ゲルハルト・オピッツ ピアノ演奏会

12月1日(土)

もう師走ですね。
メインの音楽会は終り、あとは恒例の「第九」などを残すのみ、
今日は浦安音楽ホールにベートーヴェンのピアノを聴きに行く事になりました。

 

 

ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第8番ハ短調作品13「悲愴」
ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調作品272-2「月光」
     ~休憩~
ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第17番ニ短調作品31-2「テンペスト」
ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第23番へ短調作品57「熱情」
 ピアノ/ゲルハルト・オピッツ

 

 

ゲルハルト・オピッツ(1953-)は、ドイツ・ピアノ界の正統派を代表する演奏家で、流れはオピッツ自身の師であるヴィルヘルム・ケンプにつながり、その源流はリストやベートーヴェンに直接つながる。

ベートーヴェンの有名なソナタ「悲愴」「月光」「テンペスト」「情熱」を4曲
木の響きのみが聞こえる電子音のない世界で、静かな森の大木に寄り添ってピアノを聴いている気分。自然に溶け込んでリラックス出来るそんな時間でした。
アンコールはシューマンのトロイメライ
サイン会には長蛇の列ができていました。
前半ノイズが入り、ひやっとするも補聴器から生じた電子音だったようで、後半は全く自然の中の調べでした。できればいつまでも聴いていたい!

読響・パユとラングラメのモーツアルト協奏曲

11月28日(水)

読響第583回 定期演奏会は、デニス・ラッセル・デイヴィス指揮で、フルートのエマニュエル・パユとハープのマリー=ピエール・ラングラメのモーツアルトの協奏曲があります、あと2曲は背筋も凍る殺人事件。そしてサントリーホールはクリスマスの装いです。

 

スクロヴァチェフスキ/ミュージック・アット・ナイト
モーツァルト/フルートとハープのための協奏曲ハ長調K299
~休憩~
ジョン・アダムス/シティ・ノワール
指揮/デニス・ラッセル・デイヴィス
フルート/エマニュエル・パユ
ハープ/マリー=ピエール・ラングラメ
コンサートマスター/長原幸太

 

スクロヴァチェフスキ(1923−2017)は、2007年に読響の常任指揮者に就任し、「ミスターS」の愛称で親しまれましたが、昨年2月93歳で、死去しました。
「ミスターS」は、1923年ポーランドのリヴォフに生まれ、最初はピアニストとして、手を負傷してから作曲と指揮を学んだ。シマノフスキ記念作曲コンクールで2位に入賞すると奨学金で、パリに留学したが、作曲から軸足を指揮へと移し、やがて指揮者としての活動が安定すると、再び創作に向かうようになる。

〈ミュージック・アット・ナイト〉は、パリ留学中に作曲された。イタリア旅行中にフェッラーラ駅で途中下車しフェッラーラの古城に立ち寄り「ウーゴとパリジーナの悲劇」に思いを巡らせた。パリに帰ってモンテカルロのバレエ団のために〈ウーゴとパリジーナ〉を書き、それを元に〈ミュージック・アット・ナイト〉は作られた。ウーゴとパリジーナというのは、義理の息子ウーゴと不倫の関係になったパリジーナが、夫のニッコロ侯爵に斬首されるという実話で、作品中悲劇的な音が蠢き果ては弦が力強く主張し、打楽器が快活なリズムを強調するとやがて静かに落ち着き、悲劇の終りを告げる。

モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲は、ベルリンフィルのハープ奏者ラングラメとフルートのパユが以前もどこかで演奏を聴いたことがあるような気がしますが、スクロヴァチェフルキとジョン・アダムスの悲劇的な曲の間に挟まって、二人とも爽やかでとても印象的。貴公子風だったパユですが歳はとってももまだまだ魅力的だし、演奏も若々しい。アンコールはイベールの間奏曲で、オリジナルはフルートとギターのための間奏曲。

ジョン・アダムス(1947-)といえば「中国のニクソン」や「ドクター・アトミック」などセンセーショナルな話題を提供してきた。ハーバード大学出身の作曲家。
「シティ・ノワール」は、2009年に書かれ、ブラック・ダリアというロスアンゼルスで起きた猟奇殺人事件を取り上げている。「フィルム・ノワール(犯罪映画)」の題材になるような事件が起きた街のエネルギーや、時代の空気感を音楽に移し出したかったと言っている。
第1楽章  都市とその分身 第2楽章 この歌はあなたのために 第3楽章 ブールバード・ナイト ジャズ的な要素が音楽全体に散りばめられており、ここでもアルトサックスが街の官能的な雰囲気を出している。

