。
そしてアンコール、シベリウスの「悲しきワルツ」最高でした。

日本フィル・ヨーロッパ帰国公演

4月20日(土)

日本フィル・第709回東京定期演奏会は、ヨーロッパ凱旋公演から帰ったインキネン・日フィル。今回初めてインキネンのふるさとフィンランドを訪れた。
2019年は、日本とフィンランドの外交関係樹立100年と渡邉暁雄の生誕100年と重なる記念すべき年となる。

武満徹/弦楽のためのレクイエム
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番ハ短調作品37
     ~休憩~
シベリウス/交響曲第2番ニ長調作品43
 指揮/ピエタリ・インキネン
 ピアノ/ジョン・リル
 コンサートマスター/木野雅之(ベートーヴェン)、扇谷泰朋(武満、シベリウス)
 ソロ・チェロ/菊地知也(ベートーヴェン)、辻本玲(武満、シベリウス)

武満徹の弦楽のためのレクイエム、プレトークでヨーロッパ公演に同行した池田卓夫氏が、ツアーを重ね〝回を重ねるごとに色っぽくきこえる〟と言っていた。

50年以上世界の第一線で活躍しているピアニストのジョン・リルは現在ロンドンに住んでおり1977年、2005年大英帝国勲章を授与されているすごい人です。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲3番の調性は「ハ短調」で、「運命」などと一緒。肩でなく肘から下の筋肉だけで曲を弾くテクニックを持っている。

最後はやはりシベリウスですね。交響曲2番です。

クァルテット・ヴァン・カイック

4月19日(金)

サルビアホール クァルテット・シリーズ第111回は、パリを拠点として活躍するクァルテット・ヴァン・カイックです。

モーツァルト/弦楽四重奏曲第15番ニ短調K421
ラヴェル/弦楽四重奏曲ヘ長調
     ~休憩~
ブラームス/弦楽四重奏曲第2番イ短調作品51-2
 クァルテット・ヴァン・カイック Quatour Van Kuijk

2012年に結成、BBCニュー・ジェネレーション・アーティスト、2015年のウィグモアホール国際弦楽四重奏コンクールでベートーヴェンおよびハイドンのベスト賞、トロンハイム国際室内学コンクールにて第1位及び聴衆賞受賞。また ECHOライジングスター2017/18にも選出されるなど活躍の場は、世界中に広がっている。今回もサイン会には長蛇の列が並びました。
やはり、ラヴェルが良かった、それから軽くフランス的なブラームスも。
アンコールは、プーランク作曲3つの歌曲から「愛の小径」



読響 オラリー・エルツ

4月17日(金)

第587回読響定期演奏会は、指揮がオラリー・エルツと ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲がヴィルデ・フラングです。

トゥール/幻影(共同委嘱作品/日本初演)
ストラヴィンスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調
     ~休憩~
武満徹/星・島
シベリウス/交響曲第5番変ホ長調作品82
 指揮/オラリー・エルツ
 ヴァイオリン/ヴィルデ・フラング Vilde Frang
 コンサートマスター/日下紗矢子

指揮者のオラリー・エルツ(1971〜)は、ヤルビーファミリーと同じエストニア出身。現代音楽も得意とするトゥール(1959〜)は同じエストニア出身の作曲家で今日の「幻影」は日本初演となり、長身・イケメンの作曲家自身もサントリーホールに姿を現し舞台に上がった。世界初演はこの4月3日フィンランドで演奏されたばかり。トゥールは父親がラジオで聴いていたベートーヴェンの「コリオラン」序曲がなかったら作曲家になることがなかったと言っており、ベートーヴェンへのオマージュとして「幻影」を作曲したという。
次のストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲は、1986年ノルウェー生まれ、美しい音色と音楽性で、世界中の音楽シーンから引く手あまたのヴィルデ・フラングがヴァイオリン協奏曲というよりは即興的なジャズの感じ、スイング調のまるで自然のジャングルを彷徨っているかのようなフレーズを楽しんで弾いているストラヴィンスキーの魅力的な曲と素敵な小悪魔の演奏かしら。
ストラヴィンスキーが1959年に日本に来て無名の作曲家のテープを聴き、絶賛した作曲家こそ武満徹で、その作品が「弦楽のためのレクイエム」。「星・島」は、アマチュア団体のために作曲された2曲のうちの一つで、早稲田大学の創立100周年を記念して作曲された。
最後はフィンランドの作曲家シベリウス(1865-1957)の交響曲第5番は、「戦争が始まった」1914年に構想を練り始め、1915年「今日、16羽の白鳥を見た、人生の最高の経験の一つ! 自然の神秘と人生の苦悩!」として、白鳥の姿や鳴き声、自然の情景からも着想を得て書かれ、華やかな祝典において初演された。
新鮮な曲を提供してくれるエルツに期待が膨らむ。クリスティアン・アルミンクやダン・エッティンガーと同年代だそうです。



