広上淳一と京都市交響楽団

9月18日(月)

2014年度第46回サントリー音楽賞を受賞した広上淳一さんと京都市交響楽団の演奏会、もちろんサントリーホールです。
京都で、2015年のスプリングコンサートのときに受賞のことを聴きましたが、広上京響を聴くために何度も京都へ足を運んだ私たちにもうれしい今回の東京凱旋公演です。

武満徹/フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム
~休憩~
ラフマニノフ/交響曲第2番
管弦楽/京都市交響楽団
指揮/広上淳一
打楽器/中山航介、宅間斉、福山直子、大竹秀晃、高橋篤史
コンサートマスター/会田莉凡(客演コンサートマスター)
フォアシュピーラー/泉原隆志

凱旋公演にふさわしい初めは武満徹の曲、5人の打楽器奏者が中心の
From Me Flows What You Call Time という題がついていて、
(微風/独奏者たちの登場、予感、高原、環状の地平線、風が吹く、予感、
蜃気楼、ひるがえる風の馬、約束の土地、生の歓びと悲しみ、祈り)  という副題もついている。
5を重要なキーナンバーとしていて、曼荼羅の5色、打楽器奏者が操るリボンとポケットのハンカチの色は、チベットの「風の馬」と呼ばれる一種の占いと関わっている。5本のリボン(青、赤、黄、緑、白)が、左右のライトの部分から舞台へ垂れ下がっているのはとても面白い。
珍しい曲を味わった後には、ラフマニノフの2番で、中身の濃い素晴らしい演奏でした。
アンコールはモーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプスをチャイコフスキーが管弦楽にアレンジしたもの。

バッティストーニのヴェルディ「オテロ」

9月10日(日)

バッティストーニ指揮のヴェルディ「オテロ」演奏会形式 オーチャードホールにて

昨年10月から東フィルの首席指揮者に就任したバッティストーニ、昨年は「イリス」を演奏会形式で上演し、今年は、「オテロ」です。

ヴェルディ/歌劇「オテロ」(演奏会形式)
管弦楽/東京フィルハーモニー交響楽団
指揮/アンドレア・バッティストーニ
映像演出/ライゾマティクスリサーチ
オテロ/フランチェスコ・アニーレ
デズデーモナ/エレーナ・モシュク
イアーゴ/イヴァン・インヴェラルディ
ロドヴィーコ/ジョン・ハオ
カッシオ/高橋達也
エミーリア/清水華澄
ロデリーゴ/与儀巧
モンターノ/斉木健詞
伝令/タン・ジュンボ
合唱/新国立劇場合唱団(合唱指揮/冨平恭平)
児童合唱/世田谷ジュニア合唱団(合唱指揮/掛江みどり)

アンドレア・バッティストーニは、1987年ヴェローナ生まれの30歳で、現在最も注目されている指揮者です。
アリアは聞いたことがありましたが、オペラとしての「オテロ」を聴いたのは初めてで、やはりヴェルディにかかるとシェイクスピアも負けそうと思えるくらいの迫力ですね。
とにかくイアーゴが主役じゃない?と思えるほど強力で、イヴァン・インヴェラルディさん素晴らしかった。
オテロ役のフランチェスコ・アニーレさん、「イリス」でも出演していましたが少し声がかすれたかな、後半は乗ってきましたが、最後死ぬ時はかすれ声がちょうどよかった。
デスデモーナ役のエレーナ・モシュクさんも素敵、日本にたくさんのファンがいるらしく女性からのブラーボが多い。
オペラの「オテロ」凄いな! イギリス作家シェイクスピアの陰湿な悲劇がこんなにもドラマティックになるんですね。

来年の秋にはバッテイストーニ指揮で、札幌文化芸術劇場がこけら落とし公演ヴェルディ「アイーダ」を上演し、その後神奈川県民ホール、兵庫県立芸術文化センター、大分・iichiko総合文化センターでも上演されるらしいです。

日フィル・第693回 東京定期演奏会

9月8日(金)

9月サントリーホールの改修後の日フィル演奏会は、首席指揮者の山田和樹さん

ブラッハー/パガニーニの主題による変奏曲
石井眞木/遭遇Ⅱ番作品19(日本フィル・シリーズ第23作)
~休憩~
イベール/交響組曲「寄港地」
ドビュッシー/交響詩「海」
指揮/山田和樹
雅楽/東京楽所(とうきょうがくそ)
コンサートマスター/扇谷泰朋
フォアシュピーラー/千葉清加
ソロ・チェロ/菊地知也

