サルビアでクァルテット・ベルリン=トウキョウ 

2月8日(月)

サルビアホール 第55回クァルテット・シリーズは、2011年、武生音楽祭の要請を受け、ベルリンで出会った4人によって結成されたクァルテット・ベルリン=トウキョウ、注目のクァルテットというので、有名な批評家もちらほら、結構重々しい雰囲気がありました。

ハイドン/弦楽四重奏曲第62番ハ長調作品76-3「皇帝」
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第11番へ短調作品95「セリオーソ」
~休憩~
バルトーク/弦楽四重奏曲第6番

結成して5年ほどなのに、札幌六花亭ホールのレジデンスとして認められ、この1月と7月に公演のためベルリンから来日、それでサルビアにも出演してくれたのかしら。
六花亭では、バルトークを全曲演奏ということで、今夜のバルトークは力の入ったとっても面白い演奏でした。

 

鵠沼でカウンターテナー

2月7日(日)

鵠沼サロンコンサート350回記念コンサートは、
〝カウンターテナーのイェスタン・デイヴィス ダウランドを歌う〟です。

今年は、シェイクスピア没後400年(1564-1616)で、本国の英国でも中世物が盛んなようです。
今回の作曲も16世紀(ルネッサンス時代)のジョン・ダウランド、ロバート・ジョンソン、トマス・キャンピオン、ジョン・ダニエル。
詩もまたルネッサンス時代のもの、最初の・・あなたは見たか・・は、 ベン・ジョンソンの作詞だそうで、学生時代〝錬金術師〟を読んだ記憶があるので、懐かしく思い出されました。

テナー1 テナー2
イェスタン・デイヴィス(カウンターテナー) と トーマス・ダンフォード(リュート)

曲目
ロバート・ジョンソン/あなたは見たか、晴れやかに咲く百合を? Have you seen the bright lily grow?
トーマス・キャンピオン/あんな女どもに用はない I care not for these ladies
ロバート・ジョンソン/安らぎをもたらす眠りよ Care-charming-sleep
ジョン・ダウランド/前奏曲、夢、ファンシー(リュート・ソロ)
ジョン・ダウランド/見よ、この奇跡を Behold a wonder here
ジョン・ダウランド/流れよ、水晶のような涙よ Go Crystal Tears
ジョン・ダウランド/デンマーク王のガリヤード(リュート・ソロ)
ジョン・ダウランド/私の過ちを許してくれるか Can she excuse my wrongs
ジョン・ダウランド/暗闇に住まわせておくれ In darkness let me dwell
~休憩~
ジョン・ダウランド/戻っておいで、甘い夢 Come again sweet love
ジョン・ダウランド/流れよ、わが涙 Flow My Tears
ジョン・ダウランド/ダウランドはつねに悲しむ(リュート・ソロ)
ジョン・ダニエル/悲しげな音の響き Can doelful notes
トーマス・キャンピオン/雨風にもまれた船ほど Never weather beaten sail
ジョン・ダウランド/ラクリメ(リュート・ソロ)
ジョン・ダウランド/悲しみよ、とどまれ Sorrow stay, lend true repentant tears
ジョン・ダウランド/今こそ別れの時 Now O now I needs must part (リュート独奏「蛙のガリヤード」と共に)
カウンター・テナー/イェスティン・デイヴィス Iestyn Davies
リュート/トーマス・ダンフォード Thomas Dunford

イェスタン・デイヴィス も トーマス・ダンフォードも素晴らしい音楽的環境で育っていてます。
イェスタン・デイヴィスは、現在、ロイヤル・オペラハウス、グラインドボーン等世界中のオペラハウスで引っ張りだこ、日本のようなカウンターテナーをあまり知らない国によく来てくれたなと不思議に思うくらいです。
よく通るカウンターテナーの歌声とリュートに響きに酔いしれました。
こんな演奏会を勧めてくれた主催者の平井さんに感謝!感謝!です。

3月25日 午前5:00~NHK BSクラシック倶楽部で放送されます。
今回初めて詩の訳を付けて下さったので、予習をしながら3月25日の録画をして、楽しむつもり!

ダヴィッド・オイストラフ・クァルテット

1月27日(水)

鶴見のサルビアホール、第54回クァルテットシリーズは、ロシアのダヴィッド・オイストラフ・クァルテットです。
とんでもなく面白いクァルテット!