 

 

ラザレフ・小林美樹

11月24日(土)

日本フィル第342回横浜定期演奏会は、アレクサンドル・ラザレフ指揮、ヴァイオリンは小林美樹さんです。

 

チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35
~休憩~
プロコフィエフ/バレエ音楽「ロメオとジュリエット」(ラザレフ版)
指揮/アレクサンドル・ラザレフ
ヴァイオリン/小林美樹
コンサートマスター/木野雅之
ソロ・チェロ/菊地知也

 

 

以前、鵠沼サロンコンサートというところで、小林美樹さんとお姉さまでピアノの小林有紗さんとのリサイタル があり〝な〜んと、チャーミングな姉妹〟とファンになってしまって以来注目しています。
今日は日本フィルの「緻密なる猛将ラザレフ」との共演ですが美樹さんもツイッターで〝コンチェルトでこんなに細かくリハーサルして頂いたの初めてでとっても楽しかった〟と語っていました。
ピョートル・チャイコフスキー(1840−1893)のヴァイオリン協奏曲は、ロシアの名ヴァイオリニストのアウアーに献呈されたのですが、「演奏不可能」というレッテルを貼られてしまいます。3年ほど経ってアドルフ・ブロッキーの地道な演奏によりこんなにも有名な曲になってしまいました。
小林美樹さん、のびのびとしかも超絶技巧を得意とする美樹さんですから「演奏不可能」と言われるほどのこの曲もしっかりとオーケストラとの息もぴったりです。
ルックスも演奏も上り坂ですね! 友達はブルーのドレスがあまりにも素敵なのでドレスに圧倒されて、始め曲を聴くのを忘れていたそうです。
アンコールはバッハの無伴奏パルティータ第3番から最後のジーグ。

1918年、日本のこの横浜にやってきて100年というセルゲイ・プロコフィエフ(1891−1953)の「ロメオとジュリエット」、ラザレフが大好きな作曲家でラザレフ版ですね。
日本を経由してアメリカへ亡命して、帰国してから最初の仕事としてレニングラードのキーエフ劇場から依頼されて作った「ロメオとジュリエット」は、1936年に交響的組曲として、1940年バレエの初演を果たし世界的に有名になった。
初めの「モンタギュー家とキャピュレット家」威嚇するような不協和音と「騎士達の踊り」から「ジュリエットの踊り」は特に有名。テナーサックスが入って混沌とした不透明感が現代的ですね。本当に面白い!
アンコールは、プロコフィエフの古典交響曲から第3楽章のガヴォットです。

東フィル・バッティストーニ「メフィストーフェレ」

11月16日(金)

東京フィル第912回サントリー定期演奏会にアンドレア・バッティストーニの「メフィストーフェレ」です。札幌の「アイーダ」こけら落とし公演に続いてバッティストーニ詣で。

ボーイト/歌劇「メフィストーフェレ」(演奏会形式上演)
指揮/アンドレア・バッティストーニ
メフィストーフェレ/マルコ・スポッティ Marco Spotti (バス)
ファウスト/アントネッロ・パロンビ Antonello Palombi (テノール)
マルゲリータ&エレーナ/マリア・テレーザ・レーヴァ Maria Teresa Leva (ソプラノ)
マルタ&パンターリス/清水華澄(メゾ・ソプラノ)
ヴァグネル&ネレーオ/与儀巧(テノール)
合唱/新国立劇場合唱団(指揮/冨平恭平)
児童合唱/世田谷ジュニア合唱団(指揮/掛江みどり)
助演/古賀豊
コンサートマスター/依田真宣

今年はアッリーゴ・ボーイト(1842−1918)没後100年に当たる。ボーイトは、ヴェルディの傑作オペラ「オテロ」「ファルスタッフ」などの台本作家として知られている。
26歳の詩人にして作曲家のボーイトが文豪・ゲーテの戯曲「ファウスト」を元に書いたオペラ「メフィストーフェレ」は、ファウストを主人公にしたものでなく悪魔メフィストーフェレを主人公にしている。ー悪魔との契約、欲しいのは若さー 悪魔メフィストーフェレと契約して若さを手に入れたファウストは、行きずりの乙女マルガリータに恋するが、やがて彼女やその家族まで破滅へと導く。

プロローグ 天上の世界
第1幕第1場 復活祭の日曜日
第1幕第2番 契約
第2幕第1番 庭
第2幕第2場 魔女の夜会
第3幕 マルゲリータの死
第4幕 古代の魔女の夜会
エピローグ ファウストの死

