エマニュエル・パユ ハチャトリアンを吹く

5月24日(火)

読売日響・第558回定期演奏会は、
エマニュエル・パユのハチャトリアンフルート協奏曲
パユの人気で、チケットは完売です。

プロコフィエフ/交響的絵画「夢」
ハチャトゥリアン/フルート協奏曲
~休憩~
プロコフィエフ/交響曲第5番
指揮/キリル・カラビッツ
フルート/エマニュエル・パユ
コンサートマスター/小森谷巧
フォアシュピーラー/長原幸太

ベルリンフィルの首席フルート奏者として、貴公子のような存在だったパユですが、ベルリンフィルを一時退団(2000年)し、2年後に復帰した。流石に年はとりましたがまだまだいける、白髪のパユもいいかもね! フルートの腕前の方は完璧で力強い。
ハチャトリアンのフルート協奏曲は、はじめヴァイオリン協奏曲だったものを有名なフルート奏者、ジャン=ピエール・ランパルが編曲をした。
アンコールは没後20年になる武満徹の〝エア〟、サントリーホールは武満の世界に包まれました。
指揮はウクライナ生まれのキリル・カラビッツで、プロコフィエフもウクライナ生まれ。
交響的絵画「夢」も交響曲5番もプロコフィエフで決めている。
パユは、日本語も少ししゃべれるし、日本にファンがたくさんいるので、最後のサイン会には、長蛇の列が出来ていました。
今日も良い演奏会でした。

 

スラブ舞曲 全曲演奏

7月21日(土)

今日は、広上さん指揮、神奈川フィルのドヴォルザーク「スラブ舞曲」全曲演奏を聴きに、みなとみらいホールに、

ドヴォルザーク/スラヴ舞曲集第1集作品46
~休憩~
ドヴォルザーク/スラヴ舞曲集第2集作品72
指揮/広上淳一
コンサートマスター/石田泰尚
フォアシュピーラー/崎谷直人(さきや・なおと)

ドヴォルザークのスラブ舞曲は、第1集が8曲、第2集が8曲の全部で16曲。
アンコールによく出てくる曲で、デジブックの「秋の日」に使ったのは、第2集の2曲目でとても秋にピッタリの感傷的な曲、他にもアンコールに使われる曲はたくさんありますが、どれも素敵な曲ばかり。

ブラームスのハンガリー舞曲も広上さんが名古屋フィルで全曲を振った時聴きに行きました。

当時、既に有名になっていたブラームスは、ドヴォルザークの次から次へと湧き上がる豊かな旋律をほめ讃えた。 ブラームスの「ハンガリー舞曲」のブレイクで味をしめた出版社は、ドヴォルザークの「スラブ舞曲」を出版し、柳の下のドジョウとなり欧州中にドヴォルザークの名が知れ渡ることとなった、というドヴォルザークが世に出るきっかけとなる作品です。

日フィル・第680回東京定期演奏会

5月20日(金)

今回がラザレフ首席指揮者としては最後の演奏会ですが、〝ロシアの魂〟はまだまだ続きそうです。

チャイコフスキー/組曲第1番ニ短調作品43
~休憩~
ショスタコーヴィチ/交響曲第6番ロ短調作品54
指揮/アレクサンドル・ラザレフ
コンサートマスター/木野雅之
フォアシュピーラー/千葉清加
ソロ・チェロ/辻本玲

チャイコフスキーは、交響曲4番と5番のはさまれた10年に4つの巨大な管弦楽組曲を書いている。
その1つで、第1曲「序奏とフーガ」、第2曲「ディヴェルティメント」、第3曲「間奏曲」、第4曲「小行進曲」、第5曲「スケルツォ」、第6曲「ガヴォット」からなる。

ショスタコーヴィチの6番は、ラザレフさんがこの曲の見解を解説の渡辺和さんに述べている。
「第1楽章は、フルートのレチタティーボ、歌うところがあり、そこはまるで閉じ込められた魂の歌、というような感じです。当時の親しまれていた交響曲は動きのある元気な出だしの楽章が多かったため、このようなゆっくりの、いきなりアダージョではじまることに非難もありました。当時つけられたあだ名が、〝頭のないシンフォニー〟でした。その静かな楽章が終わった後、2,3楽章は動きのある楽章です。ここには、悪魔が出てきます。終わりよければすべてよし、のような世界が進んでいくのですが、一番最後に壁にぶちあたってしまうのです。とても陽気で明るいのですが、心の中が空っぽ。そんな感じなのです。」
そんなことを感じながら聴くととても分かりやすい。