チャイコフスキー/弦楽四重奏曲第1番ニ長調作品11
シューベルト/弦楽四重奏曲第12番ハ短調D703「四重奏断章」
~休憩~
メンデルスゾーン/弦楽四重奏曲第2番イ短調作品13
パガニーニ(ベルーギン編)/24のカプリース作品1~第20番・第1番・第24番
ダヴィッド・オイストラフ・クァルテット David Oistrakh Quartet

チャイコフスキーの弦楽四重奏曲1番は、アンダンテ カンタービレが有名で、よくアンコールで取り上げられます。
シューベルトはどこかできいたことのあるメロディー。
メンデルスゾーンの弦楽四重奏2番は、18歳の時に書かれた曲で、初めの旋律は、歌曲「問い」の〝それは真実?〟の引用。3楽章のインテルメッツオはアンコールとして使われる優雅な曲。
そして最後のパガニーニが面白い。ヴィオラのベルーギンが編曲しているのですが、超絶技巧はそのままに、パガニーニの様式を変えずに弦楽四重奏に移したとか。
アンコールも用意されており、ショスタコーヴィチの第3弦楽四重奏曲から第3楽章、もう1つは弦楽四重奏のための2小品でした。
あ~面白かった。

 

日フィル・第677回東京定期演奏会

1月22日(金)

1月定期は、桂冠名誉指揮者の小林研一郎さん。
金、土のうち土曜日は完売だそうで、金曜日の今日はほぼ埋まっていました。

リムスキー=コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」
~休憩~
ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」
指揮/小林研一郎
コンサートマスター/木野雅之
フォアシュピーラー/千葉清加
ソロ・チェロ/菊地知也

春らしくコバケンさんにふさわしい「シェエラザード」と「春の祭典」の取り合わせで、観客は大満足のブラボーを送りました。
御存じのように、シェエラザードは、「千夜一夜物語」(アラビアン・ナイト)で、木野さんのヴァイオリンソロが甘い響きを聴かせます。
春の祭典は、初演のパリでスキャンダラスな事件として有名で、春の神の心を和らげるため若い娘を死ぬまで踊らせて神に供した、異教の儀式の「いけにえの踊り」に当時の人たちは、驚いた事と思います。

ロームシアター京都で「フィデリオ」

1月11日(月)

京都・東山の岡崎公園の中にあった京都会館が〝ロームシアター京都〟となってリニューアルオープンしました。
1月11日は成人式と重なり、向かいの「みやこめっせ」は振り袖姿の成人で溢れんばかり。
ベートーヴェンの「フィデリオ」は、オープンニングにふさわしい曲で、最後は歓喜の合唱で終わる。

ベートーヴェン/歌劇「フィデリオ」(セミステージ形式)
レオノーレ(フィデリオ)/木下美穂子
フロレスタン/小原啓楼
ドン・ピツァロ/小森輝彦
ドン・フェルナンド/黒田博
マルツェリーネ/石橋栄実
ロッコ/久保和範
ヤキーノ/糸賀修平
演劇/地点(阿部聡子、石田大、小河原康二、窪田史恵、河野早紀、小林洋平)
管弦楽/京都市交響楽団
指揮/下野竜也
合唱/京響コーラス、京都市少年合唱団
演出/三浦基

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京響客演常任指揮者の下野竜也さん、力強い指揮で引っ張ってゆきます。
世界的に活躍されている木下美穂子さんのレオノーレ(フィデリオ)など、感動のフィナーレには、観客から大歓声が上がりました。
するとオーケストラメンバーや歌手たちが涙をあふれさせて顔がもうぐちゃぐちゃではありませんか。知り合いと一緒に楽屋に駆けつけた写真が上の一枚です。

日本フィル横浜定期演奏会

1月9日(土)

初演奏会は、日フィル第314回横浜定期演奏会です。

ヴィヴァルディ/ヴァイオリン協奏曲集「四季」作品8
~休憩~
ドヴォルザーク/交響曲第9番ホ短調 作品95「新世界より」
指揮とチェンバロ/大植英次
ヴァイオリンとコンサートマスター/木野雅之
フォアシュピーラー(前半はコンサートマスター)/千葉清加
ソロ・チェロ/辻本玲

大植英治さんはイメージとして、プレスリーのような大げさなパフォーマンスをする人だと思っていましたが、ちょっと大人しくなって、音も柔らかな音色だと感じました。
ヴィヴァルディは、チェンバロを弾きながらの指揮。
「新世界」は、細部にこだわりのある、でも柔らかなサウンドだと感じたのは私だけでしょうか?

