クルト・ヴァイルのオペラ「7つの大罪」

「7つの大罪」と言えば、映画「セブン」を思い出しますが、クルト・ヴァイル(1900-1950)の生誕120年、没後70年の記念としてイングランド北部の都市リーズにある国立劇場、Opera Northの舞台からクルト・ヴァイルの「7つの大罪」をオンラインで配信しています。
キリスト教の「怠惰、傲慢、激怒、飽食、好色、貪欲、嫉妬」という7つの大罪を、「瀕死の白鳥」のパロディーや、ヒップホップ、モダンダンス、などの踊りで表現していて、ミュージカルのような軽い気分で楽しめます。

https://youtu.be/hgV-NBt0wIw

ブレット・ディーン「ハムレット」

グラインドボーンの4月のおすすめは、ブレット・ディーンの「ハムレット」2017年の公演です。
METのトーマスの「ハムレット」(1868年初演)を(2010年3月27日公演)サイモン・キーンリーサイドで見ましたが、
ブレット・ディーン(1961〜)の「ハムレット」は、ディーンがオーストラリア人なので英語のオペラとなり、シェイクスピアの美しい言葉をそのままオペラに持ち込んでいて味わい深い。そしてヴェテランのロッド・ギルフリーやサラ・コノリーが悪役の王と妃になっているところはとてもこのオペラを質の高いものにしている。
6月にはメトロポリタンオペラが、同じ主演、演出で、初演を行います。
さすが、グラインドボーンは英国のオペラハウスですね!

キャスト

  ハムレット/アラン・クレイトン
 ガートルード/サラ・コノリー
 オフィーリア/バーバラ・ハンニガン
 クローディアス/ロッド・ギルフリー
 ポローニアス/キム・ベグリー
 先王ハムレットの幽霊/ジョン・トムリンソン
 ホレイショー/ジャック・インブライロ
 レアティーズ/デイヴィッド・バット・フィリップ
 ローゼンクランツ/ルパート・エンティクナップ
 ギルデンスターン/クリストファー・ローリー
 グラインドボーン合唱団
 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
 指揮:ヴラディーミル・ユロフスキ
 演出:ニール・アームフィールド
 装置:ラルフ・マイヤーズ
 衣装:アリス・バビッジ

シェイクスピアの「ハムレット」は多くのの作曲家がオペラにしていますが、ブレット・ディーンは、オーストラリアの作曲家、台本を手がけたマシュー・ジョスリンも台詞の順序や配役を変えていますが全ての台詞をシェイクスピア戯曲から取ってきており、シェイクスピア劇としての言葉の美しさを楽しむことができる。
音楽はシェーンベルクのような無調音楽をあらゆる楽器が奏で続けるといった現代音楽作品で、幽霊が出てくるところは不気味さが倍増されて効果的。
タイトルロールのアラン・クレイトン(1981~)はこの作品で実力派歌手としての功績を讃えられロイヤル・フィルハーモニック協会音楽2017で「歌手賞」を受賞し、オフィーリア役のバーバラ・ハンニガンの狂乱シーンも見事な演技力を見せつけました。先王のハムレットの幽霊と墓掘りとプレイヤーの一人3役のジョン・トムリンソンがいい味を出していましたね。指揮はグラインドボーンの前音楽監督ウラディーミル・ユロフスキ、力強い指揮ぶりでオペラ全体を盛り上げていた。

What a piece of work is man, How noble in reason, how infinite in faculty, In form and moving how express and admirable, In action how like an Angel, In apprehension how like a god, The beauty of the world, The paragon of animals. And yet to me, what is this quintessence of dust? Man delights not me; no, nor Woman neither; though by your smiling you seem to say so.
この有名なセリフがすべて出てきますよ!