 

鵠沼サロンコンサート レジス・パスキエ

5月17日(火)

鵠沼サロンコンサートは、夜7:00~
生憎の雨で足場はドロドロですが、「鎌倉文学館」に行ってバラの撮影をしてからコンサートに行きます。
今日はヴァイオリン界の巨匠 レジス・パスキエさんです。 しかも「雨の歌」・・・。

ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調作品78「雨の歌」
プロコフィエフ/ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調作品94a
~休憩~
サン=サーンス/ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ短調作品75
ヴァイオリン/レジス・パスキエ Regis Pasquier
ピアノ/金子陽子

世界的に有名なパスキエさんが、鵠沼サロンコンサートに来てくれるなんて、鵠沼サロンのこれまでの実績でしょうか、プロデューサー平井さんの熱意の賜物と思っています。
ブラームスの「雨の歌」は、今日歩いてきた道のりのようにちょっと物憂い曲、でもブラームスらしい。
次のプロコフィエフは、はじめフルート・ソナタだったものをダヴィッド・オイストラフが気に入って、プロコフィエフにヴァイオリン用に編曲をし勧めたもの、現在では、こちらの方が有名になりました。
最後はサン=サーンスのヴァイオリン・ソナタ1番ですが、本当に面白い。
アンコールは、音楽の師であるナディア・ブーランジェの妹さんのリリー・ブーランジェの子守唄でした。
鵠沼サロンコンサートに来ると、中身の濃い一日になりますこと!

日フィル・第317回横浜定期演奏会

5月14日(土)

五月の爽やかな気候の中、横浜にラザレフと日フィルの横浜らしい素敵なプログラムを聴きに行きました。
ヴァイオリン・ソロは渡辺玲子さんです。

モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲
モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K219「トルコ風」
~休憩~
ベルリオーズ/幻想交響曲
指揮/アレクサンドル・ラザレフ
ヴァイオリン/渡辺玲子
コンサートマスター/千葉清加
フォアシュピーラー/齊藤政和
ソロ・チェロ/菊地知也

期待に違わぬ演奏
先ず「フィガロの結婚」は、猛スピードで、
ヴァイオリン協奏曲「トルコ風」は、渡辺玲子さんのキリッとした美しいモーツァルト、
次の「幻想交響曲」は、ベルリオーズがシェイクスピア劇団の花形女優ハリエット・スミスソンと劇的な恋愛をして、その体験が「幻想交響曲」のモデルとなっていて、曲頭にベルリオーズ自身によるプログラム・ノートがついている〝ある若い音楽家が恋愛への絶望から阿片を飲み自殺を図る。しかしその毒は致死量に至らず、彼は昏睡する中、奇怪な幻想を見る。 その中で彼の愛した女性は、メロディー(固定楽想)となってあらゆる場面に現れる〟となっている。
ラザレフの「幻想」はキッチリ譜面に忠実で、日フィルの澄み切った音色と相まって、習字でいえば楷書的な「幻想」、日フィル所有の2台の鐘が舞台上に並べられ、木槌でたたくのですがとても壮観でした。

アンコールは、フランス繋がりでビゼーのカルメンから第三幕への間奏曲、美しいフルートの調べから入ります。

サルビアホール ライプツィヒ・クァルテット

5月9日(月)

ライプツィヒ・クァルテット

ワーグナー/ジークフリート牧歌(弦楽四重奏版)
ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲第12番ヘ長調作品96「アメリカ」
~休憩~
ブラームス/弦楽四重奏曲第2番イ短調作品51-2
ライプツィヒ・クァルテット

アンコールは、「ローレライ」の四重奏版です。
2か月後くらいには、本当にライン川下りをするつもりなので・・・。

サルビアホール 第59回クァルテットシリーズ

5月6日(金)

ドイツのヘンシェル・クァルテット

ハイドン/弦楽四重奏曲第60番ト長調 作品76-1
ヒナステラ/弦楽四重奏曲第1番 作品20
~休憩~
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第9番ハ長調 作品59-3「ラズモフスキー第3」
ヘンシェル・クァルテット

ヘンシェルは毎年6月終わりから7月始めにフランクフルトに近いゼーリンゲンシュタットで、「小さな弦楽音楽祭」催しており、今年は、6月29日~7月1日まで日本のエクセルシオが招かれています。
それでエクフレンズの代表として、数名がツアーに参加することになりました。
もちろん私たちも参加します。
またその時の様子など報告しますね!