アンコールは「アメージング・グレイス」、1パートづつ増えて徐々に大きな響きの祈りとなる。
素敵な曲でした。

 

 

 

日フィル・第313回横浜定期演奏会

12月19日(土)

日フィル横浜定期の今回は、大友直人さん指揮「第九」です。

ガブリエル・ロベルト/トランペット協奏曲「Tokyo Suite」(世界初演)
~休憩~
ベートーヴェン/交響曲第9番二短調 作品125「合唱付き」
指揮/大友直人
トランペット/オッタビアーノ・クリストフォーリ
ソプラノ/青木エマ
アルト/小川明子
テノール/錦織健
バス/宮本益光
合唱/東京音楽大学
コンサートマスター/木野雅之
フォアシュピーラー/千葉清加
ソロ・チェロ/辻本玲

「第九」の前に、ガブリエル・ロベルト(イタリア人)のトランペット協奏曲「tokyo  Suit」が演奏され、世界初演ということで、本人も来ていました。
映画やアニメーション音楽を作っており、「嫌われ松子の一生」「パコと魔法の絵本」では、日本アカデミー賞最優秀音楽賞を貰っている。
今回の日フィル客演首席トランペット奏者オッタビアーノ・クリストーフォリが委嘱したとのこと。映画音楽らしい雰囲気が漂っていました。

大友さんの「第九」は、スマートな中にも感動的な第九でした。
ソプラノの青木エマさん、テノールの錦織健さんがよかった。

今年のコンサートは、これで終わりです。

来年は、1月11日京都のロームシアター京都のこけら落しにソプラノの木下美穂子さんが「フィデリオ」のタイトルロールで出演します。
木下美穂子ファンクラブの会でも相当な意気込みでしたので皆さまも京都・平安神宮近くのロームシアター京都に足をお運びください。
それでは、皆さまよいお年を!

 

鵠沼サロンでペーター・シュミードル

12月8日(火)

第348回 鵠沼サロン・コンサートは、鵠沼のレスプリ・フランセにて
ペーター・シュミードルさん、ウイーン・フィルで長年ソロ・クラリネット奏者として活躍し、定年で現在フリーにで活躍。

R.シュトラウス/ロマンス変ホ長調
ブラームス/クラリネット・ソナタ第1番・第2番 作品120から
~休憩~
シューマン/幻想小曲集 作品73
ウェーバー/協奏的大二重奏曲 作品48
クラリネット/ペーター・シュミードル
ピアノ/佐々木秋子

世界的クラリネット奏者の演奏をわずか1メートルの距離で聴ける鵠沼サロンコンサートは、出演者も観客ももっとも楽しみにしているコンサートで、世界的には有名でも日本では知られていないプレイヤーをいち早くキャッチしている主催者の平井さん感覚が鋭いんでしょうか。

シュトラウスのロマンスは15歳の時に書いた作品

ブラームスのクラリネットソナタは、第1番の第1楽章 Allegro appasionato (へ短調)、
第2番の第2楽章 Allegro appassionato (変ト長調)
第1番の第4楽章 Vivace (へ長調)の順で演奏。

シューマンの幻想小曲集は、鵠沼ではお馴染みの曲らしい。

最後のウェーバー、迫力満点でピアニストの佐々木秋子さんもとても緊張するといっていました。

アンコールはシューベルトのセレナーデ。

サルビアホール・パノハクァルテット

12月7日(月)

サルビアホール 第53回クァルテットシリーズ
パノハ・クァルテット

ハイドン/弦楽四重奏曲第62番ハ長調 作品76-3「皇帝」
シューベルト/弦楽四重奏曲第13番イ短調 D804「ロザムンデ」
~休憩~
ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲第14番変イ長調 作品105

チェコの誇るパノハ・クァルテットは、ボヘミアのしなやかな感触が特徴で、
見た目より若いらしいのですが、1,2ヴァイオリンの白髪などから好々爺といった雰囲気が醸し出されている。
アンコールは3曲も演奏してくれました。
モーツアルトお第1四重奏曲K80からメヌエット、ドヴォルザークの糸杉から第3曲「お前の甘い眼差しに魅せられて」、最後にグルックのピッチカート。

読響・第553回定期演奏会

12月4日(金)
読響定期今月は、シベリウス生誕150周年で、オール・シベリウス、指揮はオスモ・ヴァンスカ

シベリウス/交響曲第5番
~休憩~
シベリウス/交響曲第6番
シベリウス/交響曲第7番
指揮/オスモ・ヴァンスカ
コンサートマスター/萩田尚子(ゲスト)
フォアシュピーラー/長原幸太

終楽章に白鳥の舞が見える第5番、神秘的な中に祈りも観られる第6番、詩的かつ壮麗な幻想曲の第7番、エネルギッシュなシベリウスを聴かせてもらいました。

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