向山佳絵子・迫昭嘉リサイタル

4月16日(火)

第380回鵠沼サロンコンサートは、チェロの向山佳絵子さんとピアノの迫昭嘉さん。

ベートーヴェン/「魔笛」の主題による12の変奏曲作品66
ベートーヴェン/チェロ・ソナタ第2番ト短調作品5-2
     ~休憩~
バルトーク/ルーマニア民俗舞曲
ドホナーニ/チェロ・ソナタ変ロ短調作品8
 チェロ/向山佳絵子
 ピアノ/迫昭嘉

ピアノの向山佳絵子さんは東京生まれ、鵠沼サロンコンサートが始まった翌年の1991年が初登場で、「向山佳絵子の世界」と題したシリーズで何度か登場したことがあり、今回は14年ぶりだそうです。
一方、迫昭嘉さんも藤沢リラホールでベートーヴェンのピアノソナタ連続演奏が人気だったそうです。
お二人とも東京芸術大卒で、数々の賞を取られている有名な演奏家、現在は京都や東京で後進の指導にあたってもいる。というわけで今日の演奏会には昔懐かしいファンが来ていて熱気に溢れていました。

ベートーヴェンの楽しい「魔笛」の主題の後は、重厚なチェロ・ソナタ2番
有名なバルトークのルーマニア民族舞踊と
ドホナーニのソナタは、皆さんに知っていただこうと選んだそうですが「疲れる!」と向山さんが演奏後に言っていました。
アンコールはフォーレのシシリアーノとパラディスのシシリアーノ。
フォーレのシシリアーノはデジブックでよく使う曲なのですが、ナクソスの曲と全く一緒の演奏に感心しました。

力強いチェロの響きに圧倒され、ソフトタッチのピアノが隙間を埋めるように色を添えてゆくようなそんな演奏会でした。

関西弦楽四重奏団

4月15日(月)

鶴見のサルビアホール 第110回クァルテット・シリーズは、関西を中心に活躍する第一線のプレイヤーたちが、2012年に設立した、関西弦楽四重奏団です。
彼らは京都の「カフェ・モンタージュ」でサロン・コンサートを開いており、さらに発展させようとしている。

田村安祐美     林七奈     上森祥平       小峰航一
   (ヴァイオリン)       (チェロ)     (ヴィオラ)

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第16番へ長調作品135
     ~休憩~
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調作品131
 関西弦楽四重奏団

京響でおなじみの首席ヴィオラ奏者の小峰航一くんやヴァイオリンの田村安祐美さん。林七奈さんは大阪交響楽団コンサートマスター、上森祥平くんは、チェロのソリストとして活躍中の面々。
ベートーヴェン(1770-1827)は、「第九」交響曲を書き上げた後、弦楽四重奏の作曲に没頭し、5曲の弦楽四重奏曲(+大フーガ)を完成させた。この16番は最後の曲で、1826年の秋に完成、その直後に発病し、翌年3月26日に帰らぬ人となった。
第16番はシンプルに4楽章ですが、第14番は、ロシアの貴族ニコライ・ガリツィン公爵から依頼されて書いたもので7楽章編成、ただし全曲はアタッカで切れることなく続けて演奏される。
高い集中力と丁寧な演奏で、ベートーヴェンの世界に引き込まれた充実した数時間でした。写真で立っているのが林さん、右端が小峰さん。



ながらの春 室内楽の和・音楽祭2019

千葉県の長柄にある「リソル生命の森リゾート」内の真名カントリークラブの特別室「むくげ」において、コンサートが開かれました。
今年は4回目となり、クァルテット・エクセルシオが中心となって
4月3日(水)・5日(金)・7日(日)コンサート(真名カントリークラブ)

これと同時に、ゴーシュ音楽院では、
4月2日(火)〜6日(土)Q.エクセルシオによる室内楽セミナーが開かれておりました。

コンサート後、喫茶室「あじさい」でケーキとコーヒーのサービスがあり、3日間全出席の私たちは、こんなに食べてしまいましたよ!
出演者たちは、私服でほとんど初見のアンコールを披露してくれるのも「あじさい」での恒例の行事となっています。
連日、リソル生命の森では、桜や花桃が満開となって楽しませてくれています。
クァルテット・エクセルシオのメンバーとゴーシュ音楽院の講師の先生方のドレス姿も素敵ですね。

4月3日(水)14時開演
ハイドン/弦楽四重奏曲作品20-2
メンデルスゾーン/弦楽四重奏曲第1番作品12
     ~休憩~
ブラームス/弦楽六重奏曲第1番作品18
 クァルテット・エクセルシオ
 高橋梓(ヴィオラ)、大友裕子(チェロ)