日フィル・第679回東京定期演奏会

4月22日(金)

今日は、インキネンの首席客演指揮者としては最後の演奏会でイギリス・プログラムです。
〝インキネン、お話しするの巻〟としてアフタートークもありました。

ブリテン/ヴァイオリン協奏曲
~休憩~
ホルスト/組曲「惑星」
指揮/ピエタリ・インキネン
ヴァイオリン/庄司紗矢香
コンサートマスター/千葉清加
フォアシュピーラー/九鬼明子
ソロ・チェロ/菊地知也

今日のソリスト庄司紗矢香さんとインキネンとはケルンでヴァイオリンを学んでいた仲で、初めてインキネンが指揮を任された時、共演したのが庄司紗矢香さんだったという事をアフタトークでお話してくれました。

ブリテンのヴァイオリン協奏曲は、ブリテンが25歳の時に作ったもので、通常とは逆の緩急緩の3つの楽章を、続けて演奏するように指定されている。
アンコールはスペイン内戦時の軍歌「アヴィレスへの道」
後半のホルスト「惑星」は、占星術の知識を生かして作られたスケールの大きな作品
第1曲「火星、戦争をもたらす者」第2曲「金星、平和をもたらす者」第3曲「水星、翼のある使者」第4曲は有名な「木星、快楽をもたらす者」第5曲「土星、老いをもたらす者」第6曲「天王星、魔術師」第7曲「海王星、神秘主義者」からなっている。
東京音大の女性コーラスが入る第7曲は、最後の1小節を繰り返しながら消えてゆくのですが、女性コーラスは声のみの出演で、アカペラのような最後は難しそう!
インキネンの若さと清々しさに熊本地震の募金にもすぐに応じてしまいました。

小林美樹ヴァイオリン・リサイタル

4月19日(火)

鎌倉づいているこのごろ、お昼間は、安国論寺、英勝寺などを巡って鎌倉の花を楽しみ、鵠沼サロンコンサートに6時くらいに到着、7時からコンサートが始まります

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今日の鵠沼サロンコンサートは、「新しい波」と銘打っているシリーズに、何とチャーミングな姉妹が登場しました。現在は鎌倉在住とのことですが、お父さんの仕事の都合でしょうか、アメリカ・サンアントニオ生まれだったり、浜松生まれ、テキサス州育ちだったり、演奏ももちろんですが、姉妹の笑顔にすっかり虜になってしまいました。

ヴァイオリンが妹の小林美樹さん、ピアノがお姉さんの小林有紗さん。

ヘンデル/ヴァイオリン・ソナタ第4番ニ長調作品1-13
ワーグナー/アルバムの綴り(ロマンス)(ウィルへルミ編)
ヴィエニャフスキ/グノー「ファウスト」による華麗なる幻想曲
~休憩~
グリーグ/ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ短調作品45
ラヴェル/ツィガーヌ
ヴァイオリン/小林美樹
ピアノ/小林有沙

美人姉妹なのに、演奏は本格的以上のすご腕の姉妹です。
平成11年に、ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールで2位となったヴィエニャフスキのグノー「ファウスト」による華麗なる幻想曲が今夜演奏されました。
スラブ舞曲風で超絶技巧そして情熱的な素敵な曲で、彼女のレパートリーの中核となっている。

ラヴェルのツィガーヌ、ツィガーヌはジプシーのことで、やはり激しい曲なんですが、お得意なのでしょうか譜面を見ないで弾いてしまいました。

全てが高度なテクニックを必要とされる曲ですが、
アンコールも2曲、チャイコフスキーのヴァイオリン曲集「懐かしい土地の思い出」から3曲のメロディーと、2曲目はマスネの「タイスの瞑想曲」。
「タイスの瞑想曲」は、デジブック「鎌倉花だより」のBGMで流れていますので、じっくりお聞きください。