今回は「異なるものの出会い」としてエストニア出身のドイツ人の息子として遼東半島の付け根に生まれたボリス・ブラッハーとその弟子である石井眞木の作品。
ブラッハーは、パガニーニの奇想曲24番のテーマを16の異なった視点で眺めるモダンな変奏曲で、
石井眞木は、日本フィルの委嘱作品ですが、管弦楽曲と雅楽合奏を同時に演奏し、どちらが先に演奏し始めてもいい指揮者の意向で変化するチャンス・オペレーション作品という面白い曲。
雅楽奏者が10人ばかり舞台右手前に座って、管弦楽と合奏する。
あと、イベールの「寄港地」とドビュッシーの交響詩「海」
今回隠れテーマは、ジャズということで、珍しい作品を聴くことが出来ました。

読響 第571回 定期演奏会

9月6日(水)

朝晩は少し過ごし易くなってきたようなこの頃、秋の演奏会シーズンがやってきました。今日はギドン・クレーメルのヴァイオリン演奏が聴けます。

ヴァインベルク/ヴァイオリン協奏曲ト短調作品67(日本初演)
~休憩~
ショスタコーヴィチ/交響曲第4番
指揮/ヤツェク・カスプシク
ヴァイオリン/ギドン・クレーメル
コンサートマスター/荻原尚子
フォアシュピーラー/長原幸太

指揮者がポーランドのヤツェク・カスプシクで母国生まれの作曲家ヴァインベルクのヴァイオリン協奏曲を日本初演する。
ヴァインベルクは、ポーランドのワルシャワ生まれのユダヤ人で、家族はすべてナチスのポーランド侵略の時、殺されている。
ユダヤ人大好きの私ですから、興味津々。
全体にポーランド的、ユダヤ的な旋律が流れて素敵です。
初演以来誰も手を付けなかったのですが、クレーメルが近年蘇演し、にわかに脚光を浴びている、そのクレーメルです。
アンコールは同じヴァインベルクの24の前奏曲集から第4曲と第21曲、チェロのために書かれた無伴奏の曲をヴァイオリンで弾きました。なんとショスタコーヴィチのチェロソナタそっくりの部分もあり、何とも複雑なヴァインベルクとショスタコーヴィチとクレーメルの関係ですこと。
後半はショスタコーヴィチの交響曲4番です。
読響パワー全開の大音響の演奏でした。

第8回 チェルトの森 アフタヌーン・コンサート

8月5日(土)

8月初めの土・日は、このところ毎年、蓼科高原チェルトの森「むさし庵」にてQ・エクセルシオの演奏会が開かれています。
演奏会ついでに爽やかな高原の空気をいっぱい吸って、朝市で新鮮な野菜を買い、吐竜の滝でマイナスイオンを浴びてきました。

曲目は、

モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲
ボロディン/弦楽四重奏曲第2番ニ長調
~休憩~
ヴィヴァルディ/協奏曲集「四季」より春と夏
ピアソラ/「ブエノスアイレスの四季」より秋と冬

 

 

土曜日のプログラムは、ボロディンやヴィヴァルディ、ピアソラなど楽しい曲ばかりで、ヴィヴァルディの四季では窓から雷の音が本当に聞こえてきたと大友君が言っていました。

高原ならではの演奏会、アフター・コンサートでは、ワインとおつまみが振る舞われて、また仲間が増えました。

 

二期会「ばらの騎士」

7月29日(土)

二期会のオペラ「ばらの騎士」は、東京は東京文化会館、7月26日(水)、7月27日(木)、29日(土)、30日(日)公演。 他には愛知県芸術劇場、iichiko総合文化センターなどで公演予定。
私たちは29日(土)に行きました。

リヒャルト・シュトラウス/歌劇「ばらの騎士」
元帥夫人/林正子
オックス男爵/妻屋秀和
オクタヴィアン/小林由佳
ファーニナル/加賀清孝
ゾフィー/幸田浩子
マリアンネ/栄千賀
ヴァルツァッキ/大野光彦
アンニーナ/石井藍
警部/斉木健詞
元帥夫人家執事/吉田連
ファーニナル家執事/大川信之
公証人/畠山茂
料理屋の主人/竹内公一
テノール歌手/菅野敦
3人の孤児/大網かおり、松本真代、和田朝妃
帽子屋/藤井玲南
動物売り/芦澤佳通
元帥夫人の下僕/坂詰克洋、森田有生、岸本大、東嶋正彦
給仕/坂詰克洋、森田有生、岸本大、篠木純一、東嶋正彦
オックス男爵の庶子/石井一也、五十内成明、川ノ上聡、浜田和彦、保坂真悟、寺内一真
オックス男爵の子供たち/NHK東京児童合唱団
モハメッド/ランディ・ジャクソン(文学座)
レオポルト/光山恭平(文学座)
メイド、モデル/岡庭瞳、清水茜
クチュリエール/森彩乃
代理人、指揮者/神谷真士
フロイト/若泉亮
レオポルトの彼女/秋戸美奈子
動物売りの犬/新井きのこ
合唱/二期会合唱団
管弦楽/読売日本交響楽団
指揮/セバスティアン・ヴァイグレ
演出/リチャード・ジョーンズ