バッティストーニは東フィルと2016年にはマスカーニの「イリス」を、2017年にはヴェルディの「オテロ」を演奏会形式で行いましたが、今回2018年はボーイトの「メフィストーフェレ」となり3年連続。
やはり今回もマルコ・スポッティ(メフィストーフェレ)、アントネッロ・パロンビ(ファウスト)、マリア・テレーザ・レーヴァ(マルゲリータ&エレーナ)の外国勢は、体格の良さか声の響が素晴らしく、歌唱力もあり敵わないなと思えるほどです。
若きバッティストーニの精力的な指揮についてゆくばかり、東フィルの演奏もびっくりするくらいパワーがあります。

METライブビューイング「サムソンとデリラ」

11月17日(土)

METライブビューイング、サン=サーンスの「サムソンとデリラ」観てきました。
最近けっこうオペラ観ていますね。10月はバッティストーニの「アイーダ」11月は広上の「コジ・ファン・トウッテ」
この「サムソンとデリラ」デリラ役のエリーナ・ガランチャはビジュアル的にも歌も今が旬で最高です。11月22日まで映画館でやっています。
あと作曲がサン=サーンスというのもいいですね。多分ユダヤの血を引いているし。

アラーニャは、いつも通り素敵です。

指揮:マーク・エルダー  演出:ダルコ・トレズニヤック
〈キャスト〉
デリラ:エリーナ・ガランチャ(メゾゾソプラノ)
サムソン:ロベルト・アラーニャ(テノール)
大祭司:ロラン・ナウリ(バスバリトン)
ヘブライの長老:ディミトリ・ペロセロスキー(バス)
ガザの太守アビメルク:イルヒン・アズィゾフ(バリトン)

サムソンとデリラの物語は、(こちら)
2幕のデリラの「あなたの声に私の心は開く」はよく演奏会のアリアとして歌われます。ガランチャは、特に素敵ですね!
3幕のバレエが入る「バッカナール」酒神の宴は見もの。

ラザレフ・グラズノフ・ショスタコーヴィチ

11月9日(金)

日本フィル第705回東京定期演奏会は、桂冠指揮者兼芸術顧問のアレクサンドル・ラザレフ。 ラザレフが刻むロシアの魂のグラズノフ篇 4回目は、グラズノフがサンクトペテルブルグ音楽院の院長を勤めていた時代にそこで学生として学んでいたショスタコーヴィチの曲を組み合わせてある。

 

曲目

グラズノフ/交響曲第8番変ホ長調 作品83
~休憩~
ショスタコーヴィチ/交響曲第12番ニ短調 作品112「1917年」
指揮/アレクサンドル・ラザレフ
コンサートマスター/白井圭(ゲスト)
ソロ・チェロ/辻本玲

 

アレクサンドル・グラズノフ(1865−1936)は、帝政末期からソ連時代までを生き抜いたロシアの作曲家で、サンクトペテルブルグの富裕な家庭に生まれ、作曲家リムスキーコルサコフの愛弟子としてサンクトペテルブルグ音楽院に学び院長として、プロコフィエフやショスタコーヴィチなど育てた。
交響曲8番はグラズノフが完成した最後の交響曲、1905年ロシア第1革命の前後に作曲され、1906年12月にサンクトペテルブルグで初演された。

一方、ドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906−75)は、ソ連時代のロシアの作曲家、サンクトペテルブルグに生まれ、サンクトペテルブルグ音楽院(レニングラード音楽院)に学ぶ。交響曲12番は、1961年に完成、作曲家はレーニンの思い出に捧げるものと語っている「1917年」という副題の通りレーニンが指導した1917年の10月革命を描いた標題音楽。1961年10月1日第22回共産党大会の開会日に合わせてエフゲニー・ムラヴンスキー指揮レニングラード・フィルによって行われた。
ショスタコーヴィチの真意とは違うのではと思われた作品で、ラザレフの速いテンポと強烈なオーケストラの響きで、聴衆は驚くばかり。

 

京都・祇園・花見小路

1day 京都ツアーは、フォーエバー現代美術館・草間彌生さんの展覧会付きでしたので、最近改築が終わったばかりの京都南座を見ながら、

祇園・花見小路を通って

草間彌生さんのポスターも

写真を押すと倍の大きさになります。

フォーエバー現代美術館に到着、草間さんの大きなカボチャが外からも見えます。

開館1周年を迎えて、八坂倶楽部の「南瓜の間」「富士の間」「花の間」をオープン

お土産物もあります。

八坂倶楽部の中は畳敷き

祇園・花見小路など不思議空間を通り抜けて思いがけない体験をしてきました。

クァルテット・エクセルシオ 第14回京都定期演奏会

11月8日(木)