インキネン「ヴェルディ・レクイエム」

4月16日(土)

日本フィル・第316回横浜定期演奏会は、14日から熊本を中心に震度7クラスの地震が起きていて、まだまで余震が続いている中で行われました。
日フィル九州公演には何度も足を運び、インキネン九州公演の時にも行きました。
ずたずたになっている九州地方を見るにつけ、何とも言葉が出てきません。

ヴェルディ/レクイエム
指揮/ピエタリ・インキネン
ソプラノ/安藤赴美子
メゾ・ソプラノ/池田香織
テノール/錦織健
バス/妻屋秀和
合唱/晋友会合唱団(合唱指揮/清水敬一)
コンサートマスター/扇谷泰朋
フォアシュピーラー/千葉清加
ソロ・チェロ/辻本玲

インキネンは、黒のシャツで決めており、今日のレクイエムはやはり特別な気持ちがあるのかな、黒一色は、引き締まってとても似合っていました。
ソプラノの大隈智佳子さんが体調不良でのため欠席で、安藤赴美子さんが堂々としたソプラノで代役を務めました。
晋友会合唱団、ソロの4人共に素晴らしい演奏をしてくれました。

 

フィンジが聴けてよかった

4月14日(金)

読響・第557回定期演奏会
2016年読売日響、新年度のスタートは、下野竜也さんの指揮。

池辺晋一郎/多年生のプレリュード
ベートーヴェン/交響曲第2番
~休憩~
フィンジ/霊魂不滅の啓示
指揮/下野竜也
テノール/ロビン・トリッチュラー
合唱/二期会合唱団(合唱指揮/冨平恭平)
コンサートマスター/長原幸太

池辺晋一郎の「多年生のプレリュード」は、2011年1月22日に500回定期演奏会を記念して読響が委嘱し、下野が世界初演をしたもの。
多年生とは、冬を越し春が来るたびに萌芽し成長して開花してゆく、しなやかで強靭な植物のイメージを読響のイメージに重ね合わせている。

ベートーヴェンの2番は、「ハイリゲンシュタットの遺書」の頃に書かれており、これも再起を象徴する曲。

ジェラルド・フィンジは、20世紀前半に活躍した英国の作曲家で「霊魂不滅の啓示」は、テノール独唱、混声合唱、管弦楽のための頌歌。
英国ロマン派の詩人ウィリアム・ワーズワース(1770~1850)の同名の詩をテキストに用いている。
詩を中心とする英文学の熱狂的な愛好者であったフィンジは、とりわけトマス・ハーディーに傾倒し、次に好きなのはワーズワースだった。 湖水地方の自然を讃えるその作風は、田園紳士フィンジの気質と重なる。
英文学、クラシック音楽、やっててよかったと思える瞬間でした。そして湖水地方に旅をしていてよかったと。
詩は、牧場、森、小川、虹、薔薇、鳥、子羊、幼子、大地、天上、月、星などの言葉が出てくる。 とっても聴きやすい曲です。
テノールのロビン・トリッチュラーさん、2mくらいの長身で下野くんが指揮台に乗っても足りないくらいですが、とってもシャイな感じで真っ赤になってブラボーに答えていました。

 

キアロスクーロ・クァルテット

4月7日(木)

第58回サルビアホール クァルテット・シリーズは、キアロスクーロ・クァルテット。

ハイドン/弦楽四重奏曲第23番へ短調作品20-5
モーツァルト/弦楽四重奏曲第16番変ホ長調K428
~休憩~
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第10番変ホ長調作品74「ハープ」
キアロスクーロ・クァルテット Chiaroscuro Quartet

4人ともロンドン王立音楽院出身ですが、全部国籍が違います。
1stVがロシア、2ndVがスペイン、Violaがスウェーデン、Celloがフランス。
今回チケットは完売です。
ガット弦を張り、バロック・ボウを用いる古楽器スタイル、ビブラートをかけない純粋な音のハーモニーなので、音合わせを頻繁に行います。
アンコールは、ハイドン作品20-2 終楽章でした。