4月5日(金)14時開演
ベートーヴェン/「魔笛」の「娘か女か」の主題による12の変奏曲作品66
プッチーニ/弦楽四重奏のための「菊」
ブラームス/ヴィオラとピアノのためのソナタ第2番
     ~休憩~
ブラームス/ピアノ五重奏曲
 クァルテット・エクセルシオ
 野本哲雄(ピアノ)、荘司成子(ピアノ)

4月7日(日)11時開演
ブリッジ/ファンタジー弦楽四重奏曲
ハルヴォルセン/ヘンデルの主題によるサラバンドと変奏曲
プーランク/クラリネット・ソナタ
     ~休憩~
モーツァルト/クラリネット五重奏曲
 クァルテット・エクセルシオ
 高橋梓(ヴィオラ)、荘司成子(ピアノ)、大和真弥(クラリネット)

最後のモーツァルトのクラリネット五重奏曲 素敵でしたね!
また来年楽しみにしています。

京都植物園 ドラクラ・ギガス

3月半ばに京都植物園に行った時の写真ですが、面白いでしょう!

まず上の左から アストロキア サルバドレンシス まるでスター・ウォーズに出てくるダースベーダーみたいでしょっ。

上の中央は メディニラ・マグニフィカ  です。たまたま花の枯れ具合が笑い顔に似ていた?

上の右は、「サル」の顔のように見えるランの種類の ドラクラ・ギガス 京都植物園でも注目の植物です。

そして下の左は「果実の王様」と言われるドリアンの花です。国内での開花は珍しく京都植物園の温室内では25年前に別の木で開花が確認されたが結実には至らなかったそうです。

カンブルラン「グレの歌」

3月14日(木)

九年間、読売日響の常任指揮者を務めてきたシルバン・カンブルランがこの3月で退任となります。最後の定期演奏会は、シェーンベルクの「グレの歌」

シェーンベルク/グレの歌
 指揮/シルヴァン・カンブルラン
 ヴァルデマル/ロバート・ディーン・スミス Robert Dean Smith
 トーヴェ/レイチェル・ニコルズ Rachel Nichols
 森鳩/クラウディア・マーンケ Claudia Mahnke
 農夫・語り/ディートリヒ・ヘンシェル Dietrich Henschel
 道化師クラウス/ユルゲン・ザッヒャー Jurgen Sacher
 合唱/新国立劇場合唱団(合唱指揮/三澤洋史)
 コンサートマスター/小森谷巧
 字幕/岩下久美子

アルノルト・シェーンブルク(1874-1951)は、1900年-03年にデンマークの詩人・小説家のイェンス・ペーター・ヤコブセンの手による「グレの歌」を作曲した。シェーンブルクは、世紀転換期のウィーンに生まれ、20世紀の音楽の方向性を定め現代音楽に決定的な影響をを与えた作曲家で、後期ロマン派から無調への二つの特徴を備えたこの作品は聴衆に好意的に受け入れられた。
「デンマークの王ヴァルデマルⅠ世はグレの地にある狩猟用の城で、侍従の娘トーヴェと許されぬまま幸福な愛の生活を送っていたが嫉妬に萌える王妃ヘルヴィヒに謀られトーヴェは毒殺されてしまう。」という伝説に基づいた愛と自然賛歌の大スペクタクルでカンブルラン最後の本領発揮でしょうか。
カンブルランは、2017年の11月には読響とメシアンの「アッシジの世フランチェスカ」で、音楽の友誌の「コンサート・ベストテン2017」で第1位に選出されるなど大奮闘をして、この3月退任、4月から桂冠指揮者となります。
いつものように嵐のようなブラボーに拍手、呼び戻しがあり大騒ぎの幕切れでした。

広上・京響 第632回定期演奏会

3月16日(土)

先週の日曜日は、名古屋で広上・京響でマーラーの「巨人」を聴きましたが、今日は本場京都で広上・京響のマーラーの7番「夜の歌」を聴くことになりました。

マーラー/交響曲第7番ホ短調「夜の歌」
 指揮/広上淳一
 コンサートマスター/泉原隆志

グスタフ・マーラー(1860-1911)の「夜の歌」は、今回、指揮者の高関健さんによる現代において演奏しやすい高関バージョンの楽譜によって演奏されるということです。例によって今日も満席。「夜の歌」という名前のため人気がなかったと言われるのですが、広上マエストロの手にかかると一振り一振りに楽団員が最高の音楽で答える雰囲気ができている。全体で5楽章でもあまり長く感じられないくらい複雑な音の組み合わせが面白い。

演奏会後は京都・東山花灯路2019に行ったり、城南宮の枝垂れ梅や椿、はたまた京都植物園温室で奇怪な植物を見たりと京都の懐が深いところを十分感じられる旅でした。マーラー先生、広上先生、有難う。

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