 

日本フィル演奏会後ホテルオークラにてお花見

4月2日(土)

金曜日から土曜日に変更になった日本フィルの演奏会、今日はコバケンのシューマンとブラームスでした。
演奏後、久しぶりに会った音楽仲間とホテルオークラでお花見をしました。
オークラは改装したばかり、オールデイダイニング「オーキッド」は自由な雰囲気でとっても居心地がよかった。

メトロポリタン歌劇場「ウクライナのためのコンサート」

ニューヨークのメトロポリタン歌劇場が3月14日に特別コンサート「ウクライナのためのコンサート」を開催すると発表しました。
指揮は音楽監督のヤニック・ネゼ=セガン。コンサートはライブストリーミング配信され、ロシアの侵略で多くの犠牲者を出しているウクライナへの連帯を全世界の発信する。
コンサートは3月14日午後6時から
ウクライナ国歌の演奏の後、
ウクライナの作曲家ヴァレンティン・シルヴェストロフの《ウクライナへの祈り》、
バーバーの《弦楽のためのアダージョ》、
ヴェルディ《ナブッコ》から第3幕の合唱“行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って”、
ソプラノのリゼ・ダヴィドセンの独唱でリヒャルト・シュトラウス《4つの最後の歌》などを演奏する。
ベートーヴェンの交響曲第9番から第4楽章のフィナーレも演奏。
歌手陣はエルザ・ファン・デン・ヘーヴァー、ジェイミー・バートン、ピョートル・ベチャワ、ライアン・スピード・グリーンエルザ・ヴァン・デン・ヒーバー、ジェイミー・バートン、ピョートル・ベッツァワ、ライアン・スピード・グリーンという顔ぶれ。
3月14日 メトロポリタン歌劇場  にどうぞ!
時差がありますが、無料で聴くことができます。

ゲーム・オブ・スローンズ

最近、高音質、高画質の4Kテレビを買ったって言いましたが、これで映画や海外ドラマを見るとすごい迫力です。
少し前は、「アウトランダー」を観ていましたが、6シーズンを製作中ということで今は保留中。
年末から今年にかけては、「ゲーム・オブ・スローンズ」を観てしまいました。

「ゲーム・オブ・スローンズ」は、ジョージ・R・マーティン著のファンタジー小説シリーズ「氷と炎の歌」を原作としたHBOのテレビドラマシリーズで、中世ヨーロッパに似てはいますがドラゴンや魔法が現れて、ファンタジックな王権争いの物語です。
このドラマは、北アイルランド、マルタ、クロアチア、アイスランド、モロッコ、スコットランド、アメリカ合衆国、スペインで撮影され、音楽も画像も最高の壮大なスケールの物語、伝説の「ドラゴン」が大空を飛び回る姿はすごい迫力です。
薔薇戦争など中世イギリスを中心とした史実をモチーフにしているために男性優位の封建社会ですが、話が進むほど女性の力が強くなる。
我が家はアマゾンプライムで見ていますが、有料だからこそできるタブーなしの大胆な描写が楽しめます。

グラインドボーン ヘンデル「サウル」

お正月気分はまだまだ続いていますが、早速グラインドボーン・アンコール ヘンデルの「サウル」から観てゆきましょう。
昨年末ウィーン国立歌劇場の「ドン・ジョバンニ」(20021年12月5日)は、オーストリアのロックダウンに伴い、無料で放映してくれました。その時の演出家で奇才バリー・コスキーと舞台装置と衣装カトリン・レア・ターグに目をつけていたのですが、この「サウル」でも演出と衣装を担当しています。そしてなんとこのオペラの重要な人物ダビデ役でカウンターテナーのイェスティン・デイヴィスは2016年に鵠沼サロンコンサートに出演してくれています。ロンドンから1時間のグラインドボーン・オペラ・ハウスと東京から1時間の鵠沼サロンコンサートはなんの関係もありませんが、イェスティン・デイヴィスがこんなに有名なカウンターテナーだったとは夢にも思っていませんでした。

ヘンデル/オラトリオ「サウル」(2015年8月22日公演)

サウル(イスラエル王)・サムエルの霊/クリストファー・パーヴス Christopher Purves
ダビデ/イェスティン・デイヴィス Iestyn Davies
メラブ(サウルの長女)/ルーシー・クロウ Lucy Crowe
ミカル(サウルの次女)/ソフィー・ビーヴァン Sophie Bevan
ヨナタン(サウルの息子)/ポール・アップルビー Paul Appleby
アブネル(イスラエルの将軍)・司祭・アマレク人・ドエグ(サウルの家臣)/ベンジャミン・ヒューレット Benjamin Hulett
エンドルの魔女/ジョン・グレアム=ホール John Graham-Hall
指揮/アイヴァー・ボルトン Ivor Bolton
演出/バリー・コスキー Barrie Kosky
舞台装置/カトリン・レア・ターグ Katrin Lea Tag
振付/オットー・ピヒラー Otto Pichler
照明/ヨアヒム・クライン Joachim Klein
管弦楽/オーケストラ・オブ・ジ・エイジ・オブ・エンライトンメント
リーダー/アリソン・バリー Alison Bury
合唱/グラインドボーン合唱団(合唱指揮/ジェレミー・パインズ Jeremy Bines)