エクセルシオの定期演奏会、今回は京都まで来てしまいました。
演奏会場は、京都御所の前にある「アルティ」です。


      CDを買ってくれたファンとエクセルシオのメンバー

            エクフレンズと共に

ハイドン/弦楽四重奏曲第31番変ホ長調 作品20-1
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第9番ハ長調「ラズモフスキー第3番」作品59-3
~休憩~
ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲第13番ト長調 作品106

ハイドン(1732−1809)40歳の時、1772年に作曲された。《太陽四重奏》と呼ばれる弦楽四重奏曲作品20−1に続いて
ベートーヴェン(1770−1827)弦楽四重奏曲9番ラズモフスキー3番は、ロシア大使ラズモフスキー伯爵に書いた作品で、最高傑作の1つとされる。名古屋公演のラズモフスキー1、2、3連続演奏会を思い出します。最終章のアレグロ・モルトの速いこと、この部分は気持ちが高まって自然に早くなるとのことです。
最後はエクの今年のテーマであるドヴォルザーク(1841−1904)の弦楽四重奏曲13番、1895年の春3年間の新世界の生活を終えたドヴォルザークは故郷へ戻り、その11月から12月にかけての3週間の間に書き上げられた。ドヴォルザークの「アメリカ・セット」と呼ぶべき後期3大弦楽四重奏の一つで隠れた円熟の傑作。
アンコールはドヴォルザークの「糸杉」第5番、ヴィオラの吉田がしみじみ歌います。

京都でランチ「パッション」

11月8日(木)

京都に来ています。
御苑近く鴨川寄りのお店「パッション」でランチをしてから、
クァルテット・エクセルシオの京都定期演奏会ですよ!

エクのファンクラブ8名と会食で、なんとコーヒーがついて1400円です。
フランス・モンサンミッシェルのムール貝と的矢産の牡蠣など使ったなかなかのもの。
以前近くに住んでいたファンクラブの人の紹介ですが、ランチにピッタリの気の利いたお店ですね。

鵠沼でホルショフスキ・トリオ

11月6日(火)

第377回鵠沼サロンコンサートは、ピアノトリオで ホルショフスキ・トリオです。

ピアノ:相沢吏江子  ヴァイオリン:ジェシー・ミルス  チェロ:ラーマン・ラマクリシュナン

フット/ピアノ三重奏曲第2番変ロ長調 作品65
ショスタコーヴィチ/ピアノ三重奏曲第2番ホ短調 作品67
~休憩~
メンデルスゾーン/ピアノ三重奏曲第2番ハ短調 作品66
ホルショフスキ・トリオ Horszowski Trio

2011年 偉大なピアニスト、ホルショフスキの敬意の元、未亡人の賛同と支援を得てホルショフスキ・トリオが結成された。相沢は、カーティス音楽院でホルショフスキの最後の弟子でもある。相沢の夫でもあるヴァイオリンのジェシー・ミルスは、グラミー賞にノミネートされたことを始め、作曲と編曲のほかチック・コリアや小曽根真共共演するなどクラシック以外でも活躍。チェロのラーマン・ラマクリシュナンは、ハーバード大学で物理を専攻し卒業後は本格的に音楽に専念している。お父様は2009年にノーベル化学賞受賞者だという。

アーサー・フット(1853−1937)は、アメリカ合衆国の作曲家で「第2次ニューイングランド楽派」の一人。とりわけ室内楽創作の面からハーバード大学で最初に音楽学の学位を取得した人。ピアノ三重奏曲2番は、アメリカにこんな人がと思うくらい明るくおおらかな気持ちの良い曲。

ショスタコーヴィチ(1906−1975)のピアノ三重奏曲2番は、以前この鵠沼でハンブルグ・トリオで聴いたことがあります、はじめチェロが高音でか細く頑張っているのにヴァイオリンは悠々と低音で歌いそしてピアノが入る。そして最終章では物悲しいユダヤ旋律がズンチャカ、ズンチャカ流れる。重く悲しい旋律ですが、さすがホルショフスキの同意を得ただけあって、壮絶な大熱演でした。とにかく3人とは1メートルの近さですから。

メンデルスゾーン(1809−1847)のピアノ三重奏曲2番、情熱的でダイナミックな演奏。
この日は11月だというのに暑くて、休憩を挟んで冷房をつけるくらい、ジェシーもラーマンも上着を脱いでしまうくらい熱の入った演奏だったのです。
アンコールはメンデルスゾーンピアノ三重奏曲1番の2楽章の無言歌。
サイン会ではCDにサインをしてもらいました。
本当凄いです、このトリオ!