指揮はセバスティアン・ヴァイグレ、ヴァイグレは、METでこの5月にも「ばらの騎士」を指揮しています。
また、グラインドボーン音楽祭との提携公演で、舞台装置、衣装はグラインドボーンと同じで、とてもカラフルでセンスに溢れています。
演出はリチャード・ジョーンズ、イギリスを代表する演出家のひとりとして数々のオペラを演出している。

今回の公演で、ゾフィー役の幸田浩子さんは有名ですが、その相手オクタヴィアン役の小林由佳さんとのツーショットがとっても良い。多分小林由佳さんの魅力だと思うんですが、涼しげな目とズボン役のスタイルの良さでしょうか。一人素敵な歌手見つけた!

あと、オックス男爵の妻屋さん、前の公演でも大活躍でしたが今度も大笑いでした。

最後の三重唱の場面では、部屋も三角形で、ドアが三つ、とてもカラフルで面白い演出で、さすがグラインドボーン、リチャード・ジョーンズです。

演奏は読響なので、ソロ部分も安心。二期会の「ばらの騎士」でしたらどこに出してもやって行ける。

四重奏やオーケストラだけの演奏会とは違いオペラではの観客層の華やかさがありますね。木下美穂子さんエルザ役の「ローエングリン」もチケット売り出していました。

帰り際に、近くの上野動物園のパンダの赤ちゃんの名前〝カンカン〟はど~かしらと。

広上・京響を聴きに名古屋へ

7月17日(月)

名古屋駅近辺は、この4月にJRゲートタワーが出来上がり、ますます高く高く聳え立っています。

この数年夏の暑い時期に、名古屋の友達と〝名古屋で京響・広上を聴く会〟をしていてます。
今回は祝日ということもあって、愛知県芸術劇場コンサートホールにて 夕方5:00からです。

ブラームス/大学祝典序曲
ブラームス/ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
~休憩~
ブラームス/交響曲第3番
指揮/広上淳一
ヴァイオリン/ピンカス・ズーカーマン
チェロ/アマンダ・フォーサイス
コンサートマスター/豊嶋泰嗣(ゲスト)
フォアシュピーラー/泉原隆志

オール・ブラームス・プログラムで、最初は壮麗な「大学祝典序曲」
この7月16日で、69才になったピンカス・ズーカーマンと奥様でブロンドが印象的なアマンダ・フォーサイスのブラームスの「ドッペル・コンチェルト」は、ぴったりと息が合っていて最高でした。
アマンダ・フォーサイスさん、華やかな雰囲気を持っていて、チェロの腕前も確かだし、ズーカーマンと一緒だとさらに輝いて魅力的、アンコールはグリエールの二重奏曲第7番のスケルツォでした。
最後はブラームスの交響曲第3番、ブラームスの交響曲の中で最も地味な曲ですが、このごろ巨匠風になってきた広上さんらしくゆっくり目だけれども引き締まった素敵な演奏でした。
アンコールはオール・ブラームスなのでハンガリー舞曲かなと思ったら、この暑さを吹き飛ばすような北欧の作曲家ラーションの田園組曲からロマンス、涼しげで抒情的で最後も静かに終わりました。

余り素敵なので京響ブログからお借りしました。
ピンカス・ズーカーマンさん、アマンダ・フォーサイスさん、広上淳一さん

 

演奏が終わってもまだ7時くらいなので、栄、三越の隣のラシックビル7階の〝宮きしめん竹三郎〟へ

名古屋セットは、きしめん、みそかつ、手羽先、天むすなど、名古屋名物がいっぱい!
ざるきしめん、天麩羅付きもおいしそう!