「サウル」は、1738年にゲオルク・フリードリッヒ・ヘンデル(1685-1759)によって作曲されたオラトリオ。
紀元前11世紀頃イスラエル(ヘブライ)の王サウル(クリストファー・パーヴス)は、ペリシテ人との戦いの最中、ペリシテ人のゴリアテという2mを超える大男に手を焼いていた。小さなダヴィデ(イェスティン・デイヴィス)が、ゴリアテを倒しその首を切り落とすとペリシテ軍は総崩れになった。その首が上の写真に出てくる生々しい大きな首です。奇才と言われている今最も忙しい演出家バリー・コスキーとカトリン・レア・ターグが演出した、大きくてリアルな生々し首が最初にアップで撮されるのが、最初にびっくりさせられるシーン、そしてサウルが使う武器は槍ではなくて、ゴム鉄砲と石なのが不思議なところです。それとエンドルの魔女ジョン・グレアム=ホールは、20年前くらい前グラインドボーンのレーザーディスク全集の中のブリテン「アルバート・ヘリング」の主役を歌っていた歌手だということもわかって2度も3度も驚かされました。ほとんどが英国の歌手で揃えた「サウル」公演ですね。
さて物語に戻ります、“サウルはペリシテ人との戦いで1000人の敵を殺し、ダビデは10000人の敵を殺した”というイスラエル人による歌を聞いてサウルは怒り狂い、宥めるがサウルの怒りは治らず、(このときのサウル役のクリストファー・パークスの演技は滅茶苦茶面白い)ダビデを殺す様に息子のヨナタンらに頼む。サウルの次女ミカルはそんなダビデに心を寄せ、ダビデを逃す。
神から見放されたサウルは、魔女から預言者サムエルの霊を呼び出してもらうが、神はイスラエルをサウルから取り上げてダビデに渡したのだと答え、予言通りギルボア山のペリシテ人との戦いでサウルとヨナタンは死んでしまう。
司祭は民衆の嘆きを止めさせ、サウルが失った王国はダビデが取り戻すであろうと宣言する。
そしてこのオペラの中で唯一化粧をしていないダビデ役のイェスティン・デイヴィスが王になるというわけです。

このオペラの功労者はやはりサウル役のクリストファー・パーヴス、怒りくるった演技がすごい面白い、そして変態!
バリー・コスキーの演出は洗練されて、カラフル、音楽に合わせて踊る簡単なダンスが初めから終わりまで続き退屈することがありません、この辺は同じヘンデルのオペラ「ジュリオ・チェーザレ」演出デイヴィッド・マグヴィカーと似ていますが、もっと奇妙で面白いかも。演奏後の大拍手の後はオーケストラピットのリュートの楽器にスポットライトが当たりました。皆様もグラインドボーン・アンコールの権利を取得して楽しんでみてはいかがでしょう。

台湾カステラ

バーミアンで食べた台湾カステラが美味しかったと言ったら、娘がこんなレシピを紹介してくれました。
結構美味しかったです。
炊飯器で作れる台湾カステラ

①サラダ油大さじ1、たまご4個、砂糖大さじ6、牛乳100ml混ぜる
②①にホットケーキミックス150gをダマにならないよう混ぜる
③炊飯釜に②を注いだら炊飯
④炊き上がったらクシを通し液体がつかなければ完成 (つく場合はもう一度炊飯)

明けましておめでとうございます

1月1日(土)
明けましておめでとうございます。
今年は、コロナに負けない1年になるといいですね!
音楽はグラインドボーン・アンコールから始め、オペラを深く掘り下げてみたいと思っています。

それでは、今年も「しろくまブログ」をよろしくお願いいたします。

 

 

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