ヴォーチェ弦楽四重奏団

11月5日(月)

サルビアホール・クァルテットシリーズ第104回はヴォーチェ弦楽四重奏団です。

モーツァルト/弦楽四重奏曲第15番ニ短調 K.421
シュルホフ/弦楽四重奏のための5つの小品
~休憩~
トゥリーナ/闘牛士の祈り 作品34
ドビュッシー/弦楽四重奏曲ト短調 作品10
ヴォーチェ弦楽四重奏団

2004年にパリ国立高等音楽院の卒業生により結成。2005年クレモナ国際弦楽四重奏コンクール第3位、フランスのノルマンディーでの「フォーラム・ミュージカル・ド・ノルマンディー」コンクールで優勝、合わせてドビュッシーの演奏に対して「音楽の遺産賞」。2006年ジュネーヴ国際音楽コンクールに最高位入賞。2007年にはボルドー弦楽四重奏国際コンクールにおいて、、現代音楽作品の優れた演奏に対して「SACEM賞」と、モーツァルの優れた演奏に対して「セルゲ・デン・アレント賞」、2009年にはグラーツにての「フランツ・シューベルトと現代音楽コンクール」2位、現代音楽の優れた演奏に与えられる特別賞をリゲティーの演奏において、さらに聴衆賞を、またロンドン国際弦楽四重奏コンクールで2位を受賞、合わせてアマデウス賞、エステルハージ賞を受賞した。コンクール総なめですね、今回で4度目の来日となります。

モーツアルトの弦楽四重奏15番に続いて、
シュルホフ(1894−1942)の弦楽四重奏のための5つの小品は、5つのダンス音楽からなる小品集。シュルホフは、チェコ出身の前衛派のユダヤ人でナチスの強制収容所で病死、戦後忘れ去られていましたが、最近再評価の作曲家です。5つのダンスは、ウインナワルツ、セレナード、自分の出身地でもあるチェコ風、南米のタンゴ、イタリアのタランテラの5つ、世界音楽巡りですね。

休憩を挟んで、音楽巡りは続きます。次はスペインの闘牛士です。
トゥリーナ(1882−1949)はファリャの同僚で、伝統的なアンダルシアの民族音楽を積極的に取り入れた人。闘牛場の控え室で、トレアドールたちが祈りを捧げる儀式の音楽。

最後がドビュッシーの弦楽四重奏ト短調です。ノルマンディーのコンクールでドビュッシーの演奏において「音楽の遺産賞」をもらったヴォーチェですので完璧な演奏ですね!

アンコールはエジプトの作曲家ハム・ザ・エル・ディン(1929−2006)の「水車」という作品。。アフリカ色の強いまさに〝音楽世界巡り〟でした。

 

METライブビューイング2018−19

ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場で上演される世界最高峰のオペラを日本の映画館で上映する企画です。(METライブビューイング2018−19)
ヴェルディ「アイーダ」は、現在上映中。
このごろ、サン=サーンスをよく聴いているので、アラーニャとガランチャの「サムスンとデリラ」に行こうかと思っています。(11月16日から1月22日の1週間)

METライブビューイング 2018-19
ラインナップ

ヴェルディ《アイーダ》

2018/11/2 fri. – 11/8 thu   上映中

新演出
サン=サーンス《サムソンとデリラ》

Saint-Saëns– Samson et dalila

2018/11/16 fri. – 11/22 thu

プッチーニ《西部の娘》

Puccini– La Fanciulla del West

2018/12/7 fri. – 12/13 thu

MET初演

ニコ・ミューリー《マーニー》MET初演

Nico Muhly– Marnie

2019/1/18 fri. – 1/24 thu

新演出

ヴェルディ《椿姫》新演出

Verdi– La Traviata

2019/2/8 fri. – 2/14 thu

新演出

チレア《アドリアーナ・ルクヴルール》新演出

Cilea– Adriana lecouvreur

2019/2/22 fri. – 2/28 thu

ビゼー《カルメン》

Bizet– Carmen

2019/3/8 fri. – 3/14 thu

ドニゼッティ《連隊の娘》

Donizetti– La Fille du Régiment

2019/4/12 fri. – 4/18 thu

ワーグナー《ワルキューレ》

Wagner– Die walküre

2019/5/10 fri. – 5/16 thu

プーランク《カルメル会修道女の対話》

Poulenc– Dialogues des Carmélites

2019/6/7 fri. – 6/13 thu