年に一度だけ会う七夕のようなグループ、来年も「広上・京響 名古屋公演」やってくださいね。

広上「ツァラトゥストラはかく語りき」

7月8日(土)

日本フィル第692回東京定期演奏会 広上淳一指揮 東京芸術劇場

モーツァルト/歌劇「魔笛」序曲
ラヴェル/左手のためのピアノ協奏曲
~休憩~
リヒャルト・シュトラウス/交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」
指揮/広上淳一
ピアノ/ジャン=エフラム・バヴゼ
コンサートマスター/千葉清加
フォアシュピーラー/齋藤政和
ソロ・チェロ/辻本玲

この広上さんの「ツァラトゥストラはかく語りき」を聴きたいので、
クァルテット・エクセルシオの定期演奏会を札幌で聴くこととなったのですが
結果、楽しい札幌旅行となりました。本当に関係の皆様、有難うございました。

やはり、「ツァラトゥストラはかく語りき」は、蒸し暑い池袋の芸術劇場がぱっと壮大な宇宙になりました。
ニーチェの思想書「ツァラトゥストラはかく語りき」に触発されてリヒャルト・シュトラウスが同じタイトルの交響詩を書き上げたもので、9つの音楽の部分にニーチェの著作からとった言葉をタイトルとして付けている。
ラヴェルの「左手のためのピアノ協奏曲」を弾いたジャン=エフラム・パヴゼさん、イギリスの音楽誌「グラモフォン」において2017年の「グラモフォン・アワード」にノミネートされています。日本人のピアニストで聴いた時よりずっと力強いピアノでした。アンコールは、ドビュッシーの「アラベスク」。

 

ゆにガーデンと夕張メロン

札幌から一日バスツアーで、丸ごと北海道いいとこ巡りコース(ゆにガーデンとノーザンホースパークと夕張メロン食べ放題コース)を選んだんですが、

ゆにガーデンのyoutubeを作ってみました。

今度は夕張

夕張の「めろんテラス」のランチビュッフェは、メロン食べ放題のセットがついていて、
写真のような夕張メロンが食べ放題、1日バスツアー大人6000円のコース分くらいメロンを食べてしまったようです。
あまり人気があると中止になってしまうかも!

北海道中央バスの(http://teikan.chuo-bus.co.jp/course/307)です。

札幌で、エクの定期演奏会を聴く

月27日(火)

朝8:00発 ANAの飛行機で千歳空港へ
札幌市内を観光してから夕方7:00~ Kitaraホール
クァルテット・エクセルシオ第10回札幌定期演奏会に行きました。

曲目

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第2番ト長調作品18-2「挨拶」
シューベルト/弦楽四重奏曲第11番ホ長調D353
~休憩~
ブラームス/弦楽四重奏曲第2番イ短調作品51-2

その後は「雪国食堂」へ繰り出して、

こんなお刺身などなどを食べ、こんなになっちゃいました。

次の日は

シューマン・クァルテット

6月17日(土)

晴海の第一生命ホール、ウイークエンドクァルテット・シリーズのシューマン・クァルテット2日目を聴きに行きました。

ヴィオラのリザ・ランダルしか写っていませんが、シューマン兄弟もとってもハンサムです。
(コンサート後のサイン会にて)

ソリストとして知られるエリック・シューマン(長男)がファースト、
弟のケン・シューマン(次男)がセカンド、
マーク・シューマン(三男)がチェロ、
エストニア出身のリザ・ランダルがヴィオラ。

2007年にケルンで結成された弦楽四重奏団
2013年ボルドー国際弦楽四重奏コンクールで優勝、と同時にプロクァルテット賞受賞。
2016年より3年間、NYのリンカーン・センター室内楽協会のレジデントに大抜擢、2015/16年はエステルハージ宮殿のレジデントを、2009年よりデュッセルドルフのロベルト・シューマン・ホールでレジデントを務めている。

曲目

モーツァルト/弦楽四重奏曲第23番「プロイセン王第3」
武満徹/ランドスケープⅠ
~休憩~
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第13番作品130

プロイセン王から作曲を依頼されたといわれる3番、
武満徹「ランドスケープ」は、雅楽の笙を参考にしてヴィブラートを使用しなかったり、日本的な書の緊張感など日本的単彩主義の作品、シューマン兄弟のお母様が日本人の影響でしょうか。
ベートーヴェンの13番は、大フーガなしのフィナーレ付きのもの。

アンコールはハイドンの「鳥」四重奏曲32番作品33-3から第2楽章スケルツォ・アレグレットはトリオの部分、エリックとケンの二重奏がとっても綺麗でした。

シューマン・クァルテット ホームページ(http://www.schumannquartett